ゲーム企画のコンセプトってなんぞや?
1. はじめに
今回は、企画コンセプトについて書いていきます。
(需要ありそうだったので)
勿論、当方はプロではないので、一専門学生視点ではありますが、
これを読んだら、
って聞かれても大丈夫になると思いますし、
コンセプトを活かしながら企画ができるようになる予定です!
以下、大いにお世話になった記事
だらねこさんの記事は、他にも面白い記事がたくさんなのでおすすめです。
(いうまでもない話ではありますが)
2. コンセプトって何のために必要?
まず、ゲームのコンセプトが「どのようなもの」かは一旦置いておいて、
「なぜ必要」なのでしょうか?
なぜ必要なのか分からないと、意識して制作するのは難しいですよね。
まずは、既存タイトルのコンセプトを見ながら、コンセプトの意義を確認していきます。
◆モンスト「スマホを囲んでみんなでわいわい遊べるゲーム」
大人気スマートフォン向けゲームの「モンスターストライク」のコンセプトは、「スマホを囲んでみんなでわいわい遊べるゲーム」です。
代名詞的な「引っ張りハンティング!」の部分は入っていません。
なぜでしょう?
私の思う答えから言ってしまうと、
手段と目的の違いになります。
(正確には、目的+切り口と説明されたりしますが、一旦置いておきます)
手段が「引っ張りハンティング」
目的が「スマホを囲んでみんなでわいわい遊べるゲーム」
ですね!
仮に、「引っ張りハンティング」がコンセプトだった場合を考えてみます。
この場合、
どんなユーザーが対象なのでしょう?
なんのために引っ張るのでしょう?
どんなゲームに仕上がったら企画として成功でしょう?
どのようなユーザー体験を提供すればよいのでしょう?
ゲーム制作における判断軸になりえる目的がないと、
何を満たしていたら良い仕様なのかの判断ができませんね。
「スマホを囲んでみんなでわいわい遊べるゲーム」の場合、
コンセプト(ユーザーにして欲しいゲーム体験)があるため、
わいわい遊べる→引っ張りハンティング
のように、達成したい目的に合った手段を実装できています。
つまり、コンセプトはゲームを企画し、仕様を決める上で、どのような面白さを追求したいのかを決めるために必要な指針・コンパスのようなものなのです。
これまでの流れを踏まえて、どんなコンセプトを立てたら良いか考えると、
「良いコンセプト」とは、
どのようなゲーム体験=面白さを目指すのかの指標になる
具体的な仕様を考える手助けになる(考えやすい)
だということがわかります。
(スマホを囲んで→状況説明・ターゲットが見えてくる)
(わいわい遊べる→どのような面白さ?に回答)
3. コンセプト?テーマ?
次に、先ほど紹介したコンセプトとテーマが一般的にそれぞれどのように定義されているかを見ていきます。
コンセプト
概念
企画・広告などで、全体を貫き基本的な観点・考え方。
テーマ
主題・題材
辞書的な意味だけだと正直判断が難しいですよね。
もう少しかみ砕くと、
企画の前提条件・取り扱う題材をテーマ
テーマから抜き出す面白さの方向性がコンセプトとなります。
ここでポイントなのは、コンセプトは抜き出す方向性であって、ゲームでいえば具体的な遊びの内容について言及することが目的ではないことです。
料理に例えると、
じゃがいもがテーマ食材だとすると、それを使って作るじゃがバターやポテトサラダといった料理自体はゲームシステム・概要であって、コンセプトではないと私は考えます。肝心なのは、誰をターゲットに、どのような体験をしてもらいたいかです。
上図のように、テーマという前提条件から、どのようなユーザー体験(ゲームの場合、面白さの方向性)を提供するかをコンセプトで決定し、それにあったゲーム概要・仕様が生まれるといった具合です。
4. コンセプト「から」?コンセプト「で」?
次に、様々なゲームのコンセプトとゲームシステムを見ながら、
コンセプトから生まれたゲーム。
また、ゲームシステムから生まれたコンセプトを見ていきます。
具体的には次のつのタイプに分かれます
ここではゲームシステム=ゲーム概要(どちらも達成手段)としています。
①(テーマ→)コンセプト→ゲームシステム タイプ
②ゲームシステム→テーマ→コンセプト タイプ
③テーマ→ゲームシステム→コンセプト タイプ
④その他の捉え方をしている タイプ
ここでは色々なゲームタイトルのコンセプトを見ていくことにします。
◆モンハン①タイプ
「誰でも参加できる多人数協力アクションゲーム」
コンセプトには、「狩りゲー」という要素は入っていませんね。
あくまで、コンセプトに沿った遊びを考えたら、モンハンという狩りゲーに至ったというイメージでしょうか。(実際のところは分かりませんが)
もしくは、後述するテーマとコンセプトの関係かも。
このコンセプトがあるからこそ、
「同期されるのは大型モンスターのみ」
高い制度で動機させて操作が不安定になったり、むしろできないからソロプレイにするのではなく、快適な通信プレイであることが優先される。
「ダメージで報酬に差をつけない」
誰でも遊べる点を重視
といった仕様になっていることがわかりますね!
◆メタルギア②タイプ
「特定のエリアや場所で敵から隠れながら任務を遂行する」
メタルギアでは「かくれんぼ」という実際にある遊びをゲームシステムの軸として、それに合ったテーマを選定し、コンセプトを決定しています。
ゲームシステム→テーマ→コンセプトの例と言えそうです。
このタイプに関しては以下の書籍で詳しく取り上げられています。
◆太鼓の達人③タイプ
「『太鼓の達人』はそうでなく、うまくなくても、楽しく音楽にノッて叩ければそれでいい」
太鼓の達人の例では、音楽に乗って叩くという実際のゲームプレイの部分にフォーカスしたコンセプトが立てられています。
企画の骨組みとして、「和太鼓を使ったリズムゲーム」というアイデアがあります。(この場合のアイデアは、テーマ×テーマ)
この例のように、テーマ(音ゲーというジャンル)から実際のゲームシステムの核になる遊びを見つけ、そこからコンセプトを設定する
テーマ→ゲームシステム→コンセプトの典型例だと思います。
図にするとこのようなイメージです。
4. コンセプト「から」作るやり方
続いて、コンセプト「から」ゲームを企画する方法と、コンセプト「で」ゲームを企画する方法を考えていきます。
まずは、コンセプト「から」ゲームを企画する方法で、
お手本となるのは、モンストです。
「スマホを囲んでみんなでわいわい遊べるゲーム」
をコンセプトにゲームシステムが考えられた、モンハンと同じく①タイプの企画です。
このようにコンセプト「から」作るやり方では
課題解決思考が大切になると考えています。
どういうことかというと、
モンストの企画担当をされた木村さんは、おそらくこんな考え方をしていたのではないかと思います。
現状
「ゲームしている人は、スマホをのぞき込んで一人プレイに集中している」
問題意識
「これまで自分の熱中したゲームは通信できるものばかり」
「みんなでわいわいできるスマホゲームがない」
解決法
「みんなでわいわい遊べるゲームを作る」
このような流れで企画が生まれたため、
コンセプト→ゲームシステムの順で企画ができています。
この考え方の利点は、最終的なゴール地点とするユーザー体験から逆算してゲームシステムを考える。
それはつまり、「このゲームを遊んだユーザーにどう感じて欲しいか」という人間の感情に寄り添ったモノづくりになることです。
なぜ、人間の感情に寄り添う必要があるかというと、
詳しくは長くなるので省きますが、
ゲームプレイという課題への挑戦では、
プレイヤーが失敗しても面白いと感じてプレイを続けられるようにする必要があります。
そのため、単純な操作ひとつをとっても、プレイヤーがどのように感じるか、ストレスを受けるかを考慮しながらゲームを作る必要があるんですね。(プレイヤーにストレスをかけないように、そもそも失敗しない挑戦を与えようとしている例とは意味合いが異なります。)
以上のように、
課題解決思考と、ゴールとなるユーザー体験からの逆算が
コンセプト「から」ゲームを作る方法だといえます。
同様の思考で作られた企画が
「格闘ゲームのアンチテーゼ」とも呼ばれることのある
大乱闘スマッシュブラザーズです。
このインタビューでも、現状の課題解決から企画が生まれたことがわかると思います。
4. コンセプト「で」作るやり方
次に、コンセプトで作るやり方ですが、ここに関しては参考にさせていただいただらねこさんの記事を参考にするとよいと思います。
(以下のリンクは再掲です)
要点としては
ゲームシステムを作ってからでも、
それをチェックする機能としてのコンセプトを用いることで、
仕様を足していってもぶれない企画になると思います!
5. まとめ
今回は、「コンセプト」について書いてみましたが、
「コンセプト」が
どのようなもので、
なんのために必要で
どのように使ったらよいのか
この部分が伝わっていたら良いなと思います!
それでは、次の記事でお会いしましょうー
読んで下さり、ありがとうございました!
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