自分に自信が持てるようになった女子高生の話
このnoteは、「ジェンカレ」を修了したゼミ生たちのプログラム中とその後の活躍を紹介するインタビュー企画。
それぞれが日々感じる違和感を出発点に、ジェンダー平等社会の実現に向けて歩み続けるゼミ生たちのストーリーを紹介します。
【まなみのプロフィール】
東京都出身の(参加当時は)16歳。進路選択におけるジェンダーバイアス、Gender Based Violenceに関心がある。
Q1. なぜ、ジェンカレゼミ生になろうと思ったのかを教えてください
私がジェンカレゼミ生になろうとしたのは「盗撮はジェンダー課題の一つ」ということを知ったことがきっかけでした。中学三年生の頃、私はエスカレーターに乗っているときにスカートの中を盗撮されました。盗撮されている間は気づかず、その光景を見ていた女性が後から「後ろのおじさんにスカートの中、盗撮されてたから今度から気を付けてね」と言ったときはじめて盗撮されていたことに気づきました。その瞬間「とられた写真はどのようになってしまうのだろう」「どうしようもないのに、なぜ盗撮犯がいなくなってしまった今に言うのだろう」と不安、怒りなどでいっぱいになり駅から家まで泣きながら帰ったのを今でも覚えています。
しばらくは母にも打ち明けられなかったのですが、しばらくして打ち明けてみるとそれは「Gender Based Violence(ジェンダーに基づく暴力)」の一種だったということを知りました。痴漢や盗撮は私の友達でも受けたことのある人は多くいて、そこで植え付けられたトラウマは全然消えません(実際、二年たった今でも写真がどうなっているのかは分からないですし、涙が出てくるくらいに記憶は鮮明です)。そんなことが当たり前のように身近で起こっていて挙句の果てに被害者側が「気を付けてね」と言われる状況にいらだちとも言えるもやもやを抱え、それを解消するために考えたこと、感じたことを共有できる場やジェンダーについて学べる場がほしいと感じた当時ジェンカレの存在を知りぴったりだと思ったからです。
Q2. ゼミ生になって良かったと思うことを教えてください
ゼミ生になってよかったと思うことは主に二つあります。
一つ目はなにか実現したいことが思い浮かんだとき、そこまでの道筋をたてる手段を学べたことが良かったと感じます。ジェンカレで作成した「My Action Plan(MAP:ジェンダー平等実現に向けた行動計画)」では情報集めや整理を順番にしっかりと行うため「自分のアクションの影響力」に関して根拠と自信を持てるようになりました。
二つ目は普段であれば関わる機会のないような人たちと話す機会が増えたことです。ジェンカレではゼミ生として参加している社会人、大学生、他校の高校生と交流する機会が多くあり、最終発表会でも議員の方などと話すことが出来ました。そのような場では自分と立場が違う人の「関心があるジェンダー課題やそれについての知識」を学ぶことができます。そのため、幅広くジェンダーについて学ぶこともでき、普段かかわりを持つことのない人とかかわれるという新鮮さも感じることが出来ました。
Q3. 学びになった、興味深かった講義やプログラムを教えてください
私は合宿が最も学びになったように感じます。なぜなら合宿中はジェンカレ生といつでも関わることができ、そのたびに新しい関心を見つけたり自分の中の視野が広がったりしたからです。普段の生活の中で四六時中ジェンダーに関して話せる相手が周りにいるというのは中々ない状況のため、食事中でも部屋と部屋との移動中でも話題を出せばいつでも一緒に考えたり意見を言ってくれる人がいるというのはかなり貴重な機会で学びになる機会でした。
Q4.どのような MAP(My Action Plan)を作成しましたか
私は「教育現場におけるジェンダー視点導入」についてのアクションプランを作成しました。なぜなら、「高校生」という強みを生かして何かしたいと思い、人生のほとんどのことが決まってくる高校生活でジェンダー視点の導入された十分な教育がなされていないように感じたからです。
Q5. ジェンカレ中に取り組んだアクション(トライしたこと)を教えてください。
私は自分の通っている学校の先生40人ほどに対して「教育現場におけるジェンダー視点導入の重要性」についてプレゼンテーションを行いました。知った顔の先生もたくさんいて、部活の顧問を見つけた時には緊張もしましたが、何度も練習してなんとか最後まで乗り切ることが出来ました。
また、そのプレゼンの録画を担任がクラスメイトたちに見せてくれたため、私の活動が学生、教師関係なく幅広く知ってもらえる機会となりました。また、最後には先生側から「プレゼンテーションを聞いてみてどうだったか」というのを全員から聞き、そこでは「先生側も先生側としてジェンダーに意識を向けようとしている人がいる」ということを知ることが出来ました。
Q6. ジェンカレ終了後から現在までに取り組まれていること、取り組みたいと思っているアクションがあれば教えてください。
現在は、講義後プレゼンを聞いてくれた先生から受け取った「学校のジェンダー視点導入に関してこんなことを行ってみたい(例:中学生向けのジェンダー視点を導入したキャリア教育など)」というのに対して講師を紹介するなどして協力しています。また、これからは今年の国際ガールズデーに「生理、痴漢、盗撮、ルッキズム」など現役女子高校生から見た「ガールズの抱える悩み」を中心に女の子をエンパワーメント出来るイベントを考えています。
Q7. ジェンカレゼミ生になる前の自分、またはジェンカレ中の自分に声が届くとしたら、何を伝えるか教えてください。
ジェンカレゼミ生になる前の私に向けて。今の貴方は自分に自信がなく、本当に自分のやっていることはあっているのか、周りの人に変な目で見られないかなどを気にしてばかりです。ですが、ジェンカレに入って様々な知識や力をつけたことによってあなたは自分の行動に自信が持てるようになり、クラスメイトにもその活動を発信するようになります。結果としてクラスメイトの子たちもジェンダーに関してもやっとしたことをあなたに共有してくれたりするようになります。
「ジェンダー課題」というのは世代問わず触れにくい話題と思われていて私もそのように思う一人でした。でもジェンカレで学んでいく中で「背景について考える」ということを気にかけるようになり、自分の抱えたもやもやに対して自分の中で処理できるようにもなりました。ジェンカレはジェンダーの事だけではなく他にも多くの事を教えてくれますよ。
Q8. あなたが思うジェンカレの魅力を教えてください。
自分とおなじ「ジェンダー課題」に関心を持っている人たちが集まるため、ジェンダーの様々な知識を他の人から取り入れることができ、その知識は自信に繋がりました。また、ゼミ生の人たちは自信だけでなく「違う世代の人とかかわる」という新鮮な体験もくれました。「世代、所属関係なく同じ方向を見て繋がれる」それがジェンカレの魅力だと感じます。
3期目ゼミ生・聴講生募集中
現在ジェンカレでは、「ゼミ生(申込締切:2024年8月18日23時59分まで)」「聴講生」を募集しており、講義の詳細、及び募集要項は下記リンクよりご覧いただけます。https://gencollege.org/
また、ご参加に際し、以下の日程で説明会を開催します。
【オンライン説明会】
・8月11日(日)10:00-11:00, 質疑応答11:00〜(退出可能)
・8月11日(日)20:00-21:00, 質疑応答21:00〜(退出可能)
説明会申込フォーム:https://forms.gle/mT9gcuPF2cARozb67
ジェンカレに参加する方法は2パターン!
■ゼミ生
・学ぶだけで終わりにせず、ジェンダー平等の実現に向けて一歩踏み出すことができる・講義だけでなく、合宿やメンタリング、じっくり深く学ぶためのゼミ生限定コンテンツなど、ジェンカレが提供するコンテンツを堪能できる
・対象年齢:15〜29歳・その他:減免制度あり・申込み:(2024年8月18日(日)まで)https://forms.gle/nANgrznrRMv9XiEu6
■聴講生
・ご自身の興味関心にあわせてお好きな講義(座学部分)を聴講できる
・年齢や居住場所に関係なく受講が可能です。
・カリキュラム:講義の一部(90分間)
・対象年齢:年齢制限なし
・申込み:https://gencourage2022.peatix.com/events(先着順のため、定員に達し次第終了)
特に30歳未満の方には、ゼミ生向けのカリキュラムが非常に充実しておりますので、ゼミ生をお勧めいたします!
ジェンダー平等の実現に向けて、共に学び、一歩踏み出しましょう!