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読書感想 岡本綺堂 影を踏まれた女
青空文庫で読みました。岡本綺堂の短編ホラー小説です。
ホラーなんだけど、怖がらせようという気概があまり感じられない、あっさりとした、美しい物語だなあという印象です。
江戸時代、近江屋という糸屋の娘、おせきの身に起こった出来事です。
ある十三夜の前日の晩、子供に月の影を踏まれたおせきは、影を異常に恐れるようになります。やがて日光の影も恐れるようになり、家に閉じこもりふさぎこむようになります。
一年後の十三夜の前日、おせきは婚約者に誘われ、意外に抵抗なく外へ出て月下を歩きます。すると、婚約者はおせきの影が骸骨になっていることに気がつきます。
怖いなあ……。
婚約者は握っていた手を放して逃げてしまいます。
その後、婚約者がおせきの両親とともに戻ってくると、そこには通りがかりの侍に袈裟斬りにされ息絶えたおせつの姿がありました。
おそらく侍も、骸骨の影を目撃して斬りかかったのではないかと。
こういうのって、
影を踏まれたから寿命が縮んだのか(月の影を踏まれたからって死ぬとか、そんな馬鹿なことはないと思うけど)、
あるいは、あらかじめ死ぬ運命が決まっていて、その日に向かって死神がちょっとずつ近づいて来たのか。
など考えられると思うのですが。
私は後者なんじゃないかなあ、とか思います。まあ岡本綺堂に聞いてみないとわかんないけども。
一節によると、自分の宿命は、亡くなる時期も含めて全て決まっているらしいです。
でも、そんなこと気にせずに、楽しく今を精一杯生きれば、絶対に自分のパラレルワールドの中の一番素敵な人生に進めると思います。
何より、精一杯生きれば、いつお迎えが来ても後悔ないですものね。
ちなみに、昨日Kindle Unlimitedで
「日本沈没」の漫画版を読んだので、余計にそう思います。すごくためになる漫画でした。
朝、家族にロクに挨拶もしないまま家を出て、災害に巻き込まれて家族とはなればなれになってしまったら、……
壁が壊されて壁外巨人に食べられちゃったら……(進撃の巨人)
異世界に迷い込んじゃったら…(千と千尋の神隠し)
そう考えると、目の前の人に対し優しい気持ちになれるような気がしますね。
でも、あんまり空想が過ぎると良くないのでほどほどにしておいた方がいいかもしれないですね。笑