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「THE:BLUELINE」 第1話

あらすじ 1ヶ月前から、桜井慧人の周りでは異変が起こっていた。友人、彼女、クラスメイトまでもが、まるで初めからいなかったかのように消え、何食わぬ顔で現れる、慧人の身に覚えのない友人や彼女。そして時折見る、荒廃した東京で慧人が人を殺し、それを見守る金髪青目の美しい少女の夢。ある日、慧人はネットで金髪青目の女の噂を耳にする。慧人はネットで得た情報を頼りに、金髪青目の女がいたとされる”喫茶未来人”へ向かう。その道中、慧人は人型をした謎の化け物に襲われる。時軸や、世界線レッド等意味不

    • 「THE:BLUELINE」 第3話

      「ぼさっとしてないで、早く仕事終わらせるよ」 「うわっ!」    初タイムスリップに驚きと戸惑いと感動を覚えてボーッとしていると、突然俺の横に未香さんが現れた。   「仕事を終わらせるってったって、俺達何すりゃ良いんだ?」    未香さんはポケットからスマホを取り出すと、俺に1枚の写真を見せた。6歳くらいの少女が、まさに今、俺の目の前にある家の庭で、元気に遊んでいる姿だった。   「10分後、この子は小学校に行く途中で飲酒運転していたトラックとの事故で死ぬ。それを防ぐのが私達

      • 「THE:BLUELINE」 第2話

         俺がこの世界から消えていると、確かに彼女はそう言った。   「いやいや、何言ってんの?」    俺、普通にここにいるし。と、俺が信じないそぶりをすると、彼女はめんどうそうに「じゃあ自分で調べてみたら」と言って、せっせと1階に戻ってしまった。   「・・・・・・調べるってったって、どうやって調べるんだよ」    何て言いつつ、起きたときの癖でポケットに入っていたスマホを取り出して電源を入れる。   「ぇ・・・・・・」    スマホは、初期化されていた。と言うより、初めから使わ

        • 「健全で不健全なデスゲーム」 第1話

          あらすじ デスゲーム。無作為に選ばれた登場人物達が、自分の命をかけてゲームを行い、時に他人を騙し、殺してでも、自分が生き残るために様々なゲームに挑んで行く。葛西浩二は、ある日デスゲームの会場で目を覚ます。強制的な殺し合いをさせられそうになった浩二は、デスゲーム参加者達を殺す為に渡された銃を、デスゲームを開催した管理者の頭に向けて・・・・・・・感情をむき出しにする、鬼気迫る健全なデスゲームを運営したい管理者と、デスゲームの醍醐味を台無しにして、不健全にデスゲームをクリアしようと

          「健全で不健全なデスゲーム」 第3話

          「任せて」    そう言うと浩二の体は、目の前から忽然と姿を消した。   「どうやら、選ばれたみたいだな」    上からの声に参加者達が振り向くと、そこには先ほど死んだ女子高生ギャル同様、巨大になった浩二が盤上を見下ろしていた。  浩二は辺りを確認する。盤の上部にデジタルで記された現在の点数。腹部付近に存在するレバーを動かすと、盤上のフリッパーがパカパカと動く。   「ひゃっ」    フリッパーを動かす音に、参加者達はギョッとした。彼らは浩二よりも小さい為、フリッパーの動く音

          「健全で不健全なデスゲーム」 第3話

          「健全で不健全なデスゲーム」 第2話

           私は只、憂さ晴らしがしたかった。  幸せそうな人が、妬ましかった。  光が当たる奴らが、羨ましかった。  私を馬鹿にする奴らが、憎かった。    私以外の人皆、殺してやりたかった。でも、人を殺すなんて出来るわけがない。  無気力に生きる人生の日々に、かろうじて私に活力を与えてくれたのが、デスゲームの漫画だった。私の嫌う属性の奴らが、私の期待通りに、醜く、弱い本性をさらけ出して無様に死んでいく姿が、どれだけストレスにまみれた私の心を癒やしてくれたことか。    その無様さをリ

          「健全で不健全なデスゲーム」 第2話

          「赤と死神のクロ」 第1話

          あらすじ 死神は、人を死の苦しみから解放するために存在している。 ある日、死神として生まれたクロは、先輩死神であるワイト共に、死神としての初仕事に向かった。だが、死神の仕事は、クロが想像していた以上に過酷なものだった。死神が人を殺す際に見ることになる、走馬灯。死神は、その人の人生、感情を全て知った上で、その人間を殺さなければならない。更に、死んだ人間の未練が巨大な怪物となり、魂を取り返そうとクロに襲いかかる。未練との戦いや、人を殺したことで、心と体に大きな傷を負ったクロは、人

          「赤と死神のクロ」 第1話

          「赤と死神のクロ」 第3話

          〇中央病院(夕方)    あかねの母(48)が病室のドアをそっと開けると、あかね祖父が意識を取り戻してこちらを見ている。    あかね祖父のベットに駆け寄るあかね母。 あかね母「お父さん!!」 あかね祖父「あかねは、来るって?」 あかね母「うん、今来るって、もう少し待ってて」    あかね祖父嬉しそうに笑う。 あかね祖父「そうかぁ」    あかね祖父。かなりやせ細っており、腕に点滴が打たれている。    次の瞬間、病室の窓から入って来た三途の枝が、あかね祖父の胸

          「赤と死神のクロ」 第3話

          「赤と死神のクロ」 第2話

          〇死神界(昼)    体育座りで、三途の川をただ虚な目で眺めるクロ。    背後からクロに語り掛けるワイト。 ワイト「なぁ、そこで蹲ってからもう3日だぞ? クロはあの人の魂を三途の川に流して、ちゃんと成仏させたんだ。これ以上気に病む必要なんてない。だから、元気出してくれよ」 クロ「ワイトには、分からないよ。僕の気持ちは・・・」    ワイト、優しく微笑み言う、 ワイト「・・・いや、分かってるさ。怖いんだろ、人を殺すことが。未練と戦って、痛い思いをするのが」    ク

          「赤と死神のクロ」 第2話

          「俺が魔王で、あいつが勇者」第1話

          あらすじ  佐久間桜助の高校に、リーズという少女が転校して来た。ある日、クラスメイトの優華と剣二に馬鹿にされる桜助をリーズがかばったことにより、桜助はリーズに惚れる。放課後、リーズに屋上に呼び出された桜助。唯一の友人、勇人にからかわれながら、期待を胸に屋上へ向かったが、リーズは桜助を屋上から突き落とした。異世界で目が覚めた桜助は、傷ついたリーズを見つける。リーズはフードの男達に追われており、桜助はフードの男達を追い払うため魔法を放つ。だが、魔法は側にあった町をも跡形もなく破壊

          「俺が魔王で、あいつが勇者」第1話

          「俺が魔王で、あいつが勇者」第3話

           次の瞬間、辺り一面が真っ白になるほどのまばゆい光と同時に、俺の鼓膜をぶち破るほどの大きな爆発音が辺りに響き渡った。そして、光の中から遅れてやってきた爆風は、森の木々を容赦なくなぎ倒した。 やばい……。  直感的にそう感じた俺は、平原の先のまばゆい光に背を向け、リーズさんを抱えたままその場にしゃがんで頭を伏せた。  次の瞬間、爆風は俺の元に到達した。 「ぐああああああああ!!」  爆風にさらされていた時の事は、あまり覚えていない。とにかく、抱きかかえたリーズさんを守ろうと

          「俺が魔王で、あいつが勇者」第3話

          「俺が魔王で、あいつが勇者」第2話

          「リーズ、なんで……お前がここに!?」  俺を散々たぶらかし、挙げ句の果てには学校の屋上から突き落として殺しやがった張本人。  どうして現代にいたこいつが、この異世界にいるんだ。  いや、そんなこと今考えたところで分かるわけがない。一つ分かることがあるとすれば、俺はこいつによって異世界に転生させられたと言うこと。 「おい、何とか言えよ!ここはどこだ!お前なんか知ってるんじゃねぇのかよ!」  だが、リーズからは返事が無い。俺は側まで駆け寄って、木に寄りかかっているリーズの体を揺

          「俺が魔王で、あいつが勇者」第2話

          「俺が魔王であいつが勇者」企画書

          キャッチコピー:醜いのは魔物か、それとも人間か。 あらすじ:佐久間桜助は、その強面とぶっきらぼうな性格故に、クラスで孤立していた。唯一の友人は、幼なじみの槍田勇次のみ。そんな彼の元に、転校生のラス・リーズが現れる。彼女の美貌に惹かれていく桜助。だが、桜助はクラスカースト上位の優華優華、遊佐剣次の二人に、容姿の事をからかわれてしまう。情けなく屈する桜助だが、リーズは桜助をかばい、二人に屈することなく物申す。そして桜助は放課後、リーズに屋上へ呼び出される。告白を期待した桜助だっ

          「俺が魔王であいつが勇者」企画書

          「赤と死神のクロ」あらすじ

           死神の仕事は、寿命が来る人間が死の苦しみを味わう前に殺す事。クロは、仲間であるワイト共に死神としての初仕事をする。寿命で死ぬ男を殺す際、クロの頭の中に走馬灯が流れたことで、クロはその男に情を抱き、男を殺したことがトラウマになる。自責の念を抱くクロは、生前男が付き合っていた女性が心配になり、女性の元へ向かう。だがその女性は、男の死は自業自得だと吐き捨てる。失望したクロが、その場から立ち去った直後、謎の死神がその女性を殺す。クロはその後、勇気を出して自ら立ち上がり、寿命が来た老

          「赤と死神のクロ」あらすじ

          「赤と死神のクロ」4話

          脚本形式で書いた者の続きです。以前書いた下手くそな小説形式の物ですが、脚本形式が中途半端なところで終わっているので一応きりのよい所まで切り取って載せておこうと思います。 続きって書いて載せた方が良いのだろうか。 (俺の人生は、いたって普通だった。 物心ついた当たりで戦争が終わったので、戦争に関しての記憶はあまり覚えていない。  うちの家族は貧しかった。 私は7人兄弟の4番目。家族みんなで昼間は畑を耕し、夜は少ない米をみんなで分け合うひもじい生活をしていた。 7人兄弟

          「赤と死神のクロ」4話

          「2日後に死ぬ」あらすじ

          少年黒田朝日は、ある日自殺を試みて橋の上にやってきた。覚悟を決め、いざ飛び降りようと決心した瞬間、朝日の前に現れたのは、死神と名乗る謎の男ワイトだった。突然の死神の出現に動揺してしまったことで、朝日の死ぬ覚悟をは薄れてしまう。ワイトは自分のせいで朝日の決心を鈍らせてしまった責任として、2日後に朝日の死ぬ決心をもう一度つけさせると約束する。 読切作品本編:

          「2日後に死ぬ」あらすじ