企業note運用の秘訣とは?ヤマシタマサトシさんに学ぶnote運用術 【#GCnote勉強会 vol.1】
こんにちは!GC編集部の新米ライター・みさきちです。
今回は、note公式ピッカーでもあるヤマシタマサトシさんさんをお招きした「GCnote勉強会vol.1」のレポートをお送りします!
ヤマシタさんは、noteでのフォロワー数2700以上、月間ビュー数は100,000を超えています。
デザイン、グルメ、育児と3ジャンルもの公式ピッカーでもあるヤマシタさんに、個人・法人でのnote運用方法の違いやネタ集め・執筆のコツをお聞きました。
「どうしたら記事に共感してもらえて認知度があがるのか?」
を学ぼうとギラギラしている参加者が得たものは、目から鱗の回答の数々でした。
1,ヤマシタ マサトシ流・note毎日更新のコツ
一年以上毎日noteを更新し続けているヤマシタさん。
どのように更新を続けているのかお聞きしました。
(正直、ネタ切れとかないのかなぁ)
「ネタ帳には常に200くらい溜まってますね。だいたいそこからピックアップして、最初にタイトル+3行でゴールまで流れを書いて下書きを始めます」
予想を上回るネタ数に一同「おお~」と驚嘆の声が上がります。
ネタ切れさせないコツを聞くと、「ジャンルのバランス感覚」と「観察力」にありました。
<ジャンルのバランス感覚>
noteを書くとき、
・ゆるく雑記を書くのか?
・グルメや美容などジャンルを絞って書いたほうが良いのか?
と頭を悩ませる人も多いはず。
それぞれのメリット・デメリットを教えていただきました!
▼雑記とジャンル特化それぞれのメリット・デメリット
これらをふまえ、ヤマシタさんがとっている方法は「雑記+ジャンル特化×複線化」。
・日常ネタ(毎日のゆるい日常)
・脱日常ネタ(例えるなら花火大会くらいの非日常さ)
・非日常ネタ(半年に一度くらいの非日常さ)
を織り交ぜ、かつジャンル特化の記事を複数まぜるスタイルが、ヤマシタさんのたどり着いた運用方法だそうです。
▼雑記+ジャンル特化×複線化のイメージ図
記事の幅を「日常-脱日常-非日常」の3パターン設け、さらにジャンルを複線化することで読者を飽きさせない設計になっています。
常時ネタが切れないもう一つの理由は観察力にあります。
ヤマシタさん流に言うと「観察スケッチ」。
これは静止物だけではなく、言語、空間、香り等さまざまなものに対して応用が可能だそうです。
例えばラーメンを食べに行ったとき。
「まずい」
→なぜそう思うのか?
→スープがぬるい、塩味が強い、煮込みすぎて苦味があるからではないか。
→なぜそうなっているのか?
まで深堀りし、言語化してみること。
そうすることで日常のさまざまな事柄に対する気づきの感度が上がり、言葉の解像度を上げることができます。
得意不得意の差はあれど、経験を積むことでだんだん頭の中でできるようになるそうです。(もちろんメモ帳に書くでもOK!)
▼ヤマシタさんのメモ帳に興味津々の参加者たち
2,どんなnoteが読まれるのか?
会の中盤では一同お待ちかね、「一体どんなnoteがスキをもらいやすいのか?」といった内容にも踏み込みました。
基本的にこの3つに人は興味を持つそうです。
「調べておきました」は自分で調べるのが面倒だけどまとまっていたら嬉しい情報、
「代弁しました」は日頃思っていたけど言えなかったことを代弁してくれるような記事が該当します。
「狂っておきました」はYoutuber寄りの発想で、例えば回転寿司の寿司ネタを全部食べるといった企画です。
確かにどれも読みたいと思ってしまう内容だなあ、と納得させられます。
総じて、読者が気持ち良い状態になることがスキを押されるきっかけにつながります。
例えば、上記のほかに図解をいれると読んだら頭が良くなった気分になるのだとか。説得力も増しますし、人に話したくなってしまいますよね。
▼ヤマシタさんの図解一例
3,企業noteが苦戦する3つの理由
そして、「企業note」についてもかなり深くお話を聞きました。
当アカウントも企業noteですが、フォロワー数が伸び悩み成功しているとは言い難い状況・・・
そんなわたしたちに、ヤマシタさんが最初に放った一言。
「企業noteは根本的に考え方を変えたほうが良いです。」
(なんだか強気な発言に、思わず身構えてしまう・・・)
ヤマシタさんから見て、企業noteがうまくいっていないのは次の3つが理由だそう。
①フォロワー数にこだわりすぎている
②自らストーリーを語ってしまっている
③「謎のオフィスビル」になってしまっている
①フォロワー数にこだわりすぎている
noteに関わらずソーシャルサービス上において、フォロワー数は確実に一定の影響力を示します。フォロワー数の増加を運用の目標に掲げている企業もたくさんあるはずです。
にもかかわらず、フォロワー数にこだわることはおすすめしないというヤマシタさん。
何故なのでしょうか。
ヤマシタさんが挙げたのは、「捨て垢」の存在が企業の信頼を下げるという話でした。
例えば、「note登録&フォローで商品プレゼント」という魅力的なキャンペーンを打ったとしても、その際作ったアカウントを運用し続ける人はどのくらいいるでしょうか。
そしてプロフィール写真も初期設定のまま、活動している様子のないアカウントばかりフォロワーが増え続けたら、何が起こるでしょうか。
実際にその企業noteに興味をもってくれた方が「どんな人がフォローしているんだろう」と覗いたとき、不信感を持ってしまうのです。
非活動のフォロワーが多ければ多いほど、「アカウント買いってやつ?」と疑ってしまいます。そして結局フォローしてくれない可能性もあります。
(思わず、たしかに~!!という表情になる参加者。)
関心の薄いフォロワーではなく、いかに熱いファンを作るか、その熱量を可視化する設計ができるかにかかっていると語るヤマシタさん。
具体的には、
・フォロワー数あたりのリアクション数や質を上げること
・ファンになってくれる割合を高くすること
が重要とのことです。
②自らストーリーを語ってしまっている
また、企業noteではどうしても自分たちで自社の魅力を発信したくなります。
しかし、「ストーリーは語ってしまうと消費される。語られるものでないといけない。」
と編集部佐藤も言っていました。
ファンになってくれた人たちに自社のことを語ってもらうことが、いつまでも愛される企業のnote運用の秘訣なのです。
まさに「User Generated Contents(UGC)」の考え方が重要だと話していました。
さらにヤマシタさんは、中の人(運用している個人)のアカウントの価値を高め、個人にファンをつけることも重要だといいます。
そうすることで属人的な価値を高め、個人のファンになった人が企業のファンになっていくという流れを構築するのがベストだそうです。
▼ヤマシタさん流・企業noteの目的設定
③「謎のオフィスビル」になってしまっている
最後に、企業noteと個人noteの決定的な違いについても教えてもらいました。
「企業noteが目指すべきは商業施設や駅ビルなんです。」
個人noteを見にいくのは、言うならば友達の家に遊びに行くようなもの。
心理的ハードルが低く、気軽に覗きに行きスキをつけたりフォローしたりできます。
しかし企業noteは「会社のビル」。
知らない会社や、何をやっているか分からない謎のオフィスビルにはどうしても立ち寄りにくいのが人間の性です。
だからこそ、企業noteが目指すべきは、商業施設や駅ビルのような行くだけで読者を楽しませ、その後も立ち寄らせ続ける存在なのです。
そのためには考え方を変え、個人が「自分だったら何が読みたいか」を考え楽しんで書くことが大事だとおっしゃっていました。
当初、「どうしたら記事に共感してもらえて認知度があがるのか?」を学ぼうとギラギラしていた参加者たち。
ヤマシタさんの考え方を聞いてからは、フォロワー数(認知度)の向上ではなく、どうやって定性的な熱量を生み出したらいいか、に発想が変化していました。
わたしが今回の勉強会で最も印象深かった学びの一つは、
「本質的な価値があることを発信していれば、誰かが見つけてくれて、共感してくれる。そこから輪が広がる」
というものです。
地味でも派手でも、それが本質的でありさえすれば誰かが見つけてくれる。
それは企業noteも同じこと。そのことにとても勇気づけられたような気がします。
お忙しい中、わざわざ門前仲町までお越しいただいたヤマシタさんにこの場をお借りして感謝申し上げます。
ありがとうございました!
GCnote勉強会は9/11(水)に第2回も開催します!
申し込み期限は2019/8/30まで。ご興味ある方はぜひともご応募下さい!
GCnote勉強会vol.2概要
■テーマ
noteを活用したファン作り。情報発信でゆるやかに繋がる関係性
■日時
2019/9/11(水)19時30分開演(19時15分開場)
■場所
GCストーリー株式会社
東京都江東区富岡2丁目11−6 長谷萬ビル4階
■参加費
無料
■登壇者
株式会社cotreeひらやま様
https://note.mu/kaz_hirayama
■当日タイムライン
19:00~ 開場
19:30~ はじめの挨拶
19:40~ cotree平山様よりnoteを活用したファン作りについて
20:00~ トークセッション
20:45~ Q&A
21:00~ 終了
■備考
・任意ですが、noteやTwitterで勉強会の内容を積極的にご発信いただけると嬉しいです!
・イベントの様子をレポート作成のため写真で撮影致します。あらかじめご了承ください。
■申込方法
2019/8/30までに下記のbosyuよりエントリーをお願いします。定員を超えた場合、大変恐れ入りますが抽選をさせていただきます。
抽選結果は、2019/9/3までに、参加いただく方に限りDMにてご案内いたします。
文・編集/櫻庭実咲 写真/高橋由衣・長田和真 アートディレクション/熊谷怜史