限定和柄プレピー「preppy-和-」を染色&改造してみた
2022年8月26日にプラチナ万年筆のプレピーの和柄バージョンが数量限定で発売されました。
デザインがどれも可愛らしかったのでつい全色揃えてしまいました。
和柄プレピーの気になったところ
しかし折角購入したにも関わらず、気に入らない点が2つあり使用していませんでした。
1. キャップが無色透明
スケルトンボディだとインク残量がわかりやすいなどの利点があるのは承知なのですが、私はボディやキャップが透明でないデザインの方が好みです。
ボディが透けているのは和柄デザインのおかげであまり気にならないのですが、キャップがクリアなのが気に入りませんでした。
2. 字幅がFのみ
私は字幅が太い方が好みのため普段はM以上のニブを使用しています。
しかし和柄プレピーは字幅がFしかありません。
プレピーと同じニブであるプレジールのMばかりを日常的に使用している私にはFの字幅は物足りませんでした。
自分好みに染色&改造してみた
安価なものですが折角購入した万年筆を使用しないのはもったいないです。しかし気に入っていない万年筆を使用するのは気分が下がります。
そこで、和柄プレピーをより自分好みにするために自分で万年筆キャップの染色と字幅の調整をしてみました。
キャップの染色
キャップの染色にはみやこ染のコールダイホットという染料と濃色促進剤を使用しました。
プラスチックを染色する専用の染料もありますが、みやこ染はゆざわやなどの手芸店やホームセンターでも売られており入手が容易なので選びました。
キャップを黒色に染めたかったので染料だけではなく、みやこ染の濃色促進剤も使用しました。濃色促進剤を使用することでしっかりと深い色に染まります。
上記のものを使用して染色しました。鍋は染料で汚れてしまうので、食事を作る用の鍋とは別のものを準備します。
ザルは染め上がりがムラになるのを防ぐために使用します。ザルを使用せずに染めると鍋の底に溶け残った染料が付着してポツポツとした模様ができたりにじみができたりします。ムラも味だと思えるのであればザルはなくても問題ないです。
手順はシンプルです。
染めたいもの(今回は万年筆のキャップ)を中性洗剤で洗い水気を切る
水を鍋に入れ沸騰する寸前まで火にかける
水を温めている間に染料を準備する
水が温まったら火を弱火にする
染料を水に入れてしっかり溶かす(割りばしを使って混ぜる)
ザルを鍋に入れ、その中に染めたいものを入れる(プレピーのキャップは空気が中に入って浮きやすいので、キャップの中に割りばしを押し込んで空気を抜くと沈むようになります)
時々染めたいものの向きを割りばしで変えながら15分弱火で煮る(私は5分に一度キャップをひっくり返したり向きを変えたりしました)
15分経ったら取り出して中性洗剤で良く洗って乾かす
※私は横着して一度に複数のキャップを染めたためキャップにスレや傷ができてしまいました。見栄えを重視する場合は1個ずつ染めた方がいいです。
上記のステップを踏んでキャップを黒く染めることができました。キャップが透けなくなったのでとても満足しています。
キャップの透け感が目立たなくなりそうという理由で黒に染めましたが、思いのほか鬼を滅せそうな万年筆になりました。
染色した万年筆を使用していて手に染料が付いたりキャップの色が抜けたりはしません。ただ手帳のペンホルダー(ビニール製)に万年筆を刺していたらペンホルダーに少し色移りしてしまいました。
今のところ他のものには色移りしていませんが、もし私と同じ方法で染色を試す場合には気を付けてください。
字幅の調整
字幅を自分で調整してみました。今から手順を載せますが正直おすすめはしません。プレピーのFニブがかなり余っていたのでチャレンジしましたが、プレピーのMを買ってペン先を付け替えた方が早くて正確です。
使用したのは隙間ゲージの0.06mm、0.07mm、0.08mm、0.09mm、0.1mmと研磨フィルムの#10000(0.5ミクロン)と#8000(1ミクロン)です。
ペン先に0.06mmの隙間ゲージを通す
0.06mmが通るようになったら0.07mmを通す
0.1mmが通るまで同じ手順を繰り返す
万年筆を持ち#8000の研磨フィルムに円を書くように軽い力でペン先をこする
#10000の研磨フィルムにも同じように「の」の字を書くようにペン先をクルクルこする
上記の手順を行いMの字幅程度まで拡張することができました。これ以上の太さにできるかも試しましたがペン先が歪み書けなくなることが多かったです。
改造後の書き心地は、ハズレのプレピーよりは滑らかでアタリのプレピーよりは引っ掛かりを感じます。
研磨が足りないためなのか不明ですが、イロフルという紙に書くときだけ黒板をひっかくような手触りがあります。かなり不快です。
他の紙だと問題なくスルスル書けるので原因はわかりません。
まとめ
自分で染色や字幅の調整を行うことで、和柄プレピーにとても愛着が湧きました。
万年筆の染色は色移りしないように工夫が必要ですし、ペン先の調整ももっと滑らかに仕上げられるように練習が必要です。
しかし自分で改造した万年筆はとても可愛く見えます。
今後もまた染色や改造を試してみたいので、その時には再びnoteにまとめようと思っています。また読んでいただければ嬉しいです。
長くなりましたが、ここまで読んで下さりありがとうございました。