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人生にKPIを作るなら?コントロール出来る指標が幸福への近道 #シアワセを紐解く

「幸福とは何か?」シンプルですが、本企画のテーマです。「幸せになるための○○」といったHOWの情報は流通していますが、幸福の概念や定義などのWHATやWHYについてはバラバラではないでしょうか。
そもそも幸福とはいったい何を指すのか?をこの企画シリーズでは考えていきたいと思います。

こんにちは。gC編集部の佐藤です。

人生にKPIを設定するとしたら、何になるだろう?
仕事の帰り、地下鉄に揺られながら、こんな事を思いました。
その日のMtgでKPIの設定について話していたからかもしれません。

人生のゴールを「幸福」に置いた場合、数値として何を測るのか。もしくは、測れないのか。そもそも、幸福の定義は一体何なのか?時代や国によって異なるのか、を今回は考えて行きたいと思います。

幸福の定義は国によって異なる

「幸福」や「幸せ」と聞く、どのようなイメージが浮かぶでしょうか?

心許せる友人と笑い合っている時、お風呂でリラックスしている時、愛するパートナーと過ごしている時間など。抽象的な概念だけに、人が持つイメージはバラバラかもしれません。

幸せの定義・幸せに対しての世界共通の認識は存在するのでしょうか。

幸福という言葉は、理解のされ方も使われ方もさまざまです。
引用:デンマーク幸福研究所が教える幸せの定義よりp19
中国では、幸福という言葉を聞いて心の平穏をイージする人が多いのに対し、西洋諸国では概して快楽を思い浮かべる人が多いようです。特にアメリカでは、幸福が個人の成功や「アメリカンドリーム」の実現と結びつけられるケースが多いようです。
引用:デンマーク幸福研究所が教える幸せの定義よりp20

どうやら、国によって認識は異なるようです。
しかし、若干の差はあれど、「幸福」はポジティブな印象を指しています。

幸福には「幸運」のニュアンスが元々含まれていた

幸福という言葉はどこから来たのでしょうか。オックスフォード英語辞典に「幸福」という単語がはじめて掲載されたのは1530年のようです。

当時は幸福と聞いて「幸運」という単語を思い浮かべる人が多かったようです。幸福というのは、だれかにほほ笑みかけるものであり、笑いかけられた人は幸運だと考えられました。
幸福が精神的な快楽を意味するようになったのは、それから随分先のこと。1960年に幸福についての辞書の定義から、幸運という意味が完全に削除されたことで、幸福は運とは関係のないものとなったのです。
引用:デンマーク幸福研究所が教える幸せの定義よりp22

元々の言葉のニュアンスでは「幸運」の意味合いが含まれていた事が分かります。元来「幸運」の意味合いが含まれていた「幸福」ですが、時代の流れと共に変容しています。
「もたらされる」「訪れる」イメージよりは、自分の心のありように近い概念になっているのではないでしょうか。

重なり合う幸福の意味合い

幸福がいかに複雑な意味合いか、を言葉から読み解きたいと思います。
下記はそれぞれ、「幸福」「ウェルビィーング」「生活の質」の意味ですが、一見どの言葉がどの意味を指すか分かりにくいかもしれません。

「個々人に得をした感覚、前向きになる勇気、行動力と人生の喜びを与えてくれるような幸福を表す言葉」
「満ち足りているか、豊かな状態・成功し、満足感と喜びに満たされた存在」
「よい人生の特徴を表す言葉。この評価は、その人自身の人生の主観的判断、もしくはその人の生活環境に対する他の人たちによる客観的判断による。今ではその概念は広くなっているので、百科事典の1項目に収まるよう説明するのは難しい」
答えは上から順に、ウェルビーイング、幸福、生活の質です。これらの定義を読むと、概念同士がどう重なり合っているか、概念の違いを正確に説明するのが、いかに難しいかが分かるでしょう。
引用:デンマーク幸福研究所が教える幸せの定義よりp46

幸福の概念は時代と共に変容するだけではなく、他の概念とも交じり合っています。時代だけではなく、国によってもニュアンスが変わります。

幸福の意味合いとしても海外におけるニュアンスは「達成や自分で勝ち得るモノ」に対して、日本だと、現在ある物事に対して「満ち足りた気分や感謝」の意味合いが強いのではないでしょうか。

日本人の感謝の気持ちは言葉にも表れており「おたがいさま」「いただきます」「ごちそうさま」は日本特有のものです。
言語からも日本人の幸福観が何を尊重しているかが読み取れるのではないでしょうか。

幸福とは一体何か?非常に抽象度が高く、世界共通認識もない「問い」ではありますが、日本においては「感謝」が一つのポイントになる可能性があります。

感謝する事」は自分で決められます。自分がコントロール出来ない指標に人生を依存させると、振り回されてしまいます。

以前、上司との面談でフィードバックにハッとした事がありました。

KPIを自分でコントロール出来ないものに設定すると、どれだけ頑張っても達成出来ない時があるから苦しくなると思う。だったら、自分でコントロール出来る指標にするのも一つの手だよ。

KPIをコントロール出来ない指標にすると、外部要因が影響して、いつまでも達成出来ないケースがあります。仮に、自分の人生にKPIを持つとしたら「自分で決められる指標」にする事で幸せに近づくのかもしれません。

参考書籍

文・構成・編集/佐藤政也 デザイン/蓮池しのぶ

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