「春の嵐」

春だというのに
嵐のような風が吹き荒れる

街中を素知らぬ顔で行き過ぎ
木々を尽く揺らし
そこいらのゴミを全て巻き上げる
そして
僕の覚束無い足取りをも遮る

春だというのに
嵐のように吹き狂う風

やがて空にも
力を及ぼし
雲さえ押し流す
流される雲は息も絶え絶え
仕舞いには千切れ去る

千切れる雲は悲しみの叫び
かつて
味わった事のない苦痛に
顔を歪める
まるで
予期せぬ出来事に
出くわした僕のように・・・