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芙蓉歌句集

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わたくしが詠みました短歌・俳句をこちらでご紹介させて頂きます。
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2019年11月の記事一覧

長靴の裏に朽葉の残りけり

長靴の裏に朽葉の残りけり

皆様ごきげんよう。ここのところ一段と底冷えする日が続いておりますけれども如何お過ごしでしょうか。

わたくしは寒いのが苦手でして、これからの季節は朝晩が辛いのですけれども、用事の無い日などお布団から出るのすら億劫になってしまうので、どこか用事を作って出かけるように心掛けたいですわ。

雨に濡れ落ちた朽葉の道を歩いておりますと、いよいよ暮れが近づいてきたという気がいたしますわね――。

時雨るゝや革手袋の交ふる路

時雨るゝや革手袋の交ふる路

皆様ごきげんよう。昨日の11月22日は二十四節気「小雪(しょうせつ)」ということで、ちらちらと雪が舞い始める頃という意味の節気だそうですわ。皆様の地域はいかがかしら?

まだ雪景色には少し早い気もいたしますけれども、街の空気も大分冷えてまいりましたわね。防寒ということで今日は和洋折衷で合わせてみました。

わたくしは冬場に革手袋をよく用いるのですけれども、寒雨や雪が降りますと気に入った服を合わせ辛

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茶人帽洗ひて一茶忌の過ぎぬ

茶人帽洗ひて一茶忌の過ぎぬ

皆さまごきげんよう。だんだんと北風が頬を掠める季節になってまいりますけれども、11月19日は俳人、小林一茶さまの忌日でございました。
「一茶忌」と申しますと仲冬の季語になっておりまして、大変に多作でした江戸後期の先輩を称え、そして偲ぶ日となっております。

小林一茶さまを紹介するときによく生涯2万句という多作が注目されますけれども、記録の残っているものから数えますとおよそ40年ですから年に500句

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山茶花の垣根隔つる琴の音

山茶花の垣根隔つる琴の音

皆さまごきげんよう。今年も早いもので立冬を迎えまして、気がつけばお昼でも肌寒さを感じられるようになりましたわね。

七十二候で立冬の初候は「つばきはじめてひらく」と申すのですけれども、なぜこの時期に「椿」なのかしらと思いましたら、漢字では「山茶始開」と書いて山茶花のことだそうですわ。最初は知らずに騙されてしまいました。

ちなみに「椿」は花が丸ごとぽとりと落ちまして「山茶花」は花びらがヒラヒラと舞

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