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『M3GAN/ミーガン』と自分勝手映画史。

もうさんざ色々と語れているので、
こちらはもう勝手自由な視点で、
「映画『ミーガン』から勝手に連想するいくつかの映画」
について書いていきたい。

とりあえずまずは『キック・アス』である。

ヒット・ガール

この「クライマックスで少女が異様な身体能力を見せつける」というエクスタシー。

あの「ミーガン・ダンス」のシーンからは、
『キック・アス』でミンディが殴り込みをかけて、「Bad Reputation」 Joan Jett & The Blackheartsをバックに「超短い」殺陣で相手を37564にするシーンを連想した。

このヒットガールの「超短ハイテンション殺陣」は黒澤明監督の『用心棒』へとさらに連想がつながる。

二時間近い『用心棒』の中で、3回ある殺陣のシーンを全部足しても1分に満たないのではなかろうか。

この「3回の超短いハイテンション殺陣」の構造も『キック・アス』と『用心棒』は全く同じなのだ(まったく『すたーをーず』の冗長なダラケた殺陣はこの二つの映画の爪の垢を煎じて飲んだ方がよい)。

桑畑三十郎


そして「AIが暴走する」という点において、スタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』の「HAL」まで遡って連想した。

「HAL=IBM」から「Apple」の時代へ

「HAL」は御存じの通り「IBM」のことで、超巨大なスーパーコンピューターが人間に造反するのだが、2020年代になったら「タブレット」サイズになっている。

「宇宙空間の宇宙船の巨大スーパーコンピューター」から「ご家庭のタブレットとAIおもちゃ」に現実は移り変わっていったが、「人工知能が暴走する」という基本的なフォーマットは全く同じに見えた。

そして現在、「クラウド」や「IOT」まで、広く浅く我々の日常生活は「敵に包囲されて」いる、ということが身に染みるのであった。

そして、割と「モロ」なのは、
ユル・ブリンナー主演の『ウエスト・ワールド』

アメリカ西部開拓時代のガンマン、中世ヨーロッパの騎士、帝政ローマの豪傑という「3つのテーマ」に分かれたテーマパークで、アンドロロイドが「キャスト」となって、人間同士では簡単に出来ない「殺し」や「セクース」をその舞台の中でアンドロイド相手に体験できる。

そして、アンドロイドのユル・ブリンナーが造反を起こして、人間を殺し始めるのである。

ユル・ブリンナー

これは『ターミネーター』から『ブレードランナー』辺りの「サイバーパンク」らへんにさらに連想は繋がる。
特に「顔面が外れたミーガン」はモロにそれであった。

顔が外れたターミネーター

そしてそして「人形が暴走する」のは、御存知『チャイルドプレイ』
そしてこの映画のプロデューサーの手掛ける傑作シリーズ『死霊館』のアナベル人形ちゃんがすぐに思い浮かぶ。

アナベルちゃん、死ぬほど怖い、、、

また「森の中でいじめっ子をゴン詰めする」シーンの身体表現はウィリアム・フリードキンの『エクソシスト』のスパイダーウォークを連想させる。
ついでに「可愛い子供の人格が急変する」というのもこの映画へとつながった。

ディレクターズカットでお目見えした伝説のムーヴ

そして、世界の映画界を席巻した中田秀夫監督『リング』の貞子のムーヴ。

現代のホラー映画で「貞子ムーヴ」の影響が無いものを探すのが難しいほどだ。

この瞬間、「ああ、俺の人生終わった」と思った


スティーヴン・スピルバーグの『A.I.』が「可愛いヒューマンな子供ロボット」つながりで連想された。

また、「ロボット目線」という観点からは
ポール・バーホーベン監督の『ロボコップ』の白眉な表現が連想される。

ロボコップ視点

と、挙げて行ったらキリが無かった、、、

あ、あと最後の廊下のシーンはスタンリー・キューブリック監督の『シャイニング』も入ってる気がする。

この感じ、あると思います


と勝手気ままに書いていたら、『ミーガン』、もう一回観たくなってきた。

最後に、
私にとっては『アフリカン・カンフー・ナチス』にならぶ、
「2020年代を代表する映画」になりました。

どちらもパート2を楽しみにしております。

この映画で、映画とは「グルーヴ」だ、と再認識させられました

P.S.
二度目、観終わった。
最後のミーガンぶち切れシーンは、
ブライアン・デ・パルマ監督『キャリー』入ってるな、完全に。

いやはや、凄い映画だ。

3回目行くな。


キャリー



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