ゲーム分析#02_ポケモンSV

1. はじめに

今回は、ゲーム分析の第二弾!
ポケモンsvの分析をやっていこうと思います。

構成としては、

  1. 主体性構造モデルでの過去作との比較

  2. 過去作からの変更点を洗い出して検討

このような形になっています。

今回は、私が普段から参考にしている井戸氏の主体性構造モデルの分析例にポケモンがあるので、
最新作の分析を独自で行って、比較していこうと思います。


2. 井戸氏の過去作分析

まずは、井戸氏の分析例を見ながら、ポケモンSVで変更になった部分を考えていきます。

大きな変更点として、主目標の「ジムリーダーに勝ち行動範囲を広げる」が

  • ポケモンSVでは行動範囲の拡大がないこと

  • ジムに挑む順序が自由に選べること

  • ジム以外にもスパイス集めや、スター団を進めることができる

といった変更が考えられます。

3. ポケモンSV主体性構造モデル分析

次に、自分なりにポケモンsvの分析をしてみました。

もうちょっとスマートに書きたかった…
図形ギリギリまで文字を入れる方法ないですかね…
&枠の太さがー---(データとんだのでそのまま)

具体的な変更点としては、ジムリーダーだけでなく、スパイスやスター団といったプレイヤーに与えられる主目的の増加が考えられます。

エンディングを見るためには、ジムバッチを集めてポケモンリーグを制覇するだけでは足りず、3つのルートを攻略する必要があります。
そして、これら3つのルートは以下のように関連しています。

【ポケモンSV】ストーリー攻略順番|おすすめルート【スカーレットバイオレット】[https://gamewith.jp/pokemon-sv/article/show/374938]

主体性構造モデルでいうと、「強化の楽しみ」にあたるような、
報酬による楽しみによって、プレイヤーが明確な行動目標を持ちやすく、
各ルートの進行が他のルートの攻略を自然に助けるといった
ルート間の結びつきがみられます。

ここでのポイントは、エンディングを見るためには3ルートのクリアが必要なものの、それまではどのルートでも自由に遊べる点です。

仮に、
『特定のルートの進行度によって別ルートの進行がアンロックされる』
といった進行ルールを採用していた場合、
「自分で設定した目標」ではなく「やらされる目標」となってしまいます。

オープンワールドの自由さを活かすための仕様といえそう?

オープンワールドの広大なフィールドに遊びの密度を担保するために
複数ルート採用していると考えられる(後述)ので、あくまでプレイヤーが自由にルート選択し、どのルートでも「ルート独自の方法」でプレイヤーが強化されるようになっています。

どのルートでも同じような強化だと、行く意味を見出しにくいですよね!

そうした結果、より複雑に各要素が混ざり合い、特定のルートの攻略が別ルートの攻略に寄与するような「創発性の強い」ゲームになっていると感じます。


4. 相違点の洗い出し

ここまで、主体性構造モデルを使用した比較をおこなってきました。
このモデルはゲームの全体フローを把握するのに適していると思います。

反面、細かい仕様の変更点がどのようにゲームに影響しているかは、
各箇所抜き出して比較したほうが良いと思うので、
ここからは、過去作からの変更点を洗い出し、

「どうしてこの仕様になったのだろう?」

といった視点で考えていこうと思います。

ぱっと思いついた変更点を、
同ハードでリリースされたナンバリングの剣盾と比較してみました。

他にも変更点は色々ありますが、
ここでは、この表の18項目に絞って検討していきます!

マップ

ID:1~3は、よくあるオープンワールド化ってイメージ。
これによってポケモンがフィールド上で生息地に分かれて分布できるようになりました。また、サイズ感も破綻しなくなりました。

4の「街の数」は、マップの大きさの割に大きな変更はなかったです。
よくよく考えた結果、このような理由なのかなと考えました。

  • 広大な世界を動くには街が多すぎると邪魔になる

  • 街を見ると「ジム」の機能を欲しくなるプレイヤーが多いため、進行に影響のないジムのない街を大量に置くのは望ましくない

また、5の落し物は、技マシンマシンやレッツゴーと合わせて作られた仕様で、戦闘に経験値稼ぎ以外の意味を持たせています。

ポケモンの努力値(公式名称:基礎ポイント)はストーリーを進めているだけでは効力が視覚化しにくいため、ブレイブリーデフォルトやオクトパストラベラーのJP(ジョブポイント)のように、経験値以外の報酬があるのはいいのかもと思いました。

バトル

ID:6のランダムエンカウント→シンボルエンカウント
は、剣盾でのランダム・シンボル混合からシンボルに統一されたことで、
想定外の戦闘という受動的なイベントから、完全に能動的なイベントへと
変化しました。

ポケモンの場合は、ダンジョン踏破などが目的でないので、自分の好きなタイミングで好きなポケモンとストレスなく戦えるシステムの方が好相性なのかなと感じます。
(ローグ系では、あえてランダムの方が良いケースもありそう)

7,9,11はそれぞれ操作の快適性に関わる変更です。

基本的なバトル → エンカウント方式
レッツゴー   → シームレス方式

剣盾のマックスレイドバトル → NPCの行動を待つ必要がある
svのテラレイドバトル    → リアルタイム性が増し、サクサク

従来のポケモンの捕獲時間 → 約10秒
svのポケモンの捕獲時間  → 約8秒
(捕獲時間は、ボールを選択してから、ボールが三回揺れて捕獲完了するまでの時間です)

個人的には、フィールドが広大な分、登場ポケモンの数に違いがあるかと思っていましたが、剣盾と同じく図鑑は400匹でした。

小ネタですが、ポケモンの産みの親の田尻智さんは虫取りから企画を思いついたそうで、ポケモンを数える時の「匹」は虫由来なのかなと思ってます。

他のバトルシステム周りは、それだけで記事書けそうなので割愛しますね。

ストーリー進行

ID:12は主体性構造モデルで書いたように
ID:13は、ストーリーの進行自体は自由になりましたが、
結局野生のポケモンのレベルやジムリーダーの使用ポケモンのレベルは変動しないため、ある程度は決められた順序でストーリーを進めるため、

「最初からポケモンリーグ挑みたい!」
「好きなジムから順に回っても、いい感じに難易度が調整されていてほしかった!」

といったユーザー視点は自由度がそこまで高く感じないかもですね。

育成

ID:14,16,17の卵、技忘れ・思い出し、ニックネームあたりの機能は、
オープンワールド化によって特定の地点でなく自由に行えるように改良されたと考えられます。

技マシンに関しては、
剣盾     技マシン→ずっと使える    技レコード→使い捨て
sv      技マシン→使い捨て
前作の技レコードの名前が技マシンになった感じですね。

この仕様は個人的にはすごくオープンワールド的な仕様だと思っていて、
マイクラなどの「クラフト」の仕様とすごく似ているんですよね。

特定のアイテムのために、特定の場所に足を運んで、素材を集めて作るプロセスは、各地に赴いて色々なポケモンとバトルして欲しい開発の願いなのかなと思っています。

オンライン

オンライン環境に関しては、すべてのポケモンがシンボル化されたことによって、複数プレイヤーが一つのマップで探検できるようになったことが最も大きいと思います。

反面、その他のオープンワールドのマルチゲームと比べると、あくまでソロプレイのおまけに収まっており、協力型ゲーム(特定の挑戦に協力するからクリアできる)よりは、単純にコミュニケーションツールという段階なのかなと感じます。

まとめ

今回の分析を通して感じたのは、

  • 何に活かすためなのか

  • 何を目的に分析するのか

  • ゴール設定をどこにするのか

らへんを放り出して始めてしまったので、
何を基準に変更された仕様をジャッジするのか、ふわふわなまま書いていたので、次回は分析目標を設けてやってみようかなと思います。









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