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【セールス】「言いくるめる」のは営業ではない

商売において、自社の商品を売る過程では顧客のニーズに訴求するのが基本。「売りたい」というベクトルは自分都合、という話

商売を引き継いで10年というキャリアで「セールス」の勉強をしている。

今さら?という声が聞こえてきそうだが、今までマーケティングと集客をインプットしておけばいいでしょ、という安易な考えが災いして現在、絶賛スランプ中でなのだ。



反省して初心にかえる気持ちで、あらためて勉強をしているのだが、本当に目から鱗が落ちまくる。関連本を読めば読むほど「そりゃ仕事が決まらないわけだ」と納得しまくりの毎日である。

そこでよく思い出していたのが、経営者1年目の現状把握を進めていた際に、着目したムダな経費。

その筆頭が複合機のリースだったのだが、大企業が使うような複合機を父はリース契約してしまっていた。



当時、父はリース会社の口車にのせられ、複合機のほかにもよくわからない機器を次々に契約させられていた。その常套句は「毎月のコストが減らせます」だったそうだ。

毎月のコストは減るどころか、ふくらんでい行くばかり。最終的には毎月20万近いリース代を支払う状態にまでなっていた。

20万のコストをかけて得られるメリットなどどこにもなく、契約上途中解約ができないことから、その後7年近くこのムダなコストに泣かされたのである。



わたしが商売を引き継いでから、リース会社の担当者が営業をかけてきたことがあった。長く専門用語を多用する説明を聞かされ、説得力というよりは言いくるめるようなセールストークに貴重な時間を奪われてイラついた経験がある。

そのときに売りつけようとされたのは、弊社には明らかに不必要なレベルのハードウェアである。

長すぎるセールストークを聞き終え、わたしが一言放った。


「あなたは本当にそれがウチに必要だと思いますか?」



そのあとのしどろもどろ感は半端ではなかったが、最後に「ご検討ください」と小さい声でしぼり出した営業はその後姿を見せなくなった。



言いくるめるというのは、販売側の都合であり、そこに顧客のニーズを考慮する余地はない。

顧客が求めているものに耳をかたむけて提案するのが営業であり、顧客からしたら販売側の「売りたい」という心情など知らんがな、である。



ただ一方で、一部の押しに弱い善良な顧客層にはこうしたセールストークは有効で、今もなお言いくるめられた結果、不毛な契約を結んでしまう事案は後を絶たない。

営業は目の前の顧客に価値を届けるのが仕事のはず。フラッシュバックした経験は肝に銘じてインプットを進めたいと思う。

物を提供する場合、気持ちのベクトルは常に相手に向いていなければならない