美術館・博物館は実は無料が基本なんだってさ
「公立博物館は、入館料その他博物館資料の利用に対する対価を徴収してはならない」
え?
「公立博物館は、入館料その他博物館資料の利用に対する対価を徴収してはならない」(二度目)
えーーー!?
そうだったのか…。学芸員なのに、全然知らなかった…。
すいません。あまりに驚いたので、色々説明すっ飛ばしてしまいました。これ、博物館法に明記された一文なんです。
博物館(美術館を含む)の目的が、「国民の教育、学術及び文化の発展に寄与すること」(博物館法第1条)であることを思い出せば、不思議なことではないんですよね。図書館が無料で使えるのが当たり前なのと、考え方は同じです。図書館法の第17条にも、ほぼ同内容の「公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない」という一文があります。
しかし、図書館と違い、博物館はがっつり入館料をとるのが現実です。
常設展では300円前後、企画展となると1500円ぐらいとりますよね。
博物館法と図書館法どちらも「対価を徴収してはならない」と定められていますが、博物館法の方にだけその後ろに「但し、博物館の維持運営のためにやむを得ない事情のある場合は、必要な対価を徴収することができる」という但し書きがついています。
博物館(美術館)と図書館では、その運営コストに相当な開きがあるということでしょう。
理想は、誰でもいつでも無料で文化体験ができることですが、現実はそうではないということですね。
海外だと、アメリカの国立博物館であるスミソニアン博物館、フランスのパリ市立美術館、パリ市立近代美術館など、常設展が無料で観覧できるところは結構あります。海外では寄付の文化が根強いので、一般の来館者も気軽に寄付をしますし、企業もどかんと寄付してくれるので、こうしたことが可能なのでしょう。
日本ではなかなか難しいでしょうね。
とりあえず「へー」と驚いたので、シェアしてみました。
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