田部正樹氏著『ブランド力を高める「指名検索」マーケティング』個人的参考になったポイント4選
出版されてから購入するまでは早いけど、結局本を読むまでに時間がかかる私です。
動画を作るのが簡単になって、誰でも簡単にテレビCMっぽいことをYouTubeとかSNS広告とかでできるようになってから、認知度というブランド力()を意識し始めるようになった気がします。
そこで例にもれず私もブランド力向上、認知度向上をクライアントおよび自社に提供できるようになってやろうではないかという思いで、この本を購入してみました。
【前提】ブランドとは
ブランドとは何かについては、いろんな人が語っています。
GoogleのGeminiさんに教えてもらいましょう。
大枠でいうと、信頼感、ストーリーという部分が大事そうな感じです。
マーケティングで「ブランド」というと、最近では「〇〇といえばXX」、というような形で想起してもらえる状態になることを目標とする場合が多いです。
実際に、この本の中でも、それをまずは第一目標としています。
わかりやすいですね。
ブランディングの目的としても、指標としてもわかりやすい。
かっこつけていうと、デファクトスタンダードになるということです。
ここからは、個人的に本の中でよかったポイントを抜粋します。
購買意向を発見し、言語化するためのフレームワーク
このフレームワークは、個人的に新しい、斬新というほどのことではありませんでしたが、いわゆる便利ツールです。
自分はクライアントへの提案前に必ず3C分析を行います。
自社が提供できること、顧客の要望、競合他社が提供できることです。これらを洗い出した後に、頭の中を整理するときに子のフレームワークが役立つと思います。
このフレームワークで注目したいのは「インサイト」と「コンセプト」です。
インサイトは、3Cにおける顧客の要望にあたる部分ですが、顧客が認識している要望が必ずしも商品化したらよいというわけではないです。
ありふれた話ではありますが、N1分析とか、ジョブ理論に沿って本当の目的とは何かも把握しておきたいところ。
コンセプトで重要なのは、「一言」ですね。
細かいに注目していけば、差別化も簡単ですがユーザーに違いを認識してもらう必要がある。
Googleのリスティング広告の文字数は日本語で15文字×2=30文字ですが、これは、人間が覚えていられる(認識できる)限界の文字数と聞いた覚えがあります。
TiktokとかYoutubeのショートとかが流行っている現在の人類に、長文で説明したところで理解されないというのが現実です。
「一言で差別化できるか」大事です。。
独自性を見つける3つのアプローチ
関連して、差別化に重要なのは独自性ですが、それをどのように見つけるかという話。
独自性の見つける3つのアプローチは、上記を上から順番に確認していけばよいとのこと。
独自性の再発見だけ、字面だとわかりづらいですね。
独自性の再発見とは、曰く、「これまでは当たり前のように捉えてまったく宣伝していなかった独自性」とのことです。
意外とこれって、顧客が選ぶポイントだったんじゃね?ということを見落としていないか、という点であったり、じつは改めて訴求したら反応が得られるもの、というのを再発見しましょう、という内容でした。
これは大事。
そのほかは、文字通りですね。
いずれのアプローチについても、3C分析や4P分析を丁寧に行えば見えてくる内容です。
言うは易く行うは難し、ですが。
ちなみに、独自性の出し方という点では、この動画が分かりやすかったです。
(前はYoutubeで見れた記憶だけど、今は有料版しかないみたい?)
顧客理解ができているか
これも3C分析の話。
この中で意外ともれがちなのは「市場規模」でしょうか。
市場規模を示す概念に「TAM」「SAM」「SOM」というような概念があります。
それぞれ、事業がどこまで拡大するか、ポテンシャルを図る概念です。
TAM:Total Addressable Market 対応可能な全体の市場規模
SAM:Serviceable Addressable Market サービスを提供できる対応可能な市場規模
SOM:Service Able obtainable Market サービスを提供できる獲得可能な市場規模
基本的に、サービスに特に何も変更を加えなければ、その事業のポテンシャルはSOMにとどまります。
そこから、機能開発を行ったり、新商品を展開したりすることで、SAMまでポテンシャルを広げたりすることが可能です。
市場のポテンシャルは有限なので、どこかでゼロサムゲームになります。自社のブランドにおけるポジショニングによっては、売上が見込めなくなる場合がある、ということも念頭に置いておきたいところです。
3C分析の本質
これも3C分析の話(2回目)。
3C分析で失敗しがちなのは、すべて自社目線で分析してしまうこと。
これは同書でも指摘されています。
それぞれの分析については、マーケティングを少しかじった方にとっては、当然の内容かもしれません。
関連した概念として、バリュープロポジションも理解を助けてくれるはずです。
まとめ
以上、個人的参考になった内容でした。
特に意識したわけではなかったんですが、検索とか動画とかではなく3C分析の話ばかりになっていました。。。。
本書のメインテーマとしては、著者がラクスルの方なので、動画でブランド力を上げようという話になっているんですが、そこで重要になるのは動画のデザインやコピーもそうなんですが、今回ご紹介したような前提の分析だと感じます。
TVCMのよくあるふんわりブランディング動画には果たして本当に意味がったのだろうか、という気づきと新しい目線をもたらしてくれる本でした。
あと、Yahoo!のDS.INSIGHTは、いつかどこかで使ってみたい・・・!
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