親愛なる大統領候補者様
私は日本の一市民です。
私は今、あなた方の国の選挙の行方を真剣な眼差しで見つめています。
日本でも先日、選挙が終わったばかりですが、これからこの国がどこへ進もうとしているのか、見通すことが難しくなっています。
今、世界は今世紀最大の危機を迎えていると思います。
世界の至る所で、暴力と分断が急速に広がっています。
小さな意見の違いが論争となり、相手を非難し合う不毛の議論が紛争を生み、小さな紛争が大きな戦争へと拡大しています。
今世紀に入ってから、いったいどれほどの尊い命が失われたことでしょう。
今や核戦争の脅威は、悪夢から現実のものとなりつつあります。
もはや、核抑止論では平和は保てません。
この先、ウクライナとパレスチナの紛争が世界に拡散し、核戦争に繋がることがないようにと祈るばかりです。
今、世界中で異常気象による甚大な被害が拡大しています。今や異常気象は常態化し、これから起こる食料危機や水不足やエネルギー危機は、想像を絶する規模となることが危惧されます。
森を切り開き、畑を作り、作物を育ててきた人類の数世紀にわたる活動が、パンデミックを呼び起こし、今なお信じられないほど多くの人々を感染症の苦しみに追いやっています。
いまだに、一日に必要なカロリーを取ることさえできない多くのこどもたちがいる一方で、幼い頃から肥満と成人病に苦しむこどもたちがいます。
格差が拡大する一方で、人類はもっともっとと無限に欲望を膨らませています。
豊かさとはなんでしょうか。
それは、自然を破壊し、資源やエネルギーを使い果たし、他国の領土を侵略し、多くの尊い命を奪ってまで追求するほどの価値があるでしょうか。
私は心配しています。
私たちは、未来のこどもたちに何を残せるのかと。
私は心配しています。
このままでは、人類に未来はないのではないかと。
私は心配しています。
このまま、人類は憎しみ合い、殺し合い、自然を破壊しつづけるのかと。
それでも、私には夢があります。
肌の色や、生まれや、性別や、障がいや、考え方が違う世界中のこどもたちが、ともに思いやり、手を繋いでいける社会がくることを。
私には夢があります。
多くのこどもたちが、森のなかで昆虫と戯れ、動物たちと遊び、澄んだ水を飲み、自然からの少しの恵みに感謝する生活を送る日がくることを。
私には夢があります。
多くのこどもたちが、戦争ごっこやスマホでゲーム遊びをするのではなく、友だちと輪になって、声をかけ合い、助け合いながら、スポーツを楽しみ、芸術に親しむことができる日がくることを。
私には夢があります。
世界中のこどもたちが、両親や周囲の大人や社会に見守られながら、差別や偏見のない、豊かで平和な社会に暮らせる日がくることを。
その夢を実現できるかどうかは、今を生きる私たちの選択にかかっているのです。
親愛なる大統領候補者様。
どちらが勝利しても、未来のこどもたちのために、異なる価値観の人々と共存できる世界を、手を取り合って築いてください。
世界は真剣な眼差しで、あなた方を見つめています。
英語版はこちらです。
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