記録しておきたい記憶vol.05_02
誘われるままに入部したはいいけど、やりたかったスポーツでもないし、誘った友人も転校しちゃった。
かといって転部も嫌だし、あの先生にそれを言うのも・・・って感じで「なんとなく続けてたハンドボール」。
ただ、「なんとなく」で続けてたのが、ある一件で変わることに。
負けるのが嫌だ
意識が変わったのは一年の冬のこと。
毎年、ウチの中学は「校内マラソン大会」というものを冬にやるんですが、寒くなると部活でもその練習をするようになります。
そして、練習でも走らされてばっかになるんですよね。
で、その練習で部活内の時久走をやった結果、僕は一年生の中でかなり下位になっちゃって・・・。
僕よりハンド下手な同期に負けちゃったんですよ。
それが悔しいやらショックやらで・・・。
「ハンドが下手で足も遅い、体力もない自分が許せない」
と自分に腹がたって仕方がない。
根性なら誰にも負けたくない
走るだけなら技術もいらない、連携プレイもない、要は根性だろ、ということで「持久走なら同学年の誰にも負けない」と決心してとにかく走りまくりました。
吐きそうになってもゴールしてから倒れてもいいから「誰にも負けたくない」と決めて、もう毎回全力、本気モード。
練習でも毎回そんな気持ちで臨んで。
幸い身長あるので歩幅を大きくとって、「少しでも前に」って感じで走るようにしました。そんなことやってたら、(翌月ぐらいかな)には部内の一年生ではトップになってました。これは嬉しくてね。
夜走ったり、部活終わってからも空手行ったりしてとにかく体力は負けねーぞ、と。
これで「ハンドは下手だけど持久走だけは早い」というポジションを掴み、何とか部内で自分の存在意義を確立することが出来ました。
また、バカにされる要素が増えた・・・
2年生になり、先輩達が夏に引退されました。
比較的先輩たちとは仲良くさせてもらってたので「うるさいのがいなくなった」とかはなかったんですけど、自分達が頑張る番だな、ぐらいの気持ちはありました。
が、なんせ技術的には全く上達してない。
持久走は自信あるけど、それは「持久走以外は自信がない」ことの裏返し。
そして2年生になると同時に生まれる「後輩」という存在。
これが厄介でねー。
弟の連れや近所のちびっこにまでバカにされて、空手でも後輩からバカにされてたんで「後輩の視線恐怖症」なんですよ。
今まではどんだけミスろうが下手だろうが、それは先輩と同学年の連中と比べられるだけ。
先輩より下手なのは当たり前、と自分で自分を納得させられるし、同学年にしても同じレベルで当たり前だし。
ただし、後輩となると許せないんですよね(器小さいです、年下に負けるのは弟に負けるみたいで、自分の最期のプライドみたいなもん)。
それがより一層僕の気持ちを焦らせてね、
「上手くやらないと、上手くやらないと」
みたいな感じで。
当然、チームにも迷惑かけますからね。
怖い、とにかく怖い。
更にもう一つ僕を焦らせるものが先生の目。
とにかく怖いんすよ。
蹴る・殴る当たり前でしたから。
そして怒鳴る。
もうビクビクしてました 、毎日 。
僕が当時、どんな状態だったかというと、
部内の同学年では1番背が高い(つまり有利)
けど自信がない(失敗が怖い、先生の目が怖い)
レギュラーには入れず背番号は8番(ハンドは7人のスポーツ)
レギュラーに何かあれば自分が最初に呼ばれる
本音はミスが怖いので試合に出たくない
試合に出ると消極的なプレイ
先生の顔をチラ見して反応を見る(顔色を窺う)→先生のシャクに障る
呼ばれてビンタ若しくは蹴り
試合後(最悪試合中に)「おみゃーはアホかぁっ、もう応援もせんでええ、ずっと走っとれー」
です。もう、毎回、この流れ。
先生の名誉のために言うのですが別に暴力教師ではないんですよ(気は短いですけど)。
僕は部内の2年生では1番背が高かったし、体力もある、8番にいたのも「期待」の顕れだったんですよね。
で、その期待を毎回裏切るわけですから・・・(そりゃ怒るわなぁ)
僕もその期待には応えたいけどどうしたらよかったのか「正解」がわからないんですよね。
どんな試合展開をすればよかったのか、あのパスをもらって、俺がシュートにいったほうが良かったのか、ダメだったのか、シュートにいったらいったで、「何でシュートにいくんだ」と怒られ、パスしたらパスしたで「何でパスしたんだ」と詰られ、何が正解だったのかがわからなかったんですよ。正しいプレーがわからない。
まぁ、今はわかりますけどね。消極的なプレーをするなって言いたかっただけで。その消極的なプレーをしたあとでイチイチ「ちらっ」と先生の顔色を確認したり。
その結果「おみゃ~こっちこい→ドカッ」です。
後輩それみて憐れみの顔。
同学年の奴らは「またか」です。
毎回ではないにしろほとんどこんな感じ。
公式戦はほとんど出してもらうことなく(練習試合でこれやってたらそりゃ危なっかしくて出せないわな)、こんな感じで3年生になってしまいました。