羊と鋼の森 宮下奈都
今までとは少し違うジャンルに挑戦してみたい。
今までにも小説は読んできたけど、ほとんどが家族とか学校、友だちなどのヒューマン系がほとんどだった。
今回もヒューマンではあるけれど、ピアノの調律師と出会った高校生のお話。知らない世界。
僕は学校に勤めているので、調律師の人とは年に一度程度お会いする。でもお話をしたりお近づきになることはない。
僕は小学校の先生だけど、ピアノも弾けない。弾けるようになりたいとは口では言うけれど、実行には移せない。その程度。
「もう引き返せない、僕は調律という森に出会ってしまった。」
ピアノを弾くわけではない主人公はピアノの調律?調律師に魅せられ?志す。僕からすれば、ピアノは機械だから音の調子を合わせる仕事なんだけど、そんなに簡単なものじゃない。
ピアノのとそれを弾く人と周りの人をつなぐ調律師は、言葉で伝えきれない思いを音で表す。
そんな奥深さを描く作品。
「才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない。そんなものにふりまわされのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。」
働くってそうなんだなーと思う。
僕は、やりたかった仕事につくことができた。でも、みんながみんなそうではない。その仕事と出会い、縁があってそこにいる。向いているか向いていないかはわからない。そんなの関係ないのかも。
やりたかった仕事でさえ、イメージとのギャップや多岐にわたる仕事内容に悩まされる。
結局、自分なんだよなー。