『エンディングドレス』読後感想 最期に着たい服は?
G-darkさんが紹介されていた、蛭田亜紗子著『エンディングドレス』が読みたくなり、さっそく手に入れて読み始めました。
いつも素敵な本を紹介しているG-darkさんのnoteをいつも参考にさせていただいています。
この本でいうエンディングドレスとは、死装束のことです。
死装束とは、納棺する前に亡くなった人に着せる衣装のことで、故人や遺族の希望がない場合は、葬儀会社が用意した白装束が用いられます。(宗教によって違いがあるようです)
主人公の麻緒は30代の未亡人。
先立たれた夫の後追い自殺を計画するのですが、自殺に用いるロープを購入する為立ち寄った手芸店で、ある手芸教室のポスターを目にします。
『終末の洋裁教室』
春は始まりの季節。
さあ、死に支度を始めましょう。
あなただけの死に装束を、あなたの手つくりで。
麻緒は死に装束を手作りすることを、死ぬまでのTO DO リストに追加し入会。死に装束を作るまでのいくつかの課題作をこなしていく。
教室の生徒は高齢の女性が3人。
麻緒は講師と高齢の生徒たちとの交流を深めながら、自分と向き合っていくというストーリー。
この本を読んで、私はどんな服を纏って旅立ちたいのか、真剣に考えました。
私が死んだ時は、夫または息子が喪主となっておくってくれることになるのだろうけど、我が家の男子たちに、日頃私がどの服を気に入っていたかなんて興味も関心もないだろうし、お気に入りの服でおくってやりたいという心境になることなど絶対に期待できない。
それなら生前からしっかりと遺言として、死装束を指定しておかないと、という気持ちがムクムクと沸き起こってきた。
でもミシンはあるけど、もう何十年も起動させていないし、使い方もすっかり忘れてしまっている。
キルト教室に通ってはいるけど、手縫いが好きでミシンキルトを習ったこともない。
まして洋服なんて作ったこともない。
死装束を手作りするのはどうも無理っぽい。
それならデザインを自分で考えて、フルオーダーでプロに作ってもらうというのはどうか?
この本を読んで、改めて自分の「死」を考える良い機会になった。
人生何があるかわからない。
断捨離やエンディングノートを書いたり、そろそろ終活を緩々と始める年齢に差し掛かってきたで、エンディングドレスも追々デザインしていこうかなと思いました。