【読書レビュー】恐竜物語/レイ・ブラッドベリ
好きな人が読んでいる本を後追いで読みたいという心理は、
読書好きな人ならわかっていただけるかと思います。
レイ・ブラッドベリはわたしにとってそういう作家でした。
その好きな人とはとうに終わったのに、
「いつか読みたい」という気持ちだけいつまでも残っていました。
なんでその時に読まなかったのか?
たぶん、当時はSFというジャンルに
わたしがあまりなじんでいなかったのと、
翻訳ものを読むのがわりと最近まで苦手だったから。
ほら、日本語が不自然じゃないですか、翻訳って。
今は慣れて平気だけど。
そんなことも忘れていたある日、
友だちから大量のブラッドベリの文庫本が届きました。
「処分したいからよかったら読んで」
ありがたやー!
それから、ちびりちびりと読んでいます。
こちらは恐竜にまつわる短編と詩を集めたもの。
複数のイラストレーターによるイラストも豊富な楽しい1冊です。
有名な「霧笛」も収録。
タイムトラベラーものの「いかずちの音」はぜひ映像化してほしい1品。
「恐竜のほかに、大きくなったら何になりたい?」は
作者の豊かなイマジネーションと
現実だとあり得ない展開に説得力を持たせられる作者の筆力に唸ります。
わたしは、心豊かな大人時間を過ごすには
子ども時代に好きだったことをするのが鍵だと確信している者です。
もしくは、子ども時代にしたくてもできなかったことをすること。
ブラッドベリの創造の源のひとつは、
恐竜への憧れだったんだろうな。
戦争へと国家が向かうとき、
思想統制のために禁書が設定され、
禁書になった本は焼かれます。
奴隷は読み書きを教わらないから自由意志を持てない。
未来の管理社会を描くSF小説や映画では、
奴隷として描かれるアンドロイドは
小説や映画を観ることを禁じられます。
本を読めるのは自由の証。
図書館に置かない本は、
管理者があなたに読ませたくない本。
なぜ?なんのために?
図書館に「はだしのゲン」を置かないのはなぜ?