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たなうらの菓子に拝みて地蔵盆

ごきげんよう。
本日7月24日は「地蔵盆」ということでお地蔵様の縁日ですわね。この日は道傍のお地蔵様にお供えをしたりあるいは前垂れを新しくしたり致しましてお祀りする習わしだそうでしてよ。
お地蔵様は子供と関係が深い存在ですから、子供達のための祭りになるところも多いようで、地域の子はお供えのお下がりでお菓子を貰えたりするのだとか。お菓子、良いですわね――。

ちなみに、今日の「地蔵盆」はあくまで道傍でしたり街角にあるお地蔵様を対象にしているそうでお寺の中にしっかり祀られているお地蔵様は対象外という説もあるそうですわ。何が違うのかしら?

道傍と申しますと、たまに知らない土地を歩いていて、ふとお地蔵様の祠が四辻にありますと驚きますわよね――。特に夜道ですと少し怖いですわ。

けれど、わたくしの住んでいる東京市街ですと道傍のお地蔵様はあまり居ない気がいたしますわね。わたくしがよく知らないだけなのかしら。
地蔵盆も西のほう風習ですから東京ですとあまり聞きませんものね。旅先で手を合わせてみるくらいかしら。

逆に、日常にお地蔵様の居る風景が原風景の方もいらっしゃるのかしらね。 

――さて、この地蔵盆。本来は旧暦の7月24日なのですけれども、東京盆のように新暦の7月24日に行う地域と、月遅れ盆のように8月24日に行う地域があるそうですわ。尤も関東では一般的な行事ではないので後者のほうが多数派のようですけれども――。

俳句の歳時記でも後者の解釈になっておりましたわ。

こういった風習のお話をするたびにいつも思うのですけれども、明治五年の改暦が無くって現在も旧暦を用いていたらどうなっていたのでしょうね。

目を瞑って想像しようにも生まれた時から新暦ですから想像のしようがありませんけれども――。


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芙蓉セツ子
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