オープンワールドって何だろう?前編
1. はじめに
ポケモン最新作が発売されて、「オープンワールドとはなんぞや」的な感想や記事を多く見かけるようになったのですが、
自分がフォローしている(一方的に)ニカイドウレンジさんの下記のツイートを見かけて
と思い、色々と調べてみることにしました。
今回は、「オープンワールド」といういわゆるバスワードを今一度調べることで、自分の中での意味づけをしていこうと思います!
的なふわっとしたものです。
2. 論点
とはいえ、ちゃんと論点は設けて考えていこうと思います。
今回の論点は、
「オープンワールド」という言葉にゲームデザイン的な意味(特にフリーローム・フリーシナリオ)は含まれるのか否か。
で考えていこうと思います。
また、定義の見直しというより、実際に使われている文脈を理解することが目的になっています!
フリーローム・フリーシナリオは、順番通りでなく、自由な順番でストーリーを進めることができることを指します。
3. オープンワールドとは
まず、「オープンワールド」という言葉がどのように定義されているのかを見ていきます。
特に、ストーリーの自由度に言及しているのか、
シームレスなマップ移動の自由度のみに言及しているのかに注目していきます。
前提として、世界共通の定義としてのオープンワールドの定義は存在しません。そのため、各メーカーさん・各メディアさんの独自の定義を集め、一定の法則があるのかを探ってみました。
その結果、
シームレス性 自由度 広大なマップ
の三要素でオープンワールドを定義している例が多かったです。
以下は三要素をどのように言及しているかのまとめです。
シームレス フィールドの移動中にロードがほぼない
自由度 自由探索・フリーローム
広大なマップ ×
シームレス フィールドの移動中にロードがほぼない
自由度 移動制限なし・フリーローム
広大なマップ ×
シームレス シームレス(詳細はなし)
自由度 移動制限なし・フリーローム
広大なマップ 実物大の世界
シームレス ゾーンで区切られない・ロード無し
自由度 移動制限なし・序盤からどこでも行ける
広大なマップ 広大なマップ・実物大の世界
シームレス 連続している世界
自由度 フリーローム
広大なマップ 広大なマップ・実物大の世界
シームレス シームレス(ステージ毎に区切られない)
自由度 自由移動(詳細なし)・自由度が高い(詳細なし)
広大なマップ 広大なマップ
シームレス マップの統合
自由度 (フリーローム)
広大なマップ 広大なマップ
シームレス ×
自由度 移動制限なし・自由探索・フリーローム
広大なマップ ×
このように、だいだいこの三要素に言及している記事が多かったです。
ここで問題になるのが、この中のどの要素がオープンワールドを「オープンワールド」たるものにしているかだと思います。
この三要素の中で、自由度のみがすべての記事で言及されていました。
最も、シームレスはオープンワールドの代名詞的に言及されることが多いので独立して扱いましたが、自由度に含まれているとも言えます。
そして、自由度に含まれている移動制限なしも、フリーロームもどちらもゲームデザイン的な側面を持っているため、少なくとも、「オープンワールド」という言葉はゲームデザイン的な側面をもっていそうです。
ここで疑問に思ったのが、
です。何を目的にオープンワールドが生まれたのかを知ることで、オープンワールドと呼ばれるゲームの心臓部分を探っていこうと思います。
~続きは後編へ~
おまけ. オープンワールドと関係のある用語
おまけとしてオープンワールドと関係のある用語をまとめてみました。
オーバーワールド
初代ドラクエのように、キャラクターの大きさに対し、世界が実物大でなく、キャラクター巨大に描かれている世界のこと。
シームレス
「縫い目のない」の意味。フィールドの移動中にロードをはさまずに移動をし続けられること。(建物などの移動が例外とされる場合も)
箱庭
ミニスケープとも呼ばれ、シミュレーションの一種とされるが、
別の用法で、「箱庭空間」を歩き回れるゲームとの意味で
オープンワールドと同様に使用されることもある。
サンドボックス
「砂場」の意味で、決まった目的が与えられず、与えられたフィールドで各々が目的を見つけ出して遊ぶことを目的とするゲーム。
「自由度が高い」という点でオープンワールドと共通している。
マインクラフトのようなオープンワールドの特徴を持つゲームで、
かつ、目的が与えられていないゲームは「同時にサンドボックスでもある」