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茶人帽洗ひて一茶忌の過ぎぬ

皆さまごきげんよう。だんだんと北風が頬を掠める季節になってまいりますけれども、11月19日は俳人、小林一茶さまの忌日でございました。
「一茶忌」と申しますと仲冬の季語になっておりまして、大変に多作でした江戸後期の先輩を称え、そして偲ぶ日となっております。

小林一茶さまを紹介するときによく生涯2万句という多作が注目されますけれども、記録の残っているものから数えますとおよそ40年ですから年に500句は発表していたということかしら。
時代は勿論違うのですけれども、一つのことを続けるということはどの時代でも大切なのかもしれません。

ところで、一茶さまの肖像画を見て思ったのですけれども、昔の俳人の方ってどうして帽子をしていたのかしらね。

よく千利休さまに代表される茶人の方や俳人の方が被っている帽子らしきものは名前を「宗匠頭巾」や「茶人帽」と言うそうなのですけれども、辞書を引いてみても何故被るようになったのか、由来のようなものが全く分かりませんでしたわ。意外と謎が深い存在なのかもしれません。

わたくし帽子に凝っていた時期がありまして色々な帽子を持っているのですけれども、気に入っている帽子を用いる機会がほとんどありませんで、完全に箪笥の肥やしになっておりますわ。

最近は寒くなって参りましたので、簡単な手編みのものをよく合わせているのですけれども、一茶さまのような茶人帽を被る場面はおそらく当面無いような気がいたしますわ――。

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芙蓉セツ子
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