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増補版が出た今だからこそ伝えたい!『観光客の哲学』の書評の数々
出勤途中の電車で、やけに学生っぽけど私服の人が多いなぁと思っていたのですが、今日から夏休みという学校が多いのですね。弊社の夏休みについては……おっと、誰か来たようなのでこの辺にしておきましょう。ゲンロンスタッフの野口です。東京では海外からと思しき観光客の方を見かける機会も多くなっていますが、「この夏は旅行に行く」という方も多いのでしょうか。
そんな旅行のときに、ぜひカバンに1冊忍ばせてほしいのが弊社最新刊、『観光客の哲学 増補版』です。
さて、あらためての紹介になりますが、こちらの本は「増補版」の名のとおり、2017年『ゲンロン0 観光客の哲学』として刊行された本をベースに、あらたに2万字を超える新章を加えて刊行したものです。
『ゲンロン0』は、第71回毎日出版文化賞、ブクログ大賞をいただき、Amazonの「現代思想」部門で3月27日から7月31日まで、127日間連続で1位を記録。以後もずっと出荷が続いてきた、弊社の看板商品でした。大学などの入試問題にも多数採用されています。
本日は当時いただいた、新聞や文芸誌などの書評を、一部抜粋してご紹介します。
※ご好評をいただきまして、第2弾も公開いたしました!こちらもぜひ。
著者は、思想が育たぬこのポストモダンの時代に、真摯に前向きに哲学者としての責任を果たそうとする。あくまでも倫理的なその姿勢は、涙が出るほどだ。欧米の思想家も誰ひとり試みていない、果敢な挑戦がここにある。
本書には、切迫する時代に書かれざるをえなかった、説得力と熱量が具わっている。時代を刻む論考として、後世に記憶されることだろう。
遠大にして、どこまでもヒューマンなぬくもりに満ちた抵抗の哲学の誕生である。
「観光客の哲学」は、その着想の見事さによってすでに一個の卓越した哲学として完成しているということだろう。
哲学者として、批評家として、小説家として、思想家として、東浩紀がこれまでに歩んできた道のりのすべてが本作に結集し、未来に向かって流れ出している。
「観光客」と「家族」という何の変哲もない言葉に著者が込めた射程はおそろしく深く広い。このような書物が登場したのは本当に久しぶりのことである。
哲学史を柔軟に逍遥し、文学からヒントを抽出する本書、じつに分かりやすく、しかもディープ。「観光客」なる身近な言葉が「連帯と憐れみ」の実践の哲学へと相貌を変えていくプロセスには驚嘆。思考の枠組みが変わる。
有名思想家の言説をただ解釈するのではなく、それらを総動員しながら21世紀の新しい政治哲学を構築しようとする気宇壮大な試み。
これまで「観光客」は消費や娯楽の一環として捉えられてきた。そんな「ふまじめ」な存在が、実はグローバルな連帯を可能にする存在かもしれない。本書は「観光」を政治思想に結びつける稀有な一冊。
このほかにもさまざまな方に、いろいろな媒体でご紹介をいただきました。あらためて御礼を申し上げます。
また、毎日新聞の2023年7月15日号には、あらためて橋爪大三郎さんからも書評をお寄せいただいているほか、Twitterやnoteなどでもたくさんご感想もいただいています。
過去に読んだよという方も、まだ読んだことがなかった、という方もぜひ。
こちらでためし読みもできます!