新嘗祭
「豊葦原瑞穂国」読めるって人、手をあげて。おそらく、多くの人は読めないと思います。解答は、記事のどこかに記載してありますので、どうぞ最後まで読んでくださいな(笑)。
神が降臨して早々、申し訳ないのですが、今の時期を和風月名で表せば神無月でして、神は不在の折につき(笑)。 神につきましては以下を。
神無月じゃなくて、霜月じゃないか、とツッコミを入れたい方、少々お待ちを。
暦には、大きく3つあります。太陰暦、太陰太陽暦、そして太陽暦です。太陰とは月のことで、月の満ち欠けを基準にするから太陰暦。でも、この太陰暦、太陽暦と比べると、1年が354日と11日ほど短くなってしまいます。3年で1か月も短い。
そりゃ困るってことで、太陰太陽暦が用いられます。2~3年ごと(正確には19年に7回)に閏月(うるうづき)を入れて1年を13か月にすれば、いい訳です。それも13月を作るんじゃなくて、閏七月とか閏十月って臨機応変に。
どうしてかですって? それは季節のズレを調整するための知恵だから。二十四節気(にじゅうしせっき)を用いて季節のズレが生じないところに閏月を入れるのが、合理的だったからなのです。
みなさん、旧暦って太陰歴のことと思っているかもしれませんが、実は太陽太陰歴のことだったんですねぇ、これが。旧暦とは、月を基準とした太陰歴に加えて、太陽暦の要素である二十四節気を用いた暦だったんです。
二十四節気と黄道の関係については、以下を参照ください。
1か月に節と中を設け、それに12か月をかけて二十四節気。旧暦の11月なら、節が大雪で、中が冬至。今の時期、つまり旧暦の10月(神無月)なら節は立冬で、中は小雪。ちなみに、この小雪、こゆきじゃなくて、しょうせつと読みます。
雨が雪に変わる小雪ですが、今年は22日でした。そして、今日23日は新嘗祭(にいなめさい)の行われる日。本来、旧暦の11月第二卯の日に行われていましたが、太陽暦が採用された明治5年の翌年から11月23日に行われることに。新嘗祭は、天皇がその年の新穀(しんこく)=初穂(はつほ)を宮中の神殿に備え、召し上がる皇室の重要な儀式。
うーん、みなさんの表情が深刻(しんこく)になってきましたね(笑)。
答えは、「とよあしはらのみずほのくに」でした。
これは、「神意によって稲穂が豊かに実り、栄える国」の意で、一言で言うなら「日本は稲穂の国ですよ」ってこと。
初穂に瑞穂に稲穂って聞いて、なんかホッとしませんか?
それは、祖先が暮らした稲作中心の生活が季節の移ろいと密接にかかわっていたからであり、私たちのDNAに稲穂や季節の変化に心ときめく感性が刷り込まれているからではないでしょうか。
だからといって、その感性にただ歓声をあげながら慣性に流されて生きるのではなく、人間性の完成に励むことを、忘れないようにしていきたいものです。
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