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白いカラス(番外編(2)) ーステイツマン とポリティシャンー
立憲・小沢氏 「安倍氏銃撃は、自民党が長期政権でおごり高ぶり、勝手なことをやった結果」
また、「社会が安定して良い政治が行われていれば、こんな過激な事件は起きない。自民党がおごり高ぶり、勝手なことをやった結果だ」とも。
「安倍氏のこの災難は、自民党に有利に作用するかもしれない」と。
この論理が成り立つとするなら、民主党を率いて日本人のために良い政治をしなかったあなたこそ、「お前はすでに死んでいる」状態となるべきだったのではありませんか(笑)?
安倍氏は「自由で開かれたインド太平洋」と呼ばれるビジョンを推進し、日米豪印の「Quad(クアッド)」の創設も主導しています。
日本経済の生命線であるシーレーンを確保することを考えれば、さすが安倍さんってとこですね。
https://note.com/gashin_syoutan/n/nb4c380baaa63
安倍政権は2015年、安保関連法を成立させて集団的自衛権の行使を可能にし、中国への対処に向けて日本の役割を増やす安保法制を推進しました。
日本の生命線であるシーレーンを中国から守ってくれているのはアメリカであることを考えたなら、トランプ前大統領と良好な関係を築き、日米同盟の強化に尽力したことは評価されて当然のはず。
一方の小沢氏。
小沢訪中団:小沢一郎民主党幹事長を名誉団長とする民主党議員143名と一般参加者など483名で構成され、2009年12月10日から4日間の日程で中国を訪問した日中関係史最大規模の訪中団。
小沢氏が安倍さんの死を悼むことができない理由は、小沢氏が論理的思考ができないことに加えて、どこぞの国の受託者だからかと(笑)。
改めて質問です。
日本人を受益者とする政治を目指していたのは、さあどっち?
◇ ◇ ◇ ◇
民主主義のパラドックス
NHK党・立花孝志党首「参院比例の特定枠で中国帰化人が当選したら10億円支払うと言われた」
判明した親中議員は、現在、自民党・維新の会にいるが、全員中国留学や教授の経験を持つ「旧民主党議員」
日本のことが嫌いな東アジアの国が議員を送り込み、民主主義国家・日本を骨抜きにしようとしています。
さらに、外国人に参政権を与える動きが活発化しています。
そもそも、外国人っていっても、アメリカ人やヨーロッパの人たちの確率はゼロに近いですよね。
https://note.com/gashin_syoutan/n/nc1b0f45bcaba
民主主義は世の中の問題をなんでも解決してくれる万能薬ではありません。他の統治体制より、ちょっぴりましなだけ。
頭数の多い意見=平均値の民意なのですが、これが怖い。
合理的な行動とは、政治家の陳腐な話に耳を貸さないことなのに、情報量とは無関係に聞きたい情報だけを受け入れ、感情やイデオロギーによって判断する人がいます。
自由な?有権者は、自分の関心のない情報を無視し=無知、自分が心地よいと感じる感情やイデオロギーの誘導するまま愚かな行動(非合理な選択)をしがちです。
この間違った信念(系統的バイアス)を心地よいと感じる性質が民主主義のパラドックスを生んでしまうのです。
別の表現をすれば、GIGO(=誤ったデータを入力すれば、誤った結果しか出てこない)でしたね。
https://note.com/gashin_syoutan/n/neff4b6f98597
改めて、民主主義のパラドックスの補足説明です。
社会に害となる政策を食い止める防波堤となるべき民主主義に依存すればするほど、人々の害になるような愚かな政策が採用され、ますます満足度が低下するという矛盾のこと。
アリストテレスが僭主制も寡頭制も民主制もダメと言った理由は、「無産者によって支配されるから」ということなのですが、時代背景などを無視する人に誤解を生じさせると困るので少々補足説明をば。
アリストテレスが言いたかったことは
「目の前の利益を第1に考え」
「困難ではなく安易な道を行く」
「苦言よりも甘言を信じる」人々の
「頭数でものが決まる」のが
民主主義ときているわけですから、
「頭数の多い意見=平均値の民意というものを疑ってかかるべき」っていうことかと。
https://note.com/gashin_syoutan/n/n7ad1c739edec
寛容とか多様性といった耳に心地よい言葉で飾られた怪しい民意に誘導されてしまったら、大変なことになりますからね。
◇ ◇ ◇ ◇
民主国家と独裁国家
選挙という洗礼を受けることが民主主義の健全性を保つ要素となるのですが、一方でそれが弱点に。
国内世論の突き上げを受ける西側リーダーに対して、制裁にも強権で立ち向かうのが北朝鮮、中国、ロシアの独裁者。
そこに、地経学の限界があるのでしたね。
https://note.com/gashin_syoutan/n/n6dcae8cf6dcc
立憲民主党の泉健太さんが、シンガポールで開かれるアジア安全保障会議(シャングリラ対話)に出席する岸田さんに「軍事力を高めるだけでなく対話外交が必要だ」と呼び掛けた。岸田さん「呼ばれているのは日本とシンガポールの首脳だけ。日中首脳会談は不可能」と。
立憲民主党など野党が対話しろ、対話しろという相手国。
以下の記事を読んでも、彼らが話し合いに応じてくれると思います?
中国はこれまでも中間線の中国側海域で一方的に開発を進めており、外務省によると、今回のケースを含めて構造物は計17基。・・・・日中両政府は2008年にガス田の共同開発で合意したものの、10年に交渉は中断しており、交渉再開に早期に応じるよう求めているが、・・・・。
日中の中間線をめぐる対立や、海洋調査船の活動に対して、日本は対抗措置をとれずにいます。もちろん、野党が得意とする論点をずらした話し合いのテーブルにすらつけていません。
軍事的な小競り合いが起きる可能性が否定できないのをいいことに中国は国際ルール無視のやりたい放題。
もちろん、目的は制海権の確保です。
日本と違って自由が制限され、情報統制が敷かれている独裁国家が、国際的非難など意に介すわけないじゃないですか。
◇ ◇ ◇ ◇
政治
政治:古代ギリシアの都市国家(ポリス)およびそれから派生したポリテイア politeia(市民権、国家)に由来。
アリストテレスの『政治学』には、「市民が最高善を目指すための実践論として政治学が必要」とあります。
人間は善を目的因とする存在です。そして、村落が集まってできる最終の共同体であるポリスは人間にとって本質的なものなのですから、これまた最高善を目的因とします。
政治をする人には2種類います。
ポリティシャン politician:低劣な政治家=政治屋。
ステイツマン statesman:国士=憂国の士。自分の事は省みず、もっぱら国の事を心配する人物。
グローバル化とか多様性という言葉の意味を考えることもなく、共通善の涵養を強調するアリストテレスに学んで足元を見直すこともしなければ、ある国の受託者=ポリティシャンに弄(もてあそ)ばれてしまいます。
https://note.com/gashin_syoutan/n/nc43f9791d05d
ポピュリズムは大衆主義や人民主義と訳されるのですが、古代ローマで 「ローマ市民権を持つ者」を表すポプルス(populus) に由来する人々、共同体、国民から派生した用語。
ポピュリズムは他にも反知性主義、大衆迎合、衆愚政治、扇動政治など様々な訳がありましたね。
https://note.com/gashin_syoutan/n/n7ad1c739edec
19世紀末のアメリカ合衆国では、人民党(ポピュリズム党)が、当時の支配層であった鉄道や銀行のオーナーを攻撃。
でも、世の中を「エリート=悪」、「庶民=善」という二項対立で捉え、ポピュリズムを庶民の側に立つ政治思想と捉える錯覚は、エリート嫌いの大衆の勝手な思い込みにすぎません。
ステイツマン (国士=憂国の士)ではなく、ポリティシャン(政治屋)を選んでしまうのは、有権者が「政治について自分たちが無知である」ことを自覚していないから。
繰り返しになりますが、プロパガンダの事実確認をすることもなく、ポリティシャン(政治屋)の信用のおけない情報を鵜呑みにしてしまうのが、無知ということですよ。
無知=非合理的(愚かな)を自覚しないまま投票することによって不合理な行動=間違った選択をして、自分たちの状況を悪くするのが民主主義のパラドックスでしたね。
「反自民」を唱えて政権を奪取したかつての民主党を思い浮かべてみてください。
マス・メディアは民主党が大衆の利益や権利を代弁する政党であり、既存の体制と対決するというポーズを強調していました。
でも、蓋を開けてみれば、自分の支持者や各種の集票団体の方向を向いていただけのポピュリズムでしたね(笑)。
民主党政権から学んだことは多かったのですが、ここでは敢えて2つだけ、問題点を指摘しておきましょう。
1つは、現実の政治課題と向き合うために不可欠な柔軟性と知恵のないポリティシャンには、実効性のある対策など講じられないということ。
そして、2つ目は、安倍元総理のようなステイツマン (国士=憂国の士)が政権を担っていたなら、「問題になるはずのない尖閣列島の帰属問題につけ入る隙を与えたりはしなかっただろう」ということ。
ポリティシャン、そしてリベラルを気取るメディアにとって、安倍元首相のような実行力のあるステイツマン (国士=憂国の士)は目の上のたんこぶでしかなかったのでしょう。
だから、個人攻撃、ヘイトを繰り返しても、それを非難することがないどころか、その後押しをしていた。
その心性こそが、今回の痛ましい事件の背景にあったことは想像に難くありません。
◇ ◇ ◇ ◇
世論形成
森友・加計、桜…「負の遺産」真相不明のまま 安倍元首相が死亡
朝日新聞digitalより
功利主義者の J.S.ミルは、「国家や権力だけでなく、世論という社会的圧力による多数者の暴政は個性の形成を阻止する脅威になる」と認識していました。
政治学や行政学を統合した「政策科学」の提唱者であるハロルド・ラスウェルによると、政治とは「誰が何を得るか(Who Gets What)」であるとしました。つまり、受益者は誰かということ。
そして、
サービスの対象が誰(who gets)で
いかなる方式と負担(how、from whom)で
誰により(by whom)供給され
どの程度のサービス水準にするかといった政策のコストや実施にかかる what や when
を見極めるためには「政策過程の知識」が重要であると。
では、民主党時代を振り返ってみましょう。
自分の支持者や各種の集票団体を受益者とするようなポピュリストには、「政策過程の知識なんて不要」ってことが証明されましたよね。
なぜなら、支持者が求めていたのは、そんな難しいことではなく、「できたらいいこと」しか書いてないマニフェストだったのですから。
でも、その結果、政策は実行できず、たとえ手をつけたとしても骨抜きにされるだけでした。
では、なぜ有権者は対案も出さず、「反対」しか言わない人たちにこぞって投票したのでしょう?
それは、人には「この意見は多数らしい」と推測する能力が備わっているからなんです。
新聞・TVが報道しなければ、情報弱者は知るべきことを知ることはできません。
その一方で、報道関係者が自己のイデオロギーに合うように情報を切り取り捏造して繰り返し、針小棒大に報道することで、大衆に「この意見は多数らしい」との印象を持たせることができれば、世論をいかようにでも誘導できるのです。
これが、メディアが得意とする思想・イデオロギー、プロパガンダ、シンボル操作による印象操作です。
こうなってしまったら、もはや理性的説得なんて、できっこありません(笑)。
https://note.com/gashin_syoutan/n/ncd758899527f?magazine_key=m15762e7bed52
https://note.com/gashin_syoutan/n/n05429e449d38
こうしてみると、世論操作で大衆を意のままにできるメディアからしたら、自分のイデオロギーに合わない指導者の一人や二人、死んだところで意に介さないというのも無理からぬことかもしれませんね。
◇ ◇ ◇ ◇
退潮止まらぬ民主主義
バイデン政権は、中国と軍事的な対立だけしか想定していませんが、貿易、経済、科学技術の面での競争を考慮に入れないと、パクス・アメリカーナは過去の遺物となるでしょう。
でも、それは日本だけでなく、世界にとって脅威です。
中東の強権指導者たちは「テロの危険」や「敵国の脅威」を理由に言論統制を強めてきています。
権力集中の手法は、政敵の排除によって絶大な権力を手にした中国の習近平や、ロシアのプーチンとうりふたつ。
地経学の限界の例を一つご紹介。
ロシアは日本に対して、三井物産などが出資するロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」で揺さぶりを掛けています。
西側の制裁を受けてもエネルギー収入は増加し、通貨ルーブルは上昇していることから、独裁者プーチンには経済が破綻することはないという余裕がうかがえます。
独裁国家だけでなく、民主主義国家もおいても経済は重要です。
冒頭にも書いたように、東シナ海を含むシーレーンは日本経済の命綱。
そして、民主主義を維持するには、経済だけでなく、安全保障がベースになければなりません。
「目の前の辛い現実から目を逸らして、現実の向こうにあるかもしれない平和を志向し、軍事力の放棄(丸裸)で、あとは運に任せよう、では日本の将来は危うい」とステイツマン (国士=憂国の士)安倍元首相は主張していました。
18世紀フランスの思想家ボルテールは大層な皮肉屋でした。
プロイセン国王フリードリヒ二世に請われて側近として仕えるも、のちに国王と仲たがいします。
その際に、知人に出した手紙。
「わたしは自分の勉強のために、国王用に小さな辞書を作ったところです。
……わが親しき友よとは、あなたはどうでもよい人という意味です」
オイラには、「『改憲反対』の意味が『日本の国民の主権や安全などどうでもよい』となっていないことを望んでるよ」という安倍元首相の言葉が聞こえる気がします。
ここにステイツマン (国士=憂国の士)安倍元首相のご冥福をお祈りします。