読書感想 芥川龍之介 六の宮の姫君
こちらは、今昔物語を題材としたお話のようです。
六の宮の姫君の、「悲しみも知らないと同時に、喜びも知らない生涯」が淡々と描かれています。
両親に寵愛され、何不自由なく育った美しい姫君。
両親の死後、家計が苦しくなり体を売るような思いで夫(正式な夫じゃないのかな?)を持つことになります。
しかしその夫も仕事で姫君のもとを離れることになります。五年経ったら戻ってくると言い残し…。
しかし六年経っても夫は帰ってきません。
乳母は姫君に再婚を勧めますが彼女は応じず生活は苦しくなるばかり。
夫が去って九年、姫君は衰弱し乳母に看病されながら亡くなります。
乳母は姫君の臨終の際、たまたま朱雀門で雨宿りしていた乞食法師にお経を読んでもらうようお願いします。
そして…、姫君が亡くなった朱雀門では夜な夜な女の泣く声が聞こえるようになります。
「あれは極楽も地獄も知らぬ、不甲斐ない女の魂である」
と乞食法師はいいます。
この作品を読んで何を思うかは人それぞれだと思いますが……
悲しみも喜びも知らない、生きる事に執着をしない人間は極楽はおろか地獄すらいけない不甲斐ない存在なのでしょうか。
以前、生霊見える芸人のシークエンスはやともさんの「ヤバい生霊」というエッセイを読んだのですが……
シークエンスはやともさんは死霊、生霊のみならず、相手の体の真ん中にその人自身の魂が見えるようなんですね。
その魂にはその人の核となる根っこのようなものが潜んでいるようです。
でもまれに、その根っこが見当たらない人がいるそうです。たぶん、周囲の人に気を遣いすぎて「確固たる自己」がないからなのではないかと。
シークエンスはやともさん曰く、そういう人は一人っ子がほとんどなんだとか。
根っこがない人は、死んでも幽霊にもなれないんじゃないかと。
だから、思い当たる節がある人は、周囲に気を使うのはやめて根っこを育ててみてはどうでしょうかと書かれていました。
私、ものすごーく思い当たるフシがあるんです。一人っ子ですし……。
なので絶賛心の根っこを生やし中です。
じゃんじゃん伸びてほしいです。笑
天国行きたいし!
心の根っこを育てるぞー!!
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