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高見温| On Takami
2023年8月31日 14:35
今月は夏休みに入ったこともあり、長めの本を読むことができました。いくつか印象に残った本を紹介します。文芸書①エリアス・カネッティ『眩暈』博覧強記の東洋学者の主人公は膨大な書物を持つ自分の図書室(図書館といっていい)に籠っていますが、無学なテレーズの虜になり、結果的に知を放棄し図書室という自分の知的世界を燃やし尽くす話です。高校時代に挑戦して、「インテリ男vs白痴な女」という基本構図と、『白
2023年7月31日 13:13
暑すぎてバテてしまい、そこまで多くは読んでいないですが、いい本との出会いに恵まれました。文芸書①レオパルディ『断想集』19世紀初めに活躍したイタリアの詩人で思想家のレオパルディ。厭世主義や悲観主義の括りに入れられることの多い人ですが、その穿った視線から繰り出される鋭利な断章の数々がとても面白かったです。気分が鼓舞する格言集の類では全くないですが、思索の補助輪のような形で置いておくのもいいか