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永久保存版!教え方の極意

こんにちは。
㈱ヒューマンリソースマネジメント研究所
なつカウンセリングルーム 代表
土肥なつみです。

「人生を彩る居場所をつくる」を企業理念とし、
起業研修・カウンセリング・人材育成コンサルティング等を行っています。
私の自己紹介はこちらのマガジンをご覧ください。

本日も部下・スタッフ・メンバーを「教える」をテーマに記事を書いていきます。
皆さんは、仕事を教えるのは好きですか?
この話をすると、特に若手の方に多いのですが
「教えるのが苦手」「教えるより自分でやったほうが早い」
というコメントをいただくことがあります。

教えるのが苦手な人に共通しているのは「教え方を知らない」ということです。
つまり、教え方が分かれば部下育成のハードルがグンと下がるのです。
今日は、私が飲食店の現場で800人以上の新人を教えた経験から、教え方の“ひな形”をご紹介したいと思います。

初めて部下・後輩を持つ方はもちろん、今更教え方なんて聞けないな…と思っているベテラン上司の方にも参考になれば幸いです。


その部下、迷子になっていませんか?

こんな部下の方はいませんか?

・教えていてもずーっと頭の上に「?」が浮かんで上の空
・「これって、どうでしたっけ?」と何度も同じことを聞いてくる
・教えはしたけど数日間は見守っていないと不安

なぜ、こんなことが起こってしまうのでしょうか。

答えはズバリ、「迷子になってしまっている」からです。

説明を受けてる段階で、そもそも自分は今から何をしようとしているのか?
が分かっていない状態です。
この状態で手順だけを詰め込んでも、不安で頭がいっぱいで脳がなかなか仕事を覚えるモードになっていません。

手順というのはあくまでも一番最後に説明すべきコンテンツです。
ですが、多くの現場で
「今から営業記録の作り方を教えるね。まずこのセルに~」
という“手順ベース”の教え方で部下や後輩を教えている場面に遭遇します。
これは、ほぼ業務マニュアルに記載されている通りに上から読んでいるだけの状態です。
教えているあなたも、ひょっとして教えながら“不安”になっていませんか?

次の章からは、教える側も、教わる側も迷子にならない教え方のひな形をご紹介します。

教え方の極意-事前準備編

①仕事の概要を説明する

今からやる仕事は何なのか。全業務の中でどのような位置づけなのかをまずは説明します。

・飲食店の場合、
「今から“案内”の作業を教えます。ホールの仕事は案内、注文、配膳、レジ、バッシングで担当に分かれて行うんだけど、その最初の、来店されたお客様を席にご案内する作業です」
という感じで、ホール作業全体の中のどの位置づけなのかを最初に丁寧に説明します。

・企業の中で企画等、都度プロジェクトチームが集められて行う仕事の場合
「このチームは〇〇部の中で、課をまたいで〇〇を企画する一つのチームとして結成されました」
と組織図を見せながら話すと自分たちの今いる位置、仲間の位置が分かりやすいかと思います。

②仕事の目的を説明する

まだ、手順は説明しません。
次に、その仕事は「何のために行うのか」を説明します。

・飲食店の場合
「今の時代、機械を使って席案内することはできるけど、うちの店はあえて人が案内することで入店した時のお客様の様子を観察したり、お客様とコミュニケーションを取ったりする重要な役割なんだ」

・プロジェクトチームの場合
「同じ部の中でもイントラの使用ルールが違ったり、必要な情報の共有がなかなかされていないという背景があります。課間の連携をスムーズにして、よりお客様へのレスポンスを早めて行くためにこのプロジェクトを立ち上げました」

「何のために」その仕事を行うのかを理解できると、“ただの作業者ではない”というモチベーションアップにもつながります。

教え方の極意-実践編

まだまだ手順説明には入りません。実践の前にもいくつか説明することがあります。

①完成系を見せる

まずは今からとりかかる仕事・作業の完成系を見てもらいます。

飲食店の場合は、席案内をやっている他のスタッフを実際に見てもらいながら
「今からあなたにやってもらうのはこの作業です」
という感じで、その作業をまずはイメージしてもらいます。

プロジェクトチームの場合も
「今から作ってもらうのは、こういう感じの資料です」
↑ゼロから作る書類の場合でも、おおよその体裁(wordなのか、powerpointなのか、何を記載してほしいのか等)を示した見本を用意すると分かりやすいかもしれません。

料理のレシピ本を想像してもらえると分かりやすいかもしれません。
まず、最初のページには完成された料理の写真が載っていますよね?
何を作るか分からない料理は不安になります。
まずは“何を作るか(するか)”のイメージを持たせましょう。

②大まかな工数(ステップ)を説明する

次に、その作業にかかるおおよその時間や工数を説明します。

飲食店の席案内の場合は
「この作業は4つのステップに分かれています。一つずつ説明していくね」

プロジェクトの書類の場合は
「記入してほしいことは〇点です。一つ目は...」

膨大な仕事量を覚えないといけないのか?それとも2~3ステップで出来るようなことなのか?
初めて習う人にはそれがわからず、不安要素になります。
不安で頭が一杯になると、新しいことを覚える余裕はありません。

工数が多い場合は「少しやることが多いからメモの準備をしてね」ということで安心して聞いてもらえるようになります。

③手順説明

ここへ来てやっと手順説明です。
ここまで丁寧に説明しているので、相手は自分の現在地がわかっており、安心して説明をしっかり聞く準備が整っています。

説明のポイントは、
「ゆっくりめの速度で」
「専門用語を使わない」
ことです。業務マニュアルがすでにあって、そこに専門用語が書かれている場合はそれについてもきちんと説明をします。
ひとつひとつ、相手の表情を見て、理解できているか確認を取りながら進めましょう。

④手本を見せる

実行させる前に、ここでもう一度見本を見せます。

飲食店の席案内の場合は、②③で説明したステップを意識させながらまずは自分がやってみせます。

資料作成の場合は、
過去に作成された、似たような資料を見せるのも良いかもしれません。

「今からこの作業をやるんだ」というイメージをしっかりと持ってもらいましょう。

④復習して納得を確認する

まだまだ実践には入りません。
最後に、教えた内容をおさらいして、理解出来ているか確認します。

「ここまで復習するね。まず①いらっしゃいませ、と元気に挨拶、②人数を聞く、③席に案内する…この次は何だった?

「この資料に記載しないといけないことは何と何と何か覚えてる?」

大まかなステップだけ理解出来ていればOKです。説明したことがきちんと伝わっているかこのタイミングで確認しましょう。

⑤実行してもらう

ここでようやく実践です。
飲食店の場合はすぐに助けを求められるように近くで見守る。
プロジェクト資料作成の場合も1時間をめどに進捗を確認します。

ここでのポイントは“放置しない”ということです。
多くの現場で、一方的にバーッと説明だけして、あとは放置。
部下からの質問には「それ、さっき説明したよね?」
という上司の方を見かけます。

最初の1、2回(1時間)は見守るに徹し、ある程度慣れてきたなと思ったら一人でさせるようにしましょう。
もちろん、その都度質問が飛んでくると思うのですぐに答えられる体制は忘れずに。

ここまでお読みになって、もしかすると「しちめんどくせぇなぁ…」とお思いになった方もいらっしゃるかもしれません。
私も、スタッフ教育をし始めた時はいきなり手順から説明していましたので、当時の自分がこれを読むと「前段なげーよ!」と思いそうですが、
結局部下が間違って作業を覚えてしまったり、断片的にしか仕事を覚えてもらっていないと後で説明するのも教えなおすのも結局自分です。
その労力を考えると、やはり教育に時間をかけても比較的許される“新人”というラベルが貼られているうちにしっかり教えておくべきだと、身をもって感じています。

ここまで、事前説明~実践編という形でお伝えしました。
少し長くなるので、次回は「フィードバック編」で書いていきたいと思います!

最後までお読みいただきありがとうございました。
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