柿谷曜一朗の試合を観るために再びスイスへ

ニュージーランドでの試合観戦を終えた翌日、まだ興奮が冷めやらぬまま私はスイスへと向かった

私がなぜ11月23日にニュージーランドで試合を見た後すぐに、強行スケジュールにしてまで11月26日のスイスでの試合を観たかったかというと

対戦相手があのフィオレンティーナだったからだ

そう、私はスイス国内リーグではなく、ヨーロッパリーグでのFCバーゼルの試合を観るためにスイスへと渡ったのだ

フィオレンティーナといえば私の世代ではVIVA CALCIOという漫画が流行っていたり、かつてはあの中田英寿が所属していたりとサッカーファンの私からすれば夢のようなチーム

そのフィオレンティーナと柿谷曜一朗が対戦するのであれば
どんなに強行スケジュールであろうと構わない

そう思いニュージーランドからスイスへと出発する

直行便はなくシンガポールで乗り換え、トータルで30時間近くかかったと記憶している

もちろんスイスへ着いたら日付けも変わっている

約1年ぶりのスイスだったが、その日は疲れ果ててホテルでゆっくり休んだ

そしていよいよ試合当日

FCバーゼル対フィオレンティーナ

あのカルチョの国イタリアの名門クラブと夢の対決である

しかしそこに柿谷はいなかった

昨年と同じくまたしてもメンバー外だったのだ

正直なところ少し予感はしていた

スイスで絶対的な地位を築けていたわけではなく、直近の試合にもあまり出てはいなかった

もしかしたら今回も私が試合を見に行ってもメンバーに入らない可能性があるのでは

そんな不安も頭をよぎった

だからこそ柿谷曜一朗がメンバー外だったとしても試合を満喫できるようにフィオレンティーナとの試合日を選んだのだのも事実だ

そんな悪い予感が的中してしまったが、気を取り直して試合を観戦することに

悔しさと悲しさが入り混じる中
いよいよキックオフ

時差ボケが吹き飛ぶほどの大迫力

さすがヨーロッパのトップレベルだ

前半にフィオレンティーナから退場者が出るなど激しい試合展開

2点を先制したフィオレンティーナだったがホームで一人多いFCバーゼルが2-2に追いつく
スタジアムのボルテージも最高潮だ
そして同点のまま試合終了

試合内容、スタジアムの雰囲気ともに最高の試合だった

強行スケジュールにしてまでこの試合を観に来た甲斐があったと思えるほど素晴らしい試合だった

ただそれだけにここに柿谷曜一朗がいれば・・・
そう思わずにはいられなかった

この最高のステージで柿谷曜一朗のプレーが観たかった

「来年こそは」

そう心に決めた私だったが
その夢が叶うことはなかった

翌年1月に柿谷曜一朗はヨーロッパでの挑戦を終えて日本へと帰国してしまう

セレッソ大阪への復帰が決まったのだ

あっけなく終わってしまったヨーロッパ挑戦

もう少し頑張って欲しかったと思ったのは私以外にもいたのではないだろうか

それでも私はその後のセレッソ大阪での試合に何度も足を運び、柿谷曜一朗の天才的なプレーに魅了され続けた

再び日本で活躍する姿に何度も感動させられた

だが、だからこそ思ってしまう

この素晴らしいプレーを一度でいいから世界の夢舞台で活躍する柿谷曜一朗の姿を生で観たかった

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