クラスのいじめを無くした日(自己紹介29)
今年の3月で生誕30年。これからの人生をよりよく過ごしていくために、これまでのハードモードだった人生を振り返っています。
前回の記事はコチラから!
昨日は、育ての父から暴言を吐かれ続けるという内容の記事を書きました。
中学3年生は、本気で受験勉強に取り組みましたが「父との勉強会」に意味があったのかは未だによくわかりません。
むしろ、自分がバカであることと、育ての父が人間として小さい人である事を再認識するような時間だったので逆効果だったようにも思います。
ちなみに僕は1年間、この暴言勉強会をやり切ります。あんまり気にしていなかったので、余裕といえば余裕でした。
ただ、妹は3日でダメでした。
この2年後、妹に対しても父は同じことをします。妹は「むかつくからもうやらない」と言って以降、すぐにその会は終わりになりました。
育ての父の育成能力のなさが露呈された瞬間です。それと同時に、僕の特殊さも家族内で明らかになっていきました。
中学3年生の1学期。最初の方だったと思います。
ちょっとした事件が起こりました。
「そういえばお前って、人権ないよな?」
衝撃の発言です。絶対に言ってはいけない一言だと思います。
この言葉は、I君という男の子に向けられた言葉です。
この発言と共にI君へのいじめが始まりました。
僕と「I君」は、このいじめをキッカケに友達になります。今でも仲良くさせてもらっています。Y君、A君、H君と僕、このグループに最後に加わる男の子です。
彼は典型的ないじめられっ子でした。
小学校は別だったので分かりませんが、中学1年生の時からいじめられているという噂を聞いていました。彼とは、中学3年生の時に初めて同じクラスになるのですが、バドミントン部に所属していた関係で中学1年生の頃から存在を知っていました。
I君は感情が表に出ないタイプでした。自分を持っていないというか、操り人形みたいな人でした。当時の僕からすると今まで見たことがないタイプの人間でした。
今思えば、そこに惹かれたのもあって友達になれたのかなと思っています。
僕は1年生の秋くらいから「喘息」の発作を理由に部活に行かなくなりましたが、I君は引退まで部活を続けています。
同級生の部員にいじめられているのにも関わらずです。
何も考えていないだけかもしれませんが、それでも毎日通うというのはすごい事です。
僕は1年生の途中から部活に行かなくなったので、彼に向けられているいじめがどんな感じかもよく知りませんでした。ただ漠然と「いじめられているみたい」という噂を聞いていたレベルです。
そんな彼に向けられた「人間が放ったとは思えない言葉」
お前って人権ないよな?
公民の授業の後です。はっきり覚えています。
僕はいじめの現場を目撃してしまいました。というかこれ、教室の真ん中でどうどうと行われていた行為です。むちゃくちゃですよね。割とみんな笑っていたと記憶しています。
I君は「・・・・そうだね」と言っていました。
いや、そんなわけないでしょ?(笑)
人権のない人間がこの国に生まれてくることはありません。
この発言を皮切りに、彼へのいじめ行為はエスカレートしていきました。
「お前、人権ないから給食無しな~」とか。
「お前人権無いから、この教科書俺が借りるな~」とか。
中学3年、受験を目前に控えた人間のやる行動とは思えませんでした。
I君はすさまじく暗い性格でした。
非道な発言も「うん」と言ってすべてを受け入れていました。
いや、受け入れちゃダメだろ。
友達もいなかったみたいで、周辺にいるのはいじめている奴らだけ。
という状態でした。
僕は小学校6年生の「A君」の事件を思い出しました。あと、純粋に「I君」という人間に興味を持ちました。
だから聞いてみたんです。
「このままでいいの?」
と。
多分、彼とちゃんと話したのはこれが初めてでした。
するとI君は「いいよ。どうせ俺が悪いんだし」と言ったんです。
僕はこの発言に対して「腹が立つ」と同時に「興味」を持ちました。
今までの一連の流れの中で、この人のどこに悪いところがあったか?
見ている限り、負い目を感じなきゃいけない部分なんてどこにもありません。
なんでこの人「自分が悪い」と思ってるんだろう?
どういう思考回路を辿ればその答えに辿り着くんだろう?
そんな事が気になったんです。
いじめを受ける人間の中には「一生懸命自分が悪いと言い聞かせるタイプ」の人がいると思います。そう思わないと心が保てないから、自分の中で自己解決しようとする人って一定数いると思うんです。
僕が小学生時代に、自殺しようと考えた時も「自分が太っているのが悪い」という考えが根底にはありました。
ただI君の場合、そんな風に「一生懸命割り切ろう」としている感じには見えなかったんです。なんて言えばいいのでしょう?
なんか、諦めている感じだったんです。
ずっと落ち込んでいるんです。
僕が腹を立てたのはそこでした。
いや、お前まだ何にもしてないぞ?と思いました。
いじめはイジメている側が100%悪いです。
たまに、いじめられている側にも原因があるという言葉を聞きますが、あれ間違いです。
いじめる側に「いじめをスタートする」権利なんてないですから。
「いじめていい理由」なんてこの世にはありません。いじめていい理由があるというなら言葉にして説明してほしいと思っています。
そもそも人には、他者を罰する権利も、他者に指摘をする権利も、他者を攻撃する権利もありません。
いじめられている人間にも問題があるなんていう発言は「自分のやった間違いを正当化させたい」とか「自分の罪を軽くしたい」と思った人間の苦し紛れにすぎないと思います。
ただ、それとは別にです。
いじめられている側の人間が行動を起こさないのは「甘え」だと思います。行動というのは「助けを求める」とか「相談する」とか「泣く」というものも含めてです。
人間が人間をいじめていい理由なんてありません。でも、起こってしまった事を放置するのは「怠慢」以外のなにものでもない。
これは完全に別問題だと思います。
彼がもし「どうせ俺が悪い」というのであれば、いじめ的な行為に対して「落ち込んだり悲しんだり、あとはキレたりしちゃいけないんです」
何があっても、いつも通りに振舞わないといけません。
でも、今この瞬間のI君は僕には悲しそうに見えました。
僕が最初に彼に抱いた印象は、
「こいつ、仕事が出来ない奴だ(笑)」でした。
だから興味が湧きました。
僕の周りにここまで何もできない奴はいなかったんです。
だから言いました。
「今から遊びに行こう」と。
I君と仲良くなりたいと思いました。
それと同時に、僕はI君に「普通の友人関係とは何か?」を見せてみたくなりました。
「今置かれている環境は間違っている」という事を教えてあげたいと思ったんです。僕は、I君の周りで起こっているいじめを無くしフォローしようと決めました。
正しい行動かどうかは分かりません。
僕が「そうしたい」と思ったんです。
その日はちょうど「Y君+他2人」と祖母の店の2階で遊ぶ約束をしていました。そこにI君を連れて行ったんです。
楽しく遊びました。
I君は普通に笑える人でした。
僕は2つ、彼に伝えました。
学校ではとりあえず僕と一緒にいること。
僕がいない状況で「イラっとする発言や哀しい発言」があったら全部無視して逃げること。
この2つです。
認めたらダメ。
認めれば自動的に「やっていい」に繋がってしまいます。
それは「無言のYES」と同じです。逆に反発して「NO」と言えば、相手は「メンツをつぶされた」という勘違いを起こします。より行動がエスカレートしてしまう可能性があるのです。
だから、とにかく無視して逃げるべきです。
多分、相手は無視されると怒ります。だから全力で逃げるべきです。人間の怒りなんて一瞬です。逃げられてやり場が無くなっても、次の日にはいくらかおさまります。その瞬間の怒りと同等の怒りをぶつける事なんて出来ません。
これを何回か繰り返せば、いじめはなくなります。
逃げるというのは「行動」です。その場からいなくなるというアクションは1つの意思表示になります。相手に「嫌だったのかな?」と思わせることも可能です。
何より、今行われている行動に対して「自分で動いた」という証になるので、実は自信に繋がったりもします。
「動かない」が一番の悪手で、動かないと悪循環しか生まれません。
あとは、単独行動を極力さければいい。
いじめている自覚がないタイプのいじめは、これで対処する事が可能です。
この行動をI君に徹底させてから2週間くらいでいじめはぱったり止みました。
I君の行動も変わりました。暗いんですけどよく笑うようになりました(笑)
僕たちと遊ぶようになってから一度「遊ぶってこんなに楽しかったんだ」と言ったことがあります。
僕はこの言葉がとても印象に残っています。
彼には、友人がいなかったのでしょう。
彼は、人と関わるとか友達を作るというのが下手だったみたいです。
僕はI君の高校生時代も大学生時代も知っていますが、それ以降いじめにあったという話を聞いたことがありません。まぁ、友達は少ないですけどね(笑)
僕がI君を救えたのかは分かりません。でも「いじめの排除」には成功しました。1つの好事例だと思います。
残念ながら、いじめが無くなる事はないと思います。
起こってしまうことは仕方がないです。だから、フォローしてあげることが大事だと思っています。普通はこういう関係が当たり前。今目の前で起こっていることは間違っている。その上で、解決策を提示して協力する姿勢を見せる。
大事なのはこれだと思います。
I君とは今でも半年とか1年に1回くらい会います。
親友です。
あの時、声をかけたいじめられっ子が僕にとって一生の友達になりました。
これからもこの関係を大事にしていこうと思っています。
うん、無事にリベンジを果たせました。
今日は珍しくしんどくない記事でした(笑)
とても大切な思い出です。
ふぅ~・・・・
明日は「担任」と「副担任」とのバトルについて書こうと思います。
多分しんどいやつです(笑)
忌々しい話ですが、スケベおやじとはまたちょっと違う「厄介事に巻き込まれたくない系先生」の話です。
副担任とは明確に決別する瞬間があります。
なるべく詳細に思い出してみようと思いますので、どうか笑ってやってください。
続きは、また明日にします。