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インディーゲーム開発者は安易にSteamKeyを渡すな!

これって何の記事?

この記事は、ゲーム会社や同人/インディーゲーム開発チームがプレスリリースを出した後にやってくる「変な連絡」について書いています。特に海外にプレスリリースを出した時に届きます。

この記事を書いた人はどんな人?

フリーランスゲームライターをしています。国内のゲームメディアでニュース記事やインタビュー記事を書いています。インディーゲームに対する多少の知見があり、告知まわりのことを書いています。

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本文の目次/要約

1:SteamKeyを安易に渡してはいけない
2:そのキュレーターは本物?
3:安易に渡さないためにできること

自信のゲームを告知をしたいと考えるのは開発者なら当然のこと。しかし、誰にでもSteamKeyを配布するのは考えもの。

この記事では、開発者に寄ってくる自称キュレーターの問題と、安易に渡さないために何をすべきかを書いていきます。

本文

1:SteamKeyを安易に渡してはいけない

昨今のプラットフォームではSteamに限らず、ゲーム本体を任意の相手にデータで渡すことができます。SteamではこれをSteamKeyと呼んでいます。

この、任意の相手に渡すことができるというのがポイントです

そうなると、当然VtuberやストリーマにKeyを渡して配信してもらって多くの人に知ってもらいたいと考えるのはごく自然なことで、特に日本人開発者なら手の届きにくい海外へのPRに繋げたいと考えることでしょう。

そこに落とし穴があります。

とはいえ、海外のYoutuberやストリーマに詳しい開発者は少ないと思います。また、海外での告知はプレスリリースをどこに出せばいいのか、仮に出してもなかなか載らないのでどうすればよいのか、悩みは続きます。これは、いわゆる北米や欧州圏のメディアはAAAを優先し、また読者もそれを望むからだと、東京ゲームショウで、海外メディアの編集者に聞いたことがあります。2021年のことなのですが、インディーゲームの隆盛に伴い変わってほしいところです。

海外のゲームメディアが参照するサイトがある

確かに、海外メディアのライターが参考するサイトというものがあります。Games Pressというサイトで無料で投稿ができますが、無料だとなかなか掲載されません。有料の場合月1万円くらいの費用がかかります。

しかし、掲載されるかどうかは運次第です。またコントロールは難しいものがあります。

英語版しかないのにスペイン語のニュースメディアに掲載されたりとかします。体感ですが、スマホゲーは掲載してくれるpocketgamerがあり多少効果があると思います。

https://www.pocketgamer.com

そのために1万円を投じるならアセットを買うとか展示会のチラシ代にするとか、他に投じたほうがいいのではと思います。

なお、弊社ではGames Pressと有料契約をしていますので掲載代行を承っています。詳細は下記をご覧ください(宣伝)


2:そのキュレーターは本物?

では、これらを通じて海外に向けて情報発信をした場合どうなるでしょう?

スパムが来ます。

たくさん来ます。

ほぼ、スパムと言っていいくらいメールが来ます。だいたい、SteamキュレーターやYoutuberなどストリーマを名乗り(キュレーターやストリーマのURLをつけています)キーを3つ前後要求してきます。

これらはほぼ間違いなく、スパムです。転売目的です。

なぜか

有名ストリーマやキュレーターは自分からゲームを探す必要がないのです。
世界中のゲームクリエイターやパブリッシャー、時には視聴者からキーが送られるからです。自身でわざわざ探してあなたに連絡を取る必要がないのです。

また、本物かどうかを検証する術がありませんし、そこに時間を割くのは賢明と言えません。もし、皆さんがプレスリリースやGames Pressなどに自力掲載される際は、スパムが来ても問題のないメールアドレスを使用した方が良いでしょう。


3:安易に渡さないためにできること


それでは、安易に渡さないためにはどうすればよいのでしょう。

それは、自分で送りたい相手を選ぶことです。

どういうことかというと、国内外のストリーマにも様々な方がおり、特定のジャンルに特化したストリーマやゲーム全般を楽しむストリーマなどがいます。

自分のゲームを上手く遊んでくれて、気に入ってくれそうなストリーマにこそKeyを送るべきなのです。また、そのためにはストリーマの動画も少し見ておくといいと思います。

これは弊社の苦い経験ですが、海外タイトルを日本のストリーマに実況していただく機会がありました。いわゆる企業案件というものです。

ですが、とあるストリーマは英語のタイトルが読めず「今日は…なんとかってゲームやります」とタイトルも満足に読んでくれませんでした。私も海外のクリエイターもがっかりしたのは言うまでもありません。

こういうことを完全に避けるのは難しいですが、少なくともそのストリーマの動画をもっと見ておくべきでした。仲介してくれた会社のいうことを鵜呑みにせず、確認を怠った結果です。この経験から、弊社は海外タイトルで同じような相談があったときは自分でストリーマの動画を見てから判断するようになりました。さらに、Keyを送る時に動画を見ていることにも触れて送ることで掲載の可能性を少しでも高めるように改めたのです。

なお、国内のゲームメディアにはKeyを送っておくと配信につながることもあります。配信枠があまり多くないので可能性は高くありませんが、メディア掲載との相乗効果が期待できます

そのほかお役立ちツール


もし、不特定多数のストリーマにKeyを送りたい場合は以下のツールが有用です。

https://keymailer.co/ja/


Keyを送る際に準備しておくと良いもの

製品の情報や素材を掲載しましょう。製品の価格や発売日などを箇条書きにしてまとめておきます。そのほか、ゲームの様子やわかる画像や動画も用意しましょう。例えば次のような内容です。



・ゲーム名、メーカー名、価格、公式サイト、開発メンバーの情報
・ステージ数、最大プレイ人数、特徴的なメカニクスなど
・プレスキット(ゲームのスクリーンショット、タイトルロゴ、キャラクターなどゲームの特徴を伝える画像)
・PVをYoutubeにアップし、URLを掲載しておく

これらがあることで、ストリーマたちもいつ発売するのかなどをストリーマが言ってくれる可能性が高まります。

また、こういった地道な作業が大変ですが、作業をしながらYoutubeなどを流し見するだけでも情報収集ができるのでぜひ試してみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。今後もゲームのPRをテーマに記事を書いてみようと思いますので、今後もよろしくお願いします。


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