勝つための方法【「監督力」西部謙司】
「馬を水飲み場に連れて行くことはできるが、水を飲ませることはできない」
バイスバイラー
サッカー日本代表監督も務めた二宮寛氏が聞いた、ヘネス・バイスバイラーの言葉として、本書に書かれている。
水を飲むのは馬なんです。首をつかんで水に突っ込んでも。馬が飲んでくれなきゃ仕方がない。
監督としてできることは、選手を水飲み場に連れていくこと、「これがおいしい水だよ」と教えてあげることだと、それで成果がでたのであれば、それは選手の功績であると。
こういう練習をすれば、この技術を身につければきっと成果が上がる、経験からわかっていたとしても、それをするかどうかは、それを聞いた本人の意思に委ねるしかない。おそらく、指導者とは常にそういうジレンマの中にいるのではないか。
今まで、そういう場面に何度も出会ったし、自分自身、おいしい水を前にして、飲むにいたらなかったことなど、数えたらキリがない。
監督の一番の役割とは、チームを強くし勝利に導くこと。
簡単に言ってしまえば、監督の役割とはものすごくシンプルだ。それは、企業でも同じことなのではないだろうか。会社の代表であれば、継続的により大きな利益を上げ、成長する企業にすることだし、組織の長であれば、より生産性を上げ、顧客の要求を満たす製品を供給することだったりする。
それ以外に付随する目標や理念があったとしても、その役割、使命が前提があってのことだ。
サッカーというルールの中で、どのようにチーム作り、その中の個性を活かし、いかに戦えば勝利を掴むことができるのか、それぞれの監督で考え方も方法も違う。
それぞれの監督の考え方が、自分の今いるフィールドでの戦い方の一助になるかもしれない。
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