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絵事常々 -むかしの作品-

仕事と私用で慌ただしく、まったく制作ができていない今日この頃です。
noteの投稿記事は書いているのですが、それに載せたいイラストや作画や資料集めができておらず投稿できないもどかしさ…

そんな中、これまでの投稿画像を「みんなのフォトギャラリー」で共有したところ、使って頂けて嬉しかったというのもあり、今回は昔の作品でも載せてみようかなぁと思います。



2013-2017の作品

こんなん描いてました

ざっくり大学卒業後の2013年から2017年の作品です。
だいたいにおいて白・青・黒! 水・石・花!な感じです。

「遠い雨」

1枚目のこちらは小品で、今のアトリエに来てすぐに描いたものです。
現在は自宅の本棚上に安置。
手近にあったパネルと紙で思いつくままに描いたタイプです。
青い海の遠くのところで雨が降っている、そんなイメージ。
具体的な描写としては、中央に見える水平線とその上あたりに細い雨が降っています。
綺麗な青い絵が描きたかった1枚。



無題(雨の石)

2枚目はこちらもアトリエに来てすぐの作品。
50号くらいの大きさで、石の川原に雨が降って、そこに花がさいているという、まぁ陰鬱です。
花はアネモネのスケッチから好きに変えて描きました。



「あとさき」

お次は石。
近くに大きな川があるので自転車でスケッチに行ったらば、川より川原の石に心惹かれた頃の1枚です。
川原の石スケッチからの習作で手ごろなパネルに描きました。

先の作品でもすでに石が出てきてはいたのですが、
このスケッチを境にメインモチーフとして石がぐいぐい乗り込んできます。
どうしてこんなに石の川原に惹かれるのか考えてみたところ、「水がなくなった後の川」=「すべてが終わった後」という風に感じられるからかなぁと思っています。



無題(木蓮)


無題(木蓮)の部分

アトリエ1年目で1番大型作品でした、木蓮の花弁が降る絵です。
その頃住んでいた家の近くに木蓮がたくさん咲いており、スケッチをしていた中で出てきた絵です。

本当は横長の大下絵を作っていて、そちらがだいぶといい感じだったのですが「スクエアで良いかなぁ」と安易に正方形にしてしまった作品。
大下絵やスケッチに比べて花弁が硬くなったり、青の諧調が思うようにいかなかったり。
着想自体は気に入っていて「花が降る」「花の天蓋」の絵はまた作品作ろうと思っています。



「残英」
「残英」の部分

ぼちぼち具体的な形も描きたいなぁ、と思って描いたのがこちらの花の絵。
「赤い花弁で、できたら合弁花とか枚数が少なくて、葉っぱは細かく、風に揺れるような、しかも手近にスケッチできる花」という手前勝手な要件で白羽の矢が立ったのが「ポピー」です。
和名はナガミヒナゲシといいます。

「石の川原に咲く赤い花」、萩原朔太郎の「小石ばかりの河原があって、それに陽は、さらさらとさらさらと射してゐるのでありました」あたりに着想のある作品です。




「行き着くところ」

次は見渡すかぎりの石。
スケッチではなくただただ石を敷き詰めた作品です。
一気呵成に描き上げた鉛筆のみのドローイング、水彩画用紙に着彩、この作品と3点セットができまして、思い入れのある作品です。

石を描きつけるあまり、「紙にザッザッと軽く鉛筆をなすりつけたらもうそこは私には川原にしか見えない」「家の壁紙の細かな凹凸で石の形が見えてくる」状態になっていました。



「彼方」

こちらは川の向こうに石の川原がある絵です。
「こちらとあちら」「此岸と彼岸」「寄せる水」「遠い地平」をとっかかりに描いた絵ですが、消化しきれなかった感のある作品。
もっと良い形で描けるようになれたらと思います。
今見てみると、我ながら興味深いのはここで「月」を描いていたことです。
小さく淡くではありますが、上部中央に月があります。
最近取り組んでいる「落月」で考えていることとあわせると、自分でも気が付いていない「何か」が見えてきそうで楽しいです。



「星おくり」

こちらは少しテイストが変わった1枚。
遠い光景に傾きがちだったので、また近視的なものを描きたくなって。

その頃、星の綺麗な山沿いに出張していました。
私の中で「花」は「星」と通ずるものがあり、水面に映る空の星と、水に沈んでいく花を重ねてみた作品です。

このあたりから「和紙」の見せ方を改めて考えまして、「墨」や「水干絵具」といった、ぼかしたり滲ませたりが見せやすい画材を表に出す方向に舵を切りはじめた感じです。



その他

こんな感じで描いてきてますが、も少しざっくりした作品。


月と花(アクリル)



赤い花のイメージ


かざぐるまのイメージ


鈴なりの赤い花のイメージ


そんなこんなでさらっとむかしの作品でした。
どんなことを書いても、何を話していても、
描いている絵の方が性質をよく物語るような気がします。
特に絵画はそれが顕著なので、そこが面白いところです。

最近はペンタブで簡単な説明イラストも作りますが、いわゆる「アナログ絵」とどんなところが違うか、うっすら感じています。

「物質感」がポイントでしょうか。

「アナログ絵」の如実かつ微妙な「ブレ・ゆらぎ」は、描き手の性質を面白いぐらいに「作品化」してくれます。
またそんなあたりも言語化してみたいなぁと思っています。

それでは今回はさらっと絵事常々。
読んで下さりありがとうございます。
今月はあまり投稿できそうにありませんが、また次回お目にかかります時に。

おまけ

webサイトを開設しました。
こちらで他の作品もご覧いただけます。


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巳白
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