見出し画像

025 じつは重要だった「何気ない組織行動」4選

「良い天気だね」みたいに大した意味の無い投げかけほど人間関係をほぐしてくれる。

合理主義者はこういう投げかけを意味の無いことと嫌うかもしれないけど、実はとても大事なこと。

今回は心理的安全性を高めてくれる何気ない組織行動4つについてまとめてみた。


1.挨拶は「賑やかし」である

「挨拶が大事」

およそ組織に関わる人ならみんな口をそろえて言うだろうけど、「なぜ大事か?」を聞けば口ごもる人が多い。

一般的に、挨拶とは仲間意識の確認だそうだ。

挨拶すれば相手は「あ、この人、私のことを仲間だと思っている」と感じてくれるということだ。

って言うと「そんなことはない、私は毎日誰かに挨拶されているけど、彼らを仲間だなんて思ったことは無い!」という人もいる。

同感である。

日ごろ「挨拶が大事」と言っている私でも、形式的な挨拶だったらやらない方がマシと考えている。

例えば、店舗の入り口で流れされる録音の「いらっしゃいませ」。

確かに、何も無いよりかはマシかも知れない。

多少の「賑やかし」にはなるからね。

そうなんだわ。

店舗が、わざわざコストをかけて録音の「いらっしゃいませ」をするのかと言えば、まさに「賑やかし」が必要だからだろう。

それは会社内の挨拶だって同じ。

心理的安全性を高めるための「賑やかし」として挨拶は行われている。

でも、この効用を知っているかどうかで人間関係は大きく左右される。

明らかに「賑やかし」をしている人の方が、人が寄ってくる傾向はあるからね。

そうそう、挨拶は必ずしも言葉とは限らない。

例えば、毎日花を変えるとか。

挨拶の意味が「賑やかし」であれば、花を活けても、音楽を流しても効果は同じ。

心理的安全性が高まるのだったら、どんな「賑やかし」もOKである。

2.声掛けのために声掛けをする

声掛けには次の6種類があると考えている。

  1. 関係維持:昨日はよく眠れましたか?

  2. 注意喚起:〇〇の時はくれぐれも注意してください

  3. リマインド:今週中に書類出してくださいね

  4. 指摘:それは禁止されています

  5. 承知サイン:例の件、承知していますので

  6. アピール:〇〇しておきました

確かに、こうやって並べて見ると「声掛け」はちょっとうざい。

でも、チームプレイにおいては必要不可欠である。

例えば、野球で野手の間に球が飛んだ時、双方が「あいつが取るだろう」と思い、声掛けをしなかったら、きっとポテンヒットになる。

これは野球だけでなく、仕事でも同じだ。

声がけの無い組織はポテンヒットが起こりやすい。

「私の仕事とは思いませんでした…」

「○○さんがやると思っていたいので…」

こうならないためにも、日ごろから声掛けの習慣が必要。

普段、声掛けしていない人は、いざという時にも声掛けをためらってしまうからね。

3.ご褒美にならないように褒める

社内に「褒める」を根付かせたことで会社が良くなったという話はよく聞く。

「褒める」は有効ってことだ。

ただし、褒めると言っても「ご褒美」になってしまうとアンダーマイニング効果により、やる気を失わせることになるから注意が必要だ。

アンダーマイニング効果
それまで内発的動機でやっていたことに、報酬などの外発的動機付けが行われると、逆にモチベーションが落ちてしてしまう現象 

つまり、下心ある「褒める」はマイナス効果。

大切なのは「ポジティブフィードバック」、「ご褒美」ではない褒め言葉が心理的安全性を高めてくれる。

4.惰性のような雑談も大事

ときどき話題が尽きているのにだらだらと話し続けることがある。

まだ話したい話題があるようで無いようで…、全員がこんな風にモヤモヤしている。

こんな時スパッと話を終えちゃいけない。

モヤモヤの中に「仲良くしたい」という本当のニーズが隠されている。

これも心理的安全性を高めるコツだと思って良い。

5分くらいダラダラと雑談しているうちに、けっこう大事なことを思い出し「おお、そうだ、あの件ってどうなったんでしたっけ?」ということがある。

もちろん、ダラダラ話をしていても何もでそうに無い人とは早々に切り上げた方がよい。

ダラダラ雑談は、お互いに「この人とは何かありそうだな…」と感じている者同士の場合にだけ有効である。

『自律型組織をデザインする』好評発売中!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?