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ショートショートまとめ

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短いお話たち
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#小説

ハナギレ先生とタチキリ君

本を届けにいくと、ハナギレは眠っていた。 店主のくせに居眠りとは不用心な……とは思うが、…

瀬戸際  歩
3年前
4

今日はなんの日?

家を出て5分もしないうちに違和感を覚えた。 目の前の人も、遠くを歩く人も、すれ違う人も。 …

瀬戸際  歩
3年前
6

おかしな1日

『花を持って歩くだけのカンタンなお仕事です』 登録していた派遣サイトからこんな題名の募集…

瀬戸際  歩
3年前
5

肉の家

ママはぼくに、むぎの色のジュースばかり飲ませてくれる。 しゅわしゅわしているけどそれは苦…

瀬戸際  歩
2年前
9

チロルの不在

チロルが帰ってこないんだ、と瀧川が言う。 昼休憩のことだった。 二人で煙草を吸いながらコ…

瀬戸際  歩
4年前
6

真夜中秘密倶楽部

街外れの森をどんどん歩いて行ってみてください。 木々の合間をスポットライトのように落ちる…

瀬戸際  歩
4年前
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FUSE 01 『 Maybe "peach" 』

「ま〜た古代人の研究してるんですか」 シノミヤは研究室で背中をまるめてエナジーデバイスをこねくりまわす巨体の男を見上げた。 「ソノダさん、ほんとに古代人の"食文化"が好きですね」 ソノダと呼びかけられた男は返事もそこそこに、ライブラリからいくつかの記録を引っ張り出してはにらめっこしている。 エナジーなんて摂取できればそれでいいのに。 そんな風に思いながら、辺りに転がっているエナジーデバイスをひょいと手にとり、デフォルト設定のまま摂取した。 シノミヤは驚くほどこだわ

世界が2人を忘れても、きっと当たり前みたいに生きていく

「ねえ、もしも世界が2人のことを忘れてしまったら、どうする?」 休日の朝はまだ車通りもな…

瀬戸際  歩
4年前
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