10年前はこうだったのに… 笛ラムネのおまけを見て感じる変化
この間、娘と二人で買い物に行ったとき、お菓子コーナーで娘が言った。
「ねぇ、久しぶりに駄菓子のコーナー見てもいい?」
「あ~、小さいころはよく行ってたよね。どうぞ、見てみたら?」
娘は今はもう高校生になっているので普段お菓子を買う時は、みんなで食べれるような大袋を買う事が多かった。
けど、子供の頃は小さくて色んな種類がたくさん置いてある、いわゆる駄菓子系なものを弟と二人でよく選んでいた。
それを思い出したのか娘は駄菓子を久しぶりに食べたくなったらしい。
しばらくして、
「ねぇ、この笛ラムネめちゃ懐かしい!…うわ、こんなになってる!」
そう言って私に箱を見せてきた。
一見何も変わってない様に見えた。
笛ラムネがいくつか入っていてその横におまけのおもちゃがついている箱があった。
昔と一緒だ。
「ん?確かに懐かしいけどさ、何が違うの?昔と同じじゃない?」
私がそう言うと、
「ほら、見てよ。ここ、ここ。」
娘はおまけのおもちゃが入った側面の文字を指して言った。
そこには
「かっこいいおもちゃ」「かわいいおもちゃ」
と書いてあった。娘は言った。
「私が小さかったころはさ、確か『男の子のおもちゃ』『女の子のおもちゃ』だったんだよね。ジェンダーに対して気を使ってるわ。」
なるほどな~と思った。
最近「ジェンダー」という言葉が浸透してきたように思う。
その意味は、生物学的な男女の違いという事ではなくて、文化的、社会的に作られる「男らしさ」「女らしさ」という事らしい。
だから、国によって文化が違うのでジェンダーが一緒になることは難しい。
日本の場合、昔のジェンダーは、典型的なのが「男は外で働いてお金を稼ぐ」「女は家にいて家庭を守る」と言う考え方だろうか。今も根強く残っているところもあるけど。
あとは、自分の昔の体験を考えると…
私はもう40代なのだが、私の小さいころはランドセルの色がしっかり別れていた。
男の子は黒、女の子は赤。それ以外はまずなかった。
あと、中学生の制服は男の子はパンツで、女の子はスカートそれはしっかり決まっていた。
だけど最近はだいぶ変化したなぁと感じることがある。
娘がまだ小学生だった10年前は、ランドセルの色はたくさんあった。本当にみんな色々な色で登校していた。
中学生の時も娘のクラスではパンツ姿の制服の女子を見たことがある。
そして、今回のお菓子のおもちゃ。
本当に色んな所でジェンダーを感じさせない世の中になって来たなぁと思った。
笛ラムネを私に渡して娘は言った。
「これだと確かに選びやすいよね。私も小さいころ、男の子のおもちゃ欲しいな~って思ったことあったもん。○○ちゃんは女の子だからこっちね、って勝手に振り分けられたりして…。」
でも私は箱を見たとき、その字の色が気になった。
違った色で書いてあったからだ。
かっこいいと書かれた文字は青。かわいいと書かれた文字はピンク。
ん?これってまだジェンダーがあるんじゃないのかな…と思った。
私は、小さいころから青が大好きで、何でも青を選んでいた。
でも、家の中でだけ。
外でそれをすると友達に「女の子なのに…」と変な目で見られるのが嫌だったから。
だから、その「色」にもジェンダーがなかったら私は幼いころもっと青に囲まれた生活が出来たかもしれない。
私はその箱をジーっと見つめ、こうも思った。
もしかしてその感覚のままなのは私なのかな?
青→男の子 ピンク→女の子
と連想してしまう私が単にまだジェンダーを持っていて、今は青っぽいのは男、赤っぽいのは女という考えがなくなったのかな?
う~ん、今の子どもたちの世界には入っていけないので肌で感じようがないが…。
とにかく、私自身は今までの経験から、人の「好み」に関してうるさく言ったり、社会全体で型にはめたりするのはあまり好きではない。
色の事は分からないが、男用、女用とおもちゃを勝手に振り分けていないのは時代の変化を感じた。
好みはその人が自然に感じることだから、1人1人の嗜好を大切に出来る社会になりつつあるならそれはとてもいいことなんじゃないかと思った。