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【365日の魚介レシピ】もう『飽きた』なんて、言わせません!タラを丸ごと味わうレシピ集
ジェットコースターのように、緩急目まぐるしかった2021年。こんな年は初めてでしたが、過ぎてしまえばこれもまた一つの経験ですね。年末前は忙しく、noteを書く暇もなかなか取れなくなりました。
(しかも、せっかく書いても消える、写真アップできない、フリーズするなどなどどうも不具合だらけで心折れることもしばしばありまして。やっと気持ちも調子も落ち着きましたが。)
さて、先日東京にも雪が降り、寒い日が続いていますね。『こんな日はお鍋はいかが?』ってよく見かけます。お鍋の季節といえば、お馴染みのタラ。よくよく考えると、タラは身もアラもタラコ(真子・卵)も白子も使えて、丸ごと無駄なく食べられるありがたいお魚。
三陸はタラの名漁場ですし、特に寒い地方の魚としてですが、世界中で愛されています。
↓ポルトガル料理 バカリャウ(干し鱈)のコロッケ)
真ダラやスケソウダラ、銀ダラなど種類があり、お鍋だけではなく、ムニエル、ホイル蒸し、煮付け、西京焼、フライなど、タラの料理は無限にありますね。しかも、最近は輸送技術が向上し、鮮度抜群のタラを昆布じめにして、お刺身でも食べられるようになっています。
切り身は使い勝手が良く、どんな調理法でも和洋中なんでも対応できるオールマイティですが、火を通し過ぎるとパサつくし、味は淡白だし、傷みやすいので気を遣いますが。解凍ものではなく、旬の生の国産のタラを使うと、断然違って、とてもおいしいのです。
産地の青森にはじゃっぱ汁、北海道には三平汁というタラのあら汁があって冬の郷土料理になっています。
じゃっぱ汁は、タラのアラを湯通しして臭みや血、ウロコを洗い流し、あとは酒をたっぷり入れた昆布出汁に入れ、大根や人参、ごぼう、長ネギなんかと一緒に煮込んだら、味噌で味をつけます。
さらに、白子は適切な処理をしたら、フワッフワとろっとろでおいしいし、たらこ(明太子)は加工品だけど、これ考えた人天才!と思うくらいド定番になって重宝していますよね。
韓国にはタラの腸の塩辛のチャンジャがあるし、タラと明太子の鍋なんてのもあります。
鮮度バキバキのタラをお取り寄せするなら、おすすめはポケマルに出品されている秋田の山本太志さんや佐藤正勝さんの寒タラ!
ということで、タラ料理集めてみました!
タラに飽きたら参考にして欲しい、タラを使いたおすレシピ集デス。
〜タラ料理彩々〜
☆タラの唐揚げ野菜あんかけ
たらに塩コショウして、片栗粉をつけてこんがり揚げます。(竜田揚げのように、生姜醤油に漬けてもいいと思います。) 出汁7味醂と醤油1:1のお汁を作り、千切りにした玉ねぎ、人参、もやし、キノコ、パプリカなどを煮て、水溶き片栗粉でとろみをつけます。揚げた魚の上からかけます。
※黒酢あんかけでも良いですね。出汁4:醤油1:黒酢1:みりん1 砂糖少々を合わせてあんを作ってみてください。
☆寄せ鍋
タラや他の魚の切り身は軽く湯通しすると生臭みが和らぎます。水1L、昆布、酒1カップ、塩小さじ1、薄口醤油大さじ1〜2(しょっつるやいしりなどの魚醤もおすすめ)合わせて、あとは好きな具材を入れて、煮えたらポン酢でいただきます。
☆タラのホイル焼き
タラの切り身は塩を振り、少し置いて出てきた水分を拭きます。アルミホイルにのせ、ホワイトペッパー、酒大さじ1を振り、玉ねぎスライス、きのこ、ほうれん草などを乗せ、バターを一かけのせアルミホイルで包みます。オーブントースターや魚焼きグリルで5〜10分焼きます。(火が強すぎると焦げるので、様子を見ながら。)心配なら、加熱した後、そのまま庫内に置いておき、余熱で火を通します。食べる時にレモンやポン酢、醤油などを少し垂らして食べると美味しいですよ!また、バターの代わりに上からマヨネーズをかけて焼き、火が通ったら仕上げにちょっとアルミホイルを開けてマヨネーズが焦げるように焼いたマヨネーズ焼きも美味しいでしょう。
☆タラのグラタン
玉ねぎスライスとキノコとほうれん草なんかをバターで炒めて、ホワイトソースと牛乳で伸ばして少し煮て、塩コショウで味を整える。さっと茹でて耐熱皿に入れたタラの上から作ったソース、チーズ、パン粉をかけ、オーブントースターで5分くらい焼きましょう。私はエルブドプロバンスなような香草焼き用ハーブミックスをかけるのが好きです!
☆タラのアクアパッツァ
塩コショウしたタラの皮目をガーリックオイルで焼き、返したら、アサリ、白ワインを入れ、強火で沸かす。沸いたら蓋をして2.3分煮込み、アサリの口が開いたらカットしたトマトを入れて軽く馴染ませ、塩コショウで調味します。パスタにかけても美味しい。
☆カチュッコ(或いは寄せ鍋のトマト煮アレンジ)
パンを添えたり、パスタを絡めたり、ご飯を入れてリゾット風にしても良いかもしれませんね。
イタリアのトスカーナ州リヴォルノの漁師料理。魚介のトマト煮です。細かく刻んだ玉ねぎ、にんじん、セロリ、パセリの茎などをガーリックオイルで炒め、魚介(タラ、エビ、貝類、イカ、エビなど)をいれ、赤ワイン(料理酒でも可)を振り、強火でアルコールを飛ばしたら、トマト缶を入れてじっくり煮込み、塩、胡椒で味をつけます。貝類はちぢむので、アサリなどは後から入れた方がジューシーです。
簡単アレンジ(寄せ鍋の残り具材で。) 玉ねぎ、セロリの千切り、ニンニクのみじん切りをオリーブオイルで炒め、きのこ、魚介を入れてさっと炒めたら、ワインか料理酒を入れて煮立たせます。そこに昆布出汁2カップ、トマトジュース1本(190cc)、いれて10分くらい煮込んだら、塩胡椒もしくは白だしで味をつけて出来上がり!
☆王道!タラフライ
タラフライは是非、生の鮮度の良い真ダラで作ってみてください。身がほろほろして、ジューシーで美味しいですよ!タルタルソースには、ピクルスの代わりに柴漬けやいぶりがっこを入れるのが好きです。(写真はカキフライつき)
岩手の宮古もタラの名産地。イカ王子のタラフライが人気です。
☆タラの香草チーズフライ
パン粉に香草ミックス(パウダー)、ニンニクのみじん切り、粉チーズを混ぜて、あとはふつうにパン粉付けしてフライにします。トマトソースや塩とレモン汁でさっぱりと食べるのがおすすめ!
☆タラのムニエル
タラにハーブソルト、コショウをふり、薄く薄力粉をはたいて、サラダ油で焼き、ひっくり返したら、汚れた油を拭き取り、バター、白ワイン少々を入れて火を通します。タラの横でほうれん草、玉ねぎスライス、きのこなどをバターソテーにして付け合わせます。
☆タラの照り焼き・味噌焼き
ただフライパンで焼いて、照り焼きソース(酒1:みりん1:醤油1:砂糖0.5)かけただけでも十分おかずになります。また、田舎味噌と西京味噌を1:1で合わせて酒とみりんでときのばした味噌床にガーゼで包んだタラを2晩くらい漬けて、味噌漬け(西京漬け)にして焼くのもすごく美味しいですよね!酒粕と味噌を1:1で合わせて、味醂と酒で伸ばした酒粕床に漬けたら大人の味。
☆タラのフィッシュ&チップス風
本場のフィッシュ&チップスは、淡白な白身魚をガッツリ食べるために、厚い衣のフリッターになっていますが、私が作ると天ぷらになっちゃう。塩とモルトビネガー、タルタル、マッシュピー(豆のペースト)なんかで食べるのが本場の味みたいですね。ギネスビールやハイボールのおつまみに!
☆タラの明太子チーズ春巻
タラを小さめの切り身にして、塩、胡椒、酒を振り、電子レンジで2分くらい火を入れます。春巻きの皮に、大葉、タラ、明太子、チーズの順に乗せ、くるくる巻いて水溶き小麦粉を塗ってとじたら、油でカリッとなるまで揚げます。
☆ブランダード
フランス料理屋さんの賄いの定番。南仏ラングドックの郷土料理とか。干し鱈とマッシュポテトを合わせたクリーム煮こみ(あえ?)。チーズをかけたらグラタンに、丸めてパン粉つけて揚げたら、コロッケ(パスティス・デ・バカリャウ)になります。干し鱈を牛乳につけてふやかし、塩、胡椒、ローリエ、白ワイン少々を入れて下煮します。(生のタラならさっと火を入れておくだけでOK。)バターでほぐしたタラを炒め、マッシュポテト、生クリームか牛乳をいれ、練り混ぜながら煮込んで、塩胡椒で味付けしたら出来上がりです。
味が淡白になりそうだったので、野菜と田楽味噌をちょんちょんとのせて、グラタンに。
☆タラとカブのラグー フェットチーネ
タラのようなあっさりしたお魚はクリームソースとも好相性!玉ねぎ1/2個、ニンニク1/2かけをあらいみじん切りにして、バターで炒めてくったりしてきたら、1センチ角に切ったタラに塩を振ったものと、カブを入れて白ワイン少々を振ります。フユメドポワソンか和風だしを60ccくらい入れて、軽く煮込みます。カブが煮えたら生クリーム60cc、彩りのほうれん草をいれ味を整えたら、茹でたフェットチーネを入れて絡め、粉チーズ、パセリを振ります。
☆タラのさつま揚げ
タラのすり身は自分で作っても良いのですが、つみれ用に売ってるタラのすり身で、さつま揚げをよく作ります。(フープロで骨、皮を除いたタラをガーッと回すか、細かく切ってから、すり鉢であたる。大変な作業なんです。)おうちで揚げたてのさつま揚げが食べられます。
すり身500gの中に大和芋すりおろし大さじ2、卵白1個、塩、片栗粉大さじ2、おろし生姜汁少々を入れて練り混ぜ、細かくぶつ切りにしたタコ(足1本分)、玉ねぎのあらみじん1/2こぶん、を入れて混ぜます。一口大に丸めながら、酒を入れて沸騰させた昆布出汁に入れて茹でます。もしくは、ラップでピンポン玉状に丸く包み、10分蒸します。あとは、180℃の油でカリッと揚げて、ネギと生姜を乗せていただきます。具にきんぴらごぼうを入れたり、れんこんをいれたり、紅生姜を入れても美味しいです。揚げる手前のつみれは、おでん種やお吸い物の具になります。揚げて冷凍してもおけますよ。
☆白子の下処理とキクのおつゆの思い出
そういえば、"たらふく"って、なんでも食べるタラの、ポンポンに膨らんだお腹の様子を表した言葉だそうです。実際にタラをおろしていて、お腹から色々出てきた経験はありませんが。タラって、身が繊細なのに歯は鋭いし、骨は硬いし、独特のヌメリがあるので、おろすの大変なんですよねぇ。
子供の頃から白身魚といえばタラが定番でした。祖父があらを買ってきてあら汁になったり、寄せ鍋や鱈入りの湯豆腐など、鱈はよく食べました。また、すけそうだらの白子を使った醤油味のすまし汁は冬の定番の汁物で(キグのおつゆと言ってたような。)子供としては、あまり好きではありませんでした。
和食で働くようになって、白子の美味しさに驚きました。鱈は独特のヌメリが臭みの元だと思いますが、鮮度の良いものを使うこと、きちんと下処理する事で美味しく食べられます!!
白子の下処理をざっくりと。
①一口大に切り、さっと洗います。
②塩と酒を入れた湯で30秒から1分くらい茹でます。
③すぐ氷水で冷やします。
※すぐ食べない時は、茹で汁を冷やして、白子を戻し入れて保存すると3日くらいもちます。
☆白子のグラタン
下茹でした白子にホワイトソースと溶けるチーズをかけ、オーブンでこんがり焼きます。
☆タラコのサワークリーム
敬愛する石井好子さんの『東京の空の下、オムレツの匂いは流れる』から。マッシュポテト1個分に、薄皮をとってほぐしたタラコ太め1腹(明太子でも)、サワークリーム大さじ2(クリームチーズでも)、ニンニクのすりおろし1/2かけ分、レモン汁少々を入れて混ぜます。パンやクラッカーに塗ってワインや日本酒のお供にいいんです。
東京の空の下オムレツのにおいは流れる https://g.co/kgs/jzF4Pp
タラのアレンジについて考えていたら、楽しくなっちゃいました。
あ、タラのカレーとか、タラのマサラソテーとか、ウハー(ロシアの魚のスープ)とか、タイ風の唐揚げとかすり身でトードマンプラー(タイ風すり身揚げ)とか、清蒸魚(中華風魚の香味蒸し)とか、醤油で甘辛く煮付けてでんぶとか。なんでも出来るじゃん、と世界の魚料理まで思いついて、ワクワク。
淡白で優しい味なので、いろんな白身魚料理に置き換えられそうです。だから世界で愛されているのでしょう!
探したらまだまだあるのですが、キリがないのでまたいつか。
タラはすごいなあ、偉いなあ。
↓タラの南蛮漬け風(揚げて、三杯酢とオニスラなどをのせたやつ)
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2022年1月中旬現在、オミクロン株の感染拡大により、飲食業に厳しい状況がまたやって来そうな予感。
料理が好きで、人が好きで始めたこの仕事、それをなんだかんだ否定されているみたいで、悲しい。外食禁止令が出た、とか、飲食業は補償が大き過ぎとか。人と人が会うのがそもそも悪とされるようなご時世。こんなに、感染拡大させたのは飲食店のせいなのでしょうか?
それでも前を向いて、神経質に感染対策をして、真摯に料理と向き合うしか、生きようがないのですが。SNSから離れ、邪念に惑わされず、食材を触り勉強して、この時間を利用して、少しでも前に進みたいと思います。
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