バリウム検査がやっぱり苦手。
健康が気になる年齢だし、1年に1回だけど…。
ぼくが勤める会社(運送業)では、5月と11月に健康診断が行われる。そのうちの1回、バリウム検査を受けなければならないのだが、これがもう…、ほんとうに…、苦手。
バリウムを飲んでグルグル回転させられるのが苦手なのではない。胃を膨らますための「発泡剤」を飲むのに苦戦してしまうのだ。
そもそも、ぼくは子どもの頃から粉薬を飲むのが苦手だった。理由は、にがい薬を口の中に広げてしまうのが嫌いだったから。
なので、できるだけ舌の奥に薬をのせ、水と一体化させて薬が口の中に広がらないように飲み込んでいた。
しかし、この飲み方は「発泡剤」には通用しなかった。
はじめてバリウム検査をしたとき、発泡剤を全部舌の上にのせて一気に飲もうと水を口にいれた瞬間、「ブゥハッー」と……。
おそらく呑み込む力が人より弱いのだと思う。小学生のとき友達から笑わされ、牛乳を呑み込めずに噴き出した記憶がよみがえる。
この経験から、今回は発泡剤を2~3回に分けて飲むことにした。
もう同じ失敗はしない。ゆっくりあせらずに発泡剤を口にいれる。1回…、2回…と飲んだところで、まだ発泡剤が残っているのにもう水がなくなってしまった。
看護師さんにお水を追加でお願いすると、
「もうこれ以上はダメです」。
えっ……。
でも、まだこんなに…。
看護師さんの表情はあきらかに面倒くさそう。
「じゃあ、もうこれだけですよっ!」と、あの小さな水を入れる容器に、…ほんのちょっとだけ足してくれた。
それでも、この水の量では残りの発泡剤をすべて飲みきることができずに、看護師さんからとどめのひとことをいただく、かなり強い口調で。
「もしも胃が膨らんでいなかったら、もう1回飲んでもらいますからねっ!」
ぼくは、返事もできない状態でなんとか検査台へとスタンバイ。
もう…情けないのと、発泡剤を無理やり飲んで苦しいのとで、泣きそうになりながら検査を終えた。
この出来事は、学ぶことをしていない時だとただ「バリウム検査が嫌い!」というだけで終わっていただろう。そしてまた来年になると嫌な記憶がよみがえり、胸がドキドキしてていたはず。
しかし今は違う。すべての検査を終え帰宅しながら「なぜ発泡剤が飲めないのか?」「どうしたらうまく飲み込めるのか?」を、考えていた。現時点の結論は、あの水の容器をもう少し大きくしてほしいことだ。
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