【営業】その活動って、本当に商売に関係あるの?
とある会社の営業マンから、最近会社の方向性が危うい、との個人的なグチを聞いてしまった。
なんでも去年あたりから社長が環境活動に熱心になり、その活動に社員も駆り出されることが増えたそうだ。
問題なのはその活動量。頻繁にひらかれる会議の議題も環境活動によるものが多く、肝心な商売の方はおまけのような扱いなのだそうだ。
それにより売上げもゆるやかに落ちているようで、ただ社長はミッションを推進するには一時的な痛みを伴うとの姿勢。
わたし個人的には、会社が何らかの社会活動を行うこと自体は否定しないが、それはあくまでも本業に支障のないレベルでのこと。ときどきこうした目的が逆転してしまう会社を目にするが、それに付き合わされる側はたまったもんじゃないだろうと同情する。
極論を言えば、会社の経営自体に社外活動は必須ではないと思う。
集客や営業という名目で、地元の活動に参加したり、何らかのコミュニティーに属したり、今ではずいぶんと減ったように思うが接待なんかもその類と思うのだが、それらの活動が商売に寄与しているのか?という疑問がある。
商売自体は、提供する会社とニーズを持った顧客がつながることができれば成立する。
そこに仕事以外の役割りを求められることはないし、関係性を継続するにはもっと別の方法がたくさんある。
これからの会社のあり方として、社会活動を通しての社会貢献を意識することは重要かもしれない。だが、そこに熱心になりすぎるがあまり本業がおろそかになるのは本末転倒だと思うのだ。
そもそも会社は真っ当な商売さえしてればそれ自体が社会に貢献しているはずだし、それ以上のレベルを求めるにも本業の価値があってこそ成り立つと思うのだ。
何となく「営業の一環」としている活動だって、その活動がちゃんと商売に返ってきているだろうか?そこを考えずにリソースを垂れ流しにしているのは営業ではなく趣味の範疇ゆえ、やりたいのなら自分の自由な時間やお金を使うべき活動なのだ。
すべてはバランスだとも思うが、冒頭の営業マンの憂鬱も理解できる。共感を得ず、浸透しない社会活動は社長のご乱心に映る。
従業員は社会活動の前に、足もとの小さな課題に取り組んでほしいと切に願っている。