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がらくた宝物殿
2022年2月12日 00:32
引越しを業者に頼むと、テキパキと荷物を次々に運んでくれます。ちょっと前まで自分のものと信じて疑うことのなかった品々が、介入の余地なく部屋の外へ舞い出ていきます。自分の物なのに全く手を出す余地のない鮮やかな手捌き。見ることしかできない私は、必死に築いてきた生活が溶けてなくなっていくようで虚しさと無力感に襲われます。このまま盗られてしまうんじゃないかと思うくらい業者の方の作業は堂々としていてス
2021年7月13日 00:35
*pdfの方が読みやすいという方は以下リンクからどうぞ。「十二人のいまさら十二人で集まった十二人」① 広めの会議室のような場所。12人の人々が集っている。 テーブルの上にゼッケンが重ねておいてある。 12人のうちのひとり、4がゼッケンの束を手にし、他の人に配る。3 これ、ゼッケンつけるんですかね4 ああ、ちょっと見せてください。1,2,3……人数分あるからとっちゃっていいんじゃない
2020年8月19日 00:37
2020年3月。「サフランライス3」という、それはそれはすてきそうな、演劇の短編持ち寄り企画に参加する予定だったのですが、結局参加がかなわなかったことがあります。その後、なにか作品を残しておけないかとうじうじしていました。そのときに書いた作品です。読み返してみたところ、たった何ヶ月か前のことなのに、遠くのせつない思い出になっていました。そんな、発掘された私の3月を公開してみます。久々に最後には