あえて福祉優遇を使わない選択
福祉サービスを利用する際には事前にサービスを受ける必要があるかどうかの判定をしてもらう必要があります。
親の介護や障がい児を育てているご家庭であれば少なからず、その恩恵を受ける手続きをしているのではないでしょうか?
放課後等デイサービスやデイサービスの利用
私の息子(次男)は自閉症スペクトラムです。
診断をうけ、数年に一度検査を受けて療育手帳の判定をしてもらっています。現在はA判定です。
受給者証や療育手帳を所持している事で、学校のあとに通所する放課後等デイ―サービスに通所することが出来ます。
母親はうつ病を発症して以来、外出や自動車の運転がままならなくなり(生活は自分ですることが出来ます)、要介護1の判定を受け、デイサービス事業所に週2回通所することが出来ています。
次男が放課後等デイに通所できなければ、家族の誰かが次男の見守りをする必要がある為、保護者である私や妻が就業できなくなったり、就業環境を著しく制約されてしまいます。
母親は、日中は横になっている時間が長く、QOL(生活の質)が下がってしまい、こちらから運動や活動を促しても自発的に活動することが困難な為、デイサービスを利用することにしました。生活の質を維持向上する事が目的で介護判定をしてもらったのです。
必要以上の優遇を受ける違和感
福祉制度は非常にありがたいと感じています。
無くてはならない制度だと思っています。
ただ、私も、母親も生活に困るような貧困ではありません。
そこでこの優遇は受ける必要がないと思うものは使わないようにしています。
先日は市から母親に8000円足らずの補助金を振り込むとの封書が届きました。母親は無職の為、収入がない、年金額もそこまで多くないということで対象になったと思われます。
ただ、亡くなった父(母から見れば夫)の遺産や少ないながらも蓄財している生活費があります。
母と話して、税金等から予算化されているこの補助金は受け取らない事にしました。
福祉優遇制度を使わない事業所
次男が通所している放課後等デイ以外に、療育を受けている事業所があります。
放課後等デイは福祉制度によって、利用者はほとんど金銭的な負担が無いようになっています。(おやつ代など一部の負担。収入に応じて変化する)
ただ、次男が通所している療育事業所は、福祉制度の優遇をあえて受けない選択をして利用者に実費を払ってもらう様にしています。
自閉症に特化した療育をしている事業所の為、視覚支援や構造化、合理的配慮など、内容の濃い療育をしていただいています。
金額は1時間あたり5000円程度で、地域の野球やサッカークラブ、英会話教室や塾といった習い事と比べて特段高額だとは思っていません。
次男はそのような習い事を習うだけのIQや協調性も乏しい為、リトミック(音楽)以外の習い事はしていません。
お金を払うというフィルター
ありがたいことに、実費を払うということで、たくさんの方が療育を断念しています(ポジティブに良いと思っています)
本気で療育を受けたい人だけが(もしくは理解して我が子に合っていると思われている)お金を払って通所しています。
福祉制度を使って、無料に近い金額で通所できるようにしていれば、学びたい時間数を確保することは出来なかったでしょう。
お金を払ってでも行きたい・・というフィルターがかかる事でお金を払うのがもったいない、だとか、無料の放課後デイで十分だ、と思われる方が有料の事業所を選択しなくなります。
個人的にはお金を払ってでも療育を受けたい、受けさせたいという人が集まるコミュニティに属するだけで本気度が違っていると感じています。
そんなコミュニティ内にはモンスターペアレントは皆無です。
金額だけで事業所選択を狭めてしまっているとすれば、それはもったいないと思います。
子どもが子どものうちにかけられるお金は、子どもが子どものうちに成長する時間には代えられないのです。