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全人類毎日身長プラス1センチ地獄
もしも地球上の全人類が毎日1センチずつ身長が伸びたら、最初は誰も気づかないだろう。気がつけば、目の前にある物が少しだけ高くなっていて、棚の上の本が取れなくなったり、電車の吊り革が少し届きにくくなったりする程度の変化。いや、むしろ、少し楽になるかもしれない。背の低い人が突然、目線が高くなって新しい景色を楽しむようになるからだ。
だが、次第にその“ちょっとした違和感”が大きな問題になり始める。まず、電車のドアの高さ。あれが1センチごとに、徐々に低くなっていくのだ。電車の窓も、見慣れた街並みが見えづらくなり、車内の圧迫感は増していく。背が高くなった人々は満員電車で肩がぶつかり、頭を下げることも出来なくなり、周りの人々との距離感が妙に気になる。
そのうちに、道路標識が不自然に目立つようになり、歩道橋はいつの間にか登るのが一苦労になる。高層ビルのエレベーターも、定員数が足りないとクレームが続出し、オフィスでは椅子のサイズが問題になり、会議室のテーブルが急に低く感じられるようになる。もちろん、公共施設のトイレや手洗いは次々と改装されるが、これが全世界的に同時に行われるわけではないため、各地で「なんでこんなところが不便なんだ!」という声が上がる。
最も驚くべき事態は、あらゆるスポーツイベントだ。サッカーやバスケットボールの選手たちの身長は日々伸び、競技そのものが一変する。ドリブルやシュートがまるで違う角度で行われるため、ルールの改正が必要になるだろう。しかし、そんな中でもスポーツの観客は少しずつ姿勢を崩していき、チケット販売の業界は急成長を遂げるだろう。どういうわけか、特に最前列が買われやすくなるのだ。
最終的には、全人類が同じように背が高くなり、地球はどうやら「身長競争」のためにすべてを調整しなければならない世界へと変わる。すでに遅いが、誰もがどこかで気づくのだ。身長が伸びることが問題ではなく、それをどう処理するかこそが重要だったのだと。
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