
【集客】知ってもらう工夫、してますか?
商売において、自社の存在や仕事ぶりを多く人に認知してもらうことを意識した方がいい。実力があっても知らなければ“存在しない”も同然、という話
自社のリソース強化の一環で協力業者をゆるく探している。
そんなことを方々で話していたところ、ある方から「業者を紹介したい」というので訪問した。
事前に情報を仕入れておこうとネットで調べたのだが、自社サイトはなく、出てくるのは登記上の薄っぺらい情報ばかり。
末端建設業ではよくある話なのだが、どうやらその業者も今までの人間関係のみで商売を続けている様子であった。
いざ訪問してみると、社長は60代後半ではあったが人当たりもよく、柔和な感じだが、どことなく香る職人気質な雰囲気が昭和感を醸し出していた。
昔からある町工場のような作業場はところ狭しと機械がならび、設備は古いが一通りそろっている。
事務所に招かれ、小1時間話をさせてもらったところ、仕事にはかなり自信があると感じた。
だが、昨今は仕事量も減り、既存の仕事も単価を下げられる始末とあって、商売的にはかなり厳しい状況のようだ。
ただ、この手の話は世の中にごまんとある。
質のいい仕事をしているが、認知活動をしていないゆえに、その仕事ぶりが知られていないというケース。
もったいない話だが、その多くは叩き上げの経営者の職人気質にあり、「おれは営業マンじゃねえ」というのがホンネ。
職人と営業マンという相反する感覚を持ち合わせるのはむずかしい。自身が職人気質と自覚しているのなら、認知活動は他の誰かに任せるのが賢明だ。
仕入先の営業マンなどの出入り業者を利用するのもアリだし、店構えを目立つように工夫するのだって効果はあるだろう。
とにかく世間から忘れられないような工夫さえすれば、自ら営業をしなくとも認知は稼げる。
それを意識するかどうかの問題で、いい仕事さえしていればいつか報われる、というのは今の時代では幻想に近い。
この業者さんと仕事をしてみて問題がなさそうなら同業者と共有しようと思う。わたしも大した影響力はないが、少し営業の手助けができるかもしれない。
内容を磨く労力と同じくらいのエネルギーで認知活動を意識する。いい仕事は知ってもらってはじめて利益を生む