冷たい冬の雨は、やがて…

冬の雨…

冷たい雨はイヤだ
身体を芯しんから冷ひやしてしまう
冷えた身体は
心まで寒くする

傘かさを持たない僕は
膝ひざを抱かかえたまま
凍こごえた身体で震ふるえ続ける

でも…

ふと感じたあたたかさに
見上げた僕の前に

君がいたんだ…

君の伸ばした指が
僕の肩にそっと触ふれた
震えていた身体に少しずつ
君のあたたかさが広がっていく

凍いて付いた僕の身体と心が
君のぬくもりで
溶とかされていく

僕は君の手を取り
立ち上がった

冬の雨はまだ止まない

でも…
もう冷たくはない

君の手が
君の微笑ほほえみが

僕をあたためてくれるから

僕は
自分のコートを広げ
寄より添そう君を包み込んだ

そして冬の雨の中
二人は歩き出す

でも…
もう寒くはない
二人一緒だから

いつの間にか
冷たい冬の雨は…

やさしい雨に変わっていた