ハコベルで鍛えられた「事業成長に効くチャレンジの方法」
ハコベルに入社して、そろそろ丸3年経過するところですが、かなり色々なチャレンジをさせてもらっています。さらにありがたいことに、ハコベルではチャレンジする際の規律が効いているところがあるので、チャレンジする中で「良いチャレンジ、悪いチャレンジ」を学ばせてもらいました。
まだまだ修行中の身ではありますが、今回はハコベルで鍛えられた「事業成長に効くチャレンジの方法」について書きます。
そもそも事業成長に効くチャレンジとは
狙っていた目標を達成できた、成果を出せたということは大切ですが、それ以上に「再現性につながる教訓が得られたか」が大切です。ハコベルはベンチャーで、まだまだ事業成長の種を探しては芽吹かせ、探しては芽吹かせを続けて非連続点を作り続けなければなりません。
なので、ラッキーパンチで成果を出せたとしても事業成長へのインパクトは小さく、「同じ成果を再現できるか」「そこから得られた教訓を横展開できるか」「教訓から新たなチャレンジ(事業成長のヒント)を立案できるか」の方が長い目で見てインパクトが出てきます。逆に成果が出なくとも「次どうすればよいのか」という教訓が明確な場合は、チャレンジ成功と言ってよいと思います。
なので、ここでは「事業成長に効くチャレンジ=再現性につながる教訓が得られたもの」と定義して話を進めます。
1.チャレンジするオーナーの腹が決まっている
これはハコベル社内でもVALUEとして明文化されています。以下のVALUE一覧の「オーナーシップ」ですね。
そのチャレンジの責任を取るのは誰か、という話です。「発起人=オーナー」ではまだ認識が甘いと思っています。オーナーは以下のような思考・行動ができないといけません。
自分以上にこのチャレンジを成功させるためにどうするか?を考えている人間はいない
チャレンジの中での意思決定の責任はすべて自分が持つ
例え周りの意見を参考にするとしても、最終的に意思決定をするのは自分
一番めんどくさくて、一番つらいことを実行しているのは自分
こう書くと当たり前に見えますが「自分はここ苦手だから〇〇さんにお願いしよう」「ここの知見ないから〇〇さんの意見を採用しよう(=自分の責任で決断していない)」とした瞬間、オーナーシップの欠如です。チャレンジから得られるべき教訓の質と量が著しく下がります。
なお、上記で出てきた「責任」という言葉も誤解されがちなので少しコメントしておきます。「責任を取る」とは「謝る」「悪い評価を受け入れる」「辞める」などではないです。そうではなく「最後の最後までこのチャレンジに価値を生み出すためにあがく」が責任を取る、です。「謝る」「悪い評価を受け入れる」「辞める」は実はすごく簡単で、そんなものに逃げずに「最後の最後まであがく」という苦しい役割を受け入れられる人こそがオーナーです。
私はハコベルに入って、ある時点でこの「オーナーシップ」が理解できたのですが、そこまでのチャレンジは「会社として必要だからやる」「言われたからやる」というオーナーシップが欠如したものでした(お恥ずかしい・・・)。当然、そのような取り組み方で得られる教訓はほとんどなく、そのころのチャレンジを今評価すると「過去このようなチャレンジを行ったが、ちゃんとやりきれていなかったので、今やったらうまくいくかもしれない」という中途半端な位置づけになっています。
これでは、「じゃあもう一回やってみようか」→「やっぱりだめ」→何年か後に「今度はいけるんじゃない?」みたいな議論が繰り返されて、同じところをぐるぐる回ってしまいます。
うまくいかなかったのならば何が原因だったのか=どういう前提条件が変わればうまくいく可能性があるのか=前提条件が変わらない限りは同様のチャレンジややるだけ無駄、という白黒が付くところまでオーナーシップをもってやりきらない限り、同じような失敗を何度も繰り返す組織になってしまいます。
2.常に終わり方を意識する
これは特にハコベルで明文化されているものではないですが、自分なりに意識しているポイントです。
新しいチャレンジをする際には常に終わり方、つまり社内外ステークホルダーへの報告を意識しながら動きます。このままいくと成果は出たが教訓が弱いな、成果目標の達成が厳しくともこういう教訓が得られればまだチャレンジした価値が出てくるな、ということを毎日考えながら動きます。
実はハコベル入社までは「誰への報告を意識すればよいか」がピンと来ていなかったのですが、ハコベルで自分の報告が上長→経営層→株主への説明に使われているのを目の当たりにして、「自分の活動結果は究極的に、株主や市場はじめ社外の利害関係者が納得できるものである必要がある」というビューを持つことができました。この判断軸が持てたことで、個人的には終わり方の想像をしやすくなりました。
「終わり方」とは以下のようなものです。
今回初めて得られた情報や手応えは何か
うまくいった/うまくいかなかった要因を一言でまとめると何か
うまくいった場合、それを再現するには何が必要か(行動だけでなく、人員・組織など含む)
うまくいかなかった場合、どのような前提条件や環境の変化があればうまくいく可能性が出るのか
上記のような「終わり方=報告の仕方」を常に考えながら動き方を調整していました。
チャレンジは会社の視点で見ると、貴重なリソース(時間、金額、別の機会損失)をかけて行われていることなので、それに見合った教訓がなければ、チャレンジの価値なしとなってしまいます。
会社としてチャレンジして良かった、個人のレベルでは「チャレンジさせて良かった」と言われる終わり方を意識すると、限られた時間の中でもあがく姿勢を持ち続けられると思います。
また、意識している「終わり方」は可能であれば毎日、最低でも週次ではメンバーにも共有し、チームみんなでフォーカスポイントを適切に変えていけるとさらに動きがシャープになります。
あとは「終わり方」として、単純に「全敗しない(これはハコベル社内でよく言われているキーワードです)」というのも大事です。いくつかある成果指標のうち、全敗するのと1つでも達成するのとでは見え方が大きく違うので、死ぬ気で全敗だけは回避する、というのもの大事な心掛けです。
3.冷徹に振り返る
チャレンジ後の振り返りも大事です。振り返りについては色々学んだことがあるので、細かいノウハウはまた別の記事にしようと思います。今回は「チャレンジをする際の振り返りの重要性」のところを重点的に。
前述したとおり、うまくいったとしてもいかなかったとしても「次につなげる」「さらなる機会につなげる」ことが大事です。たとえ成功したとしても振り返りをしなければチャレンジした意味がないといってもよいと思います。
その際に大事なことは「記憶ではなく記録で振り返る」ということです。具体的には、以下のような振り返りの仕方です。
数値に基づいて良し悪しを判断する(KPI達成率、行動量、成果など)
当時のカレンダー、Slack、メール、資料で判断する(いつ、何を考えて、どんな行動をしたのか)
1つ目の「数値に基づく」はよく言われていますが、「チャレンジがどういう経緯を経ていたのか」の振り返りは記憶頼りになりがちです。いつ、何を考えて、何をしたのかは当時の文字・文書を見ると正しく振り返りできます。
そのためには、そもそもチャレンジ中に文書化を意識しなければなりませんし、記録を振り返るには結構な労力が必要になります。ですが、これを徹底すると「当時この判断をしたことが結果につながったな」とか「この判断は1週間遅かったな」などの振り返りができるようになります。
参考までに、チーム内で共有したある振り返りの資料を載せます。まだまだな部分もありますが、ある程度記録に基づいた振り返りになっているのでは、参考になるかと思います。
まとめ
今回は、ハコベルで今も鍛えられ続けている「事業成長に効くチャレンジの方法」について書いてみました。ハコベルでは新しい事業の立ち上げや、既存事業の非連続点生み出しなど、日々いろいろな場所でチャレンジが行われています。かつ、そのチャレンジをかなり厳格な規律で評価してもらっていますので「チャレンジの方法」を身に着けることができます。
毎日ヒリヒリするようなチャレンジをしてみたい!という方はぜひハコベルのリクルートページをのぞいてみてください!