ここから年末までは2倍速の感覚
お盆前最後の仕事を終えたタイミングで電話が鳴った。
普段からお世話になっている印刷業者からで、来年のカレンダーの予約が始まったというお知らせである。
毎年まだ夏真っ盛りなのに来年のカレンダーか、と気が早いように感じているが、この知らせが入るとここから年末までの怒涛のスパートを想起して気合いが入るのだ。
私のいる業界にも1年の中でなんとなくの繁忙期と閑散期がある。季節ものを扱っている同業者はなおさらその区切りが顕著だが、弊社は私の代になってから季節製の商品は積極的に扱わない、としているため明確な繁忙期や閑散期はない。
あるとすれば、年度末が過ぎ、春から夏にかけて徐々に勢いのついた市場が年末かけてピークをむかえるような一般的な年間の波になる。手がけている案件はまったく同じだが、やはりここからの季節は少しばかり忙しさが増すのだ。
ゆえにお盆休みが開けると、あっという間に年末に差し掛かる印象がある。実際には秋にもゆっくりしたりする機会はあるのだが、バタバタ感のせいか、記憶が薄れているようだ。
しかしながらこの1年の波は、自身でコントロールしたわけではない、市場の波に流されているだけなのだ。であるからして、大方の予測はできても不本意に上振れ下振れを繰り返しているだけ。全体の売上げが微増こそしても、欲しい時に欲しい売上げを確保できているか、と問われればまったくそんなことはない。
毎年それなりの施策は試みているが、いまだうまくいっているとは言い難い状況なのだ。秀逸な商売とは「儲けたいときに儲かる仕組みをもっている」というが、弊社にはその仕組みは構築できていない。
ここから年末までの数字はまずまずでも、そのあとの3ヵ月がいつも失速する傾向にある。1月は世の中がまだゆっくりだから、2月は日数が少ないから、3月はまあまあまあ・・・、と売上げが上がらない言い訳はいくらでもできるのだが、弊社のように季節ものを扱わない、行事やイベントに左右される仕事をしていない、ときたら失速する言い訳は説得力がない。
やり方によっては失速を防ぐこともできるだろうし、年間の売上げも本当にコントロールできないのだろうかと疑ってしまう。
ここ数年は勝手に今の業態では売り上げも頭打ちに来ていると決めつけていた。ここから2倍、3倍にということはないだろうが、それでも工夫次第であと30~50%は上げることも可能だと自負している。それにはやはり「失速の3ヵ月」をどう扱うかにかかっている。
その仕込みはカレンダーの予約同様、夏からであろう。今年は過去最高の年商が見えてきているのもあり、失速は防ぎたいところ。
この秋は引っ越しに本業の仕込みに、例年以上の忙しさになりそうだ。それを見越してお盆休みをもう少し長めにとればよかったと後悔する連休前の夕方である。
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