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〇六十花甲子と守護神法 その6(役に立たない守護神の場合)

守護神法の高度な見方になります。

佐野武男(丸富製紙株式会社社長)
1957.1.26男性
 戊辛丙
辰戌丑申
巳辛癸戊
 丁辛壬
 戊己庚 


  3 壬寅
13 癸卯
23 甲辰
33 乙巳
43 丙午
53 丁未
63 戊申
*
守護神について】
『宿命中殺はありません。
調候の守護神→丙火甲木。宿命には丙があります。
調候の忌神は水性土性です。
調和の守護神→木性が必要です。ただし宿命にはこれらは陰陽も含めて一つもありません。
完全格および一点破格にはなりません。』 (朱学院ソフトから一部転載)

【りっぱな下格の宿命】
この宿命は、丑月の日干戊土で、土性が三つもありますから、調和でとります。
ですが、木性がひとつもありません。
土性をなんとかしなければなりません。
しょうがないから力を洩らす金性をとります。
月干に透干している方の辛金を守護神とします。
しかし、この辛金は土をかぶされて、おまけに干合されてますから守護神としてはほとんど役に立ちません。土生金と洩らしてもたいして洩れません。
こうなったら、守護神を活かすよりも土性を消化する方が先決です。
なので、普通にみたら下格中の下格です。
しかし、この方は社長になって祖父から続く会社を発展させています。
どうしてか?
まず、陰占と陽占の特徴を列記します。
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陰占陽占の特徴
陽占の特徴】
  |龍高|天胡
貫索|石門|鳳閣
天庫|調舒|天印

純濁法:濁
身強・身弱:身弱
循環法:龍高→貫索・石門→鳳閣・調舒
局法:八寿局 天華局 
要星:鳳閣星

陰占の特徴
位相法:丙辛 干合(水性変化)
日支と月支 丑戌 庫気刑
主気論:洩気型
本能格法:守備本能格 
干支法:天合地破、(準)日干角型相生、(準)年干角型相剋、全地子供、(準)全支集印
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消化は、人体図の星でみていきます。
忌神の土性は、石門星と貫索星です。
石門星は協調性の星です。
貫索星は他人任せにしない。
この星だけで言うと、独立独歩で事業創設に向きます。

この方のお仕事は、会社経営です。
経歴を見ていきます。
1955年(昭和30年)祖父の佐野富男さんが静岡県富士市今泉に丸富製紙設立。資本金500万円でチリ紙生産開始
昭和34年3月トイレットペーパー生産開始
昭和50年トイレットペーパーの生産量が業界1位となる
1976年(丙辰)昭和51年4月佐野富男代表取締役会長、日向徳夫代表取締役社長就任
1977年(丁巳)昭和52年牛乳パック類をトイレットペーパーのリサイクル原料として国内で初めて使用開始
昭和53年富士根工場敷地内に「丸富流通株式会社」を設立
昭和54年8月父の佐野廣彦さんが代表取締役社長に就任
昭和56年9月富士根工場へ、当時では日本初となるFABIO PERINI製トイレットロール用リワインダーを新設
昭和57年6月芯なしトイレットペーパーを開発、販売開始
2004年(甲申)平成16/6佐野廣彦代表取締役会長、佐野武男(47才)代表取締役社長に就任
2022年(令和4年1月)海外事業本部を設置。6月輸出開始
2023年(令和5年10月11月12月)「透かし模様入りトイレットペーパーの製造方法」その他の特許を取得。
(※https://www.marutomi-seishi.co.jp/.丸富製紙株式会社沿革より抜粋編集)
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十二親干法
 戊辛丙
辰戌丑申


透干している人物を求めます。 
十二親干法でみると、
丙―辛
       |
       壬―丁
              |
   本人 戊―癸 

透干している人物は、祖父母です。
祖母についての情報はわからないので祖父について記述します。
祖父は、昭和30年に丸富製紙株式会社を設立してから、洋紙、板紙にくらべて立ち遅れている白ちり紙の改良、生産向上につとめました。
ちり紙抄造技術に着手し、新しいパルプの蒸解工法、経済的合理的な化学粘剤の使用法などを研究されました。

父親の代になってからも牛乳パック類をトイレットペーパーのリサイクル原料として国内で初めて使用開始するなど研究開発に挑戦しています。

そして、本人の代になってからは、親の仕事を引き継いで海外進出や特許を取得するなど、新しい商品開発に取り組んでいます。

陰占では祖父は年干の丙火。
人体図では親や目上の場所で龍高星になります。
それで実際の祖父は頭の回転が抜群で機転が利き、発明好きだったそうです。

  |龍高|天胡
貫索|石門|鳳閣
天庫|調舒|天印

この人体図からは、
アイディアに知恵が回り(龍高と天胡)、それで、協調性をもって、思いやりの気持ちで自分たちの力でやっていこうとする。
そういった意気込みで粘り強くやっていけば、ほかからも助けがやってくる。(貫索石門天印天庫)
という人体図です。


会社設立
また、この会社の設立は1955(昭和30年)9月9日で、
 癸乙乙
戌酉酉未

陰占の宿命を見ると、秋の水はきれいな水で金白水精。
製紙業は大量のきれいな水が必要です。
この人体図は、
  |鳳閣|天庫
龍高|龍高|禄存
天胡|鳳閣|天胡
ここにも龍高星があって、しかも主星です。
加えて、天胡天庫と研究熱心のひらめきアイディア好きの星です。
これが、うまい具合に本人の人体図にも載っています。
  |龍高|天胡
貫索|石門|鳳閣
天庫|調舒|天印

そして、
この会社の理念を要約して記述しますと、
『共存共栄。和をもって協力しあい、常に向上心をもって進み、共に栄える心が丸富製紙の基本姿勢です。』とあります。(※前出 丸富製紙株式会社 会社理念より抜粋編集)
これは、
本人宿命、主星石門とぴったりです。
※(集団占法は、上級クラスに於いて人間以外の占いをするものとして「擬人論」のなかで習うことができます。)

それで、本人の陰占日干戊土は、大きな山です。
木を育てることが役目です。

【六十花甲子】で読み解く消化の仕方
「戊戌は、天地上下共土性であるがゆえに、雄大でりっぱな山。
元来、戊戌は、大器の干支であるために、甘やかされることなく他人に鍛えてもらうことで自身の発展が望めます。」
六十花甲子のテキストには『他人に養育されることを喜びとする。』とあります。
戊戌は比和の関係です。これで説明すると、比和は貫索石門です。
この星は、気が強いです。
だから、他人に養い育ててもらうことによって気の強さに社会性が備わるんです。
それで、自分を守り(守備本能)、他人を思いやること(仁)ができるんです。
これがないと、ただの乱暴な人とか身勝手な人になりかねません。
だから甘やかされないで鍛えられることが自身の成長はもちろんのこと、これがおそらく優秀な従業員に恵まれていることで会社の発展にもつながります。
(参考:学校初級では干支(教科三)の項ほか。上級では人体図の見方にて詳しく学ぶことができます。)

後天運】をみると
3才から23才までの20年間ですが、ここは父の星が廻ってます。
ここで鍛えられると、次の20年間は天中殺ではあるものの守護神が廻ってきたことで宿命が発揮されます。



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このように、宿命の判断基準となる上格下格を、算命学を学ばれる方にとって宿命を活かすための目安として心得ておくなら、命式の読み取りだけで一喜一憂して翻弄されることがなく、また、他人に脅かされることもなく、他人を脅かす必要もない境地で、確かな人生を歩み続けることができるものだと考えてよろしいかと思います。
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