見出し画像

圧巻のKO防衛!!

スーパーバンタム級4団体統一王者である井上尚弥が挑戦者であるキム・イェジュンを4R KOで仕留めて王座の防衛に成功した。

代役ということでグッドマンと比べると、ランキングや実力ともに大きく異なるファイターとなってしまったが、井上尚弥はその実力差に見合うだけの内容を展開したのではないかと思う。

「被弾した」というコメントもあったが、試合内容を見ると情報不足や対策不足だけではなく、井上自身がキム・イェジュンの攻撃にそこまで脅威を感じていなかったという所もあったのではないかと感じる。

プロで経験を重ねた選手たちは恐らく向き合っただけで互いに凡その実力を把握することが出来ると思うので、試合が始まってすぐに井上とキムはお互いの力量を感じ取ったのではないかと思う。

その結果、キム・イェジュンは自然と退がり気味のディフェンシブな姿勢となり、井上尚弥は余裕を持ったオフェンス展開を見せていく流れとなった。

そして問題ないという気持ち的な余裕が相手を把握するための確認作業を大胆なものにした結果、いくつかのパンチを被弾するという状態に至ったのではないかと思う。

とは言えそれも驚くほどのものではなく、あり得る程度の範囲内に収まっていたと言える。

むしろ対グッドマンをモチベーションとしながら長い間トレーニングと対策に励み、目前でその機会を逸した挙句、対戦相手が変更してしまうといった状況の中で、あれだけのパフォーマンスを変わらずに見せることが出来た井上尚弥のプロ意識と集中力の高さが浮き彫りとなっていたのではないだろうか。

TJ・ドヘニーとキム・イェジュンはどちらもサム・グッドマンの代わりとなる挑戦者ではあったが、歴戦のプロを相手にあれだけ一方的な試合を展開し、最終的に仕留めることが出来るというのはやはり普通ではない。

凄すぎて凄さが伝わりづらくなってしまうような試合が連続で続いてしまったが、2025年に想定されている残りの試合はそうはならないと思うので、存分に井上尚弥を体感できる試合になるのではないかと思っている。

やっぱり凄い!井上尚弥の破壊力


写真:中戸川知世

今回の試合で改めて示されたその破壊力はガードを固めた相手も仕留めてしまうほどの強力さを持っている。

今回の防衛戦では井上尚弥のジャブとボディがそれを象徴する攻撃になっていたのではないかと思う。

最小限の動きで最大のダメージを生み出すテクニックと破壊力は、キム・イェジュンを相当に苦しめていたと感じる。

対処が難しい上にダメージもしっかりと残る攻撃を放つことが出来る井上尚弥の技術と脅威的な破壊力は異次元のレベルにあると改めて言うことができる内容になっていたと思う。

すでに大分擦られた表現ではあるけれど、正しく“モンスター”という異名に相応しい能力を見せていたと感じる。

フェザー級になればこれまでのような倒し方は難しくなってくるのかもしれないが、それでも脅威的な武器であることに違いはないので、効果的に活きることにはなるだろう。

その点を含めて今後を楽しみにしていきたい。

対戦の噂があるアラン・ピカソとムロジョン・アフマダリエフは、防衛する上で手強い相手となってくるのは間違いない。

そんな強敵を井上尚弥はどう倒して行くのか。

その過程で「4つのベルトを束ねる存在」の意味というものが改めて示されることになってくるのではないかと思う。


いいなと思ったら応援しよう!