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「DJイベント」「夏フェス」「ライブハウス」が大嫌いな方へ。

昨今、日本中の夜の街で行われている音楽系居酒屋、カフェ、バーの「DJイベント」にずっと違和感を抱いている。

素人DJ呼んで1,500円自動的に徴収したり、
「投げ銭」と称して無料風味だがその実「素人DJが客を呼んでくれる」という、今や日本中に蔓延している風潮だ。

そこに「いつもの顔」、
小太り髭キャップにTシャツにニューバランス、時々セル眼鏡の方々が集い「ヤーマン!」と挨拶を交わしテキーラのショットを開ける。

これは古くからある「ライブハウス」のシステムと同じで、
素人バンド寄せ集めて「イベント」を打って、「チケットノルマ」を課して最低売り上げは間違いなく確保し、「ドリンク代」と言っては原価5円くらいの安酒を500円で売る。
「ドリンク」は全てライブハウス側の利益だ。

チケットノルマも「ノルマを超えたらバック」と言って、要するに素人バンドは殆ど無報酬で演奏して客呼んでライブハウスの売上に貢献する。

だーかーらー、私はライブハウスが大っ嫌いで、「知り合いのライブ」の類いはもちろん、一切近寄らない。

その昔、そのライブハウスのシステムを忌野清志郎が曲中でDISったら、CDが発売中止かなんかになった笑。

その意味で「フジロック」も大変に不純で、最初は「やりたいからやる!」という純潔だったのが、プリンスホテルと結託し、飲食業者から搾取し、出演者の全体のギャラ(経費)は下がり続け、チケット代は上がり続けている。

要するに「味をしめた」のだ。

という訳で、結論を上げて行こう。

まず、ライブハウスという「素人のオナニー風俗」なんてものは要らない。

それ以外の「素人DJイベント」や「夏フェス」事案は「商売と純潔は分けろ!」という話だ。


まず、ちゃんと料理を作り酒を作って売り上げる。
イベンターならば普段のライブ・プロモーションでキチンと利益を出す。
素人バンドやDJはもちろん無料(あんなのは田舎結婚式の「余興」と同じだ)。

どうしてもイベントやりたければ、
「普段の利益の持ち出し」で「お客様に還元」するのが真っ当な商売人である。

「祭りごとを金にするな!」

という話だ。

まったくみっともない。

「いつもの顔」が「今日はあの店、明日はこの店」とイナゴの様に回遊し、「DJやるんで来てね!」と素人芸に小銭を回しあってる。

そんな「子供ホムパ(お誕生会システム=私の子供のころからある笑)」の様なシステムお小遣いを回し合ってるセコい経済圏。

こんな若年層(とはいえ既に四十路だったりする)だから経済が停滞しているのか、経済が停滞しているからこんな若年層になってしまったのか、、、。

「昔はねえ、人々はお金のことを気にしないで好きなことやり倒してたんだよ、、」(長老は語る)

「自分たちが容赦無く楽しむために一夜を買う」

これがポトラッチ精神(*1)

健康的な経済感覚である。

※ポトラッチ:〘 名詞 〙 ( [英語] potlatch 消費するの意 ) 北アメリカ太平洋岸のハイダ、クワキウトゥルなどのアメリカインディアンの社会にみられる儀礼的な贈答競争。 客を招き宴会を開いて財物を消費し、招かれた相手も名誉にかけて別の機会にそれ以上の消費をし、過度の消費によって名誉ある地位を得ようとする(コトバンクより)

主催者も演者も「やりたいからやる」

これが健康的な音楽環境を生む。

1980年代にアメリカで行われたヴァンヘイレンとジューダスプリーストとザ・クラッシュが同じステージに上がった滅茶苦茶フェスである「USフェスティバル」は、アップル・コンピュータのスティーブ・ウォズニアック個人の持ち出しで開催され1200万ドルの赤字を出した。

これぞ「祭り」である。

「どうしてもやりたかった」のだ。

金額の大小に関わらず、「祭り(英語でフェスね)」はポトラッチでなくてはならず、

そして「プロ」にはキチンと正規のギャラを払う(=祭りクオリティの保証)。

「祭り」とはそもそも「収穫」を感謝し、それを神に捧げるものである。

「祭り」で儲けよう、なんて天罰が下るだろう。

そういう「気位」のお話である。

ここでいきなり昔話が始まるが笑、

現在の「DJイベント」や「夏フェス」の原型は、1990年代からミレニアムの時代に形成されたものである。

ミレニアムまでのクラブやイベントにはポトラッチ的な「向こう見ず」感覚に溢れ、主催者も演者も客も「一夜」を振り切っていた。

ちゃんと働いて、ちゃんと放蕩する

これが健康というものではなかろうか。

「セコい」というのはそもそも芸人言葉だが、
不健康の始まりである。

そんな空気が日本中の夜の街の「DJイベント」に、
あるいは「夏の野外フェス」に満ち溢れている。

「貧乏は良いけど、貧乏臭いのはダメ」

これは私の師匠の言葉である。


*1:参考図書、 『贈与論』マルセル・モース

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