「片翼の天使」
何か大切なものを
失くしたような感覚を覚え
辺りを見回してみる
それが何か
明確な答えはでないものの
君の笑顔がそばにないことに気付く
それはいつの間にか
あるべきものへと姿を変え
いつもそばにあると勘違いしていた
自惚れは戒め
願望は侮蔑
勘違いは罪
いつしか振り出しに戻る双六のように
思うように先に進めない感情の
置き場に困り顧みる昨日
昨日まで戻っても何も変わらない事実
その笑顔は僕のものではないという現実
行き場を失くした片翼の天使は
背中を丸め蹲る
圧し掛かる重圧今日という無意味な日
ミルクを入れ忘れた珈琲ミルクは
ただの珈琲へと成り下がる
中途半端なその味は
曖昧な感情とシンクロし
無用の長物へとその存在意義を変える
明日を望んだところで仕方なく
役目を果たせぬ片翼の天使は
自分の存在を疑う
失くしたものの大きさは
僕の許容範囲を超え
その損失は計り知れない
いつかまた触れることが出来るのか
二度と手に入らないものなのか
現実と理想が交錯する難しい朝に
君の笑顔を追い求めたことを悔やむ